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【米国株】ナスダック100見通し7/9:22,400-23,000予想、関税不安で調整売り警戒

関税交渉を巡り、トランプ米政権が攻勢を強めている。関税不安の再燃で米株高にブレーキがかかっている。米金利の上昇は、中小型株とハイテク株の調整売り要因である。ナスダック100の下落を警戒したい。同指数の株価指数CFD「米国テク株100」の見通しについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・関税不安の再燃で米株高にブレーキがかかっている
・米金利が再び上昇ムードに、中小型株とハイテク株の調整売りを警戒したい
・ナスダック100は23,000がレジスタンスラインとして意識されている
・米国テク株100の予想レンジ:22,400-23,000(11日まで)
※米国テク株100:ナスダック100を原資産とした株価指数CFD



関税不安が再燃、米株高にブレーキ

トランプ米大統領が矢継ぎ早に新たな関税政策を発表している。トランプ氏は6日、主要な新興国で構成するBRICSの反米政策に同調する国に例外なく10%の追加関税を課すと、自身のSNSに投稿した。また、米東部時間7日正午過ぎから、新たな関税率の書面を貿易相手国に通知した。日本に対しては8月1日から25%の関税を課すことを通告した。そして8日には、海外から輸入する銅と関連する製品に50%の追加関税をかけると述べた。欧州連合(EU)に対しては、2日後(10日)に新税率の通知書簡を送ると自身のSNSで明かした。

8日までの米国株は、4月の相互関税の発表時のようなパニック的な売りは見られない。しかし、6日のIG米国レポートで指摘したとおり、上乗せ関税の一時停止期限である9日を前にトランプ米政権が攻勢を強めている状況は米国株の重石となろう。今週に入り米国株の上昇にブレーキがかかっている。

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米株価指数の変動率:7月7日~8日

米株価指数の変動率:7月7日~8日

ブルームバーグのデータで作成


中小型株とハイテク株の調整売りを警戒

5月以降、米株高を支えてきたのがマグニフィセントに代表される大型のハイテク株買いである(下のチャート、緑ゾーンを参照)。しかし、ハイテク株比率の高いナスダック100と中小型株の指数ラッセル2000の比(分子にナスダック100、分母にラッセル2000)を確認すると、レンジの状況にある。6月以降、中小型株にまで買いが広がり株高の土台が広がっていることを示す動きである(下のチャート、青ゾーンを参照)。

だが直近のトレンドは、レンジの下限を下抜けるムードにある。この動きは、関税不安によるインフレ再燃の懸念と米金利の上昇を警戒した動きと考えられる。

ナスダック100とラッセル2000の比:年初来

ナスダック100とラッセル2000の比:年初来

ブルームバーグのデータで作成

7日から8日の米債市場で10年債利回りは上昇基調にあり、4.4%へ上昇する局面が見られる。超長期の20年債と30年債の各利回りにも上昇の圧力が強まっている。レポート掲載時点でいずれも4.9%台へ上昇している。

少なくとも今週は、6日のIG米国レポートで取り上げた「悪い金利の上昇」を警戒したい。悪い金利の上昇は中小型株にとってネガティブな要因である。中小型株で構成されているがゆえに市場の変調を先取りするラッセル2000の下落幅が拡大する場合は、米国株の調整売りが加速するサインとして警戒したい。

米金利のチャート:年初来

米金利のチャート:年初来

ブルームバーグのデータで作成

また、悪い金利の上昇は、5月以降上昇幅が拡大しているマグニフィセントセブンの調整売りの材料として使われる可能性があろう。

すでにアップル(AAPL)、テスラ(TSLA)そしてアルファベット(GOOGL)には調整のムードが漂い始めている。マグニフィセントセブンのなかでも高パフォーマンスのエヌビディア(NVDA)とメタ・プラットフォームズ(META)も調整売りに直面すれば、ハイテク株比率の高いナスダック100の下落要因となろう。同指数を原資産とする「米国テク株100」は以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

マグニフィセントセブンの変動率:5月以降

マグニフィセントセブンの変動率:5月以降

ブルームバーグのデータで作成


米国テク株100の見通しとテクニカル分析

予想レンジの下限:22,400(11日まで)
ナスダック100のトレンドを日足チャートで確認すると、先週3日の取引時間中に高値22,896まで上昇した後は調整売りに押され、23,000がレジスタンスラインとして意識されている。50日線との乖離率が6%を超え、RSIは買われ過ぎの水準付近にある。冒頭で述べた株高のブレーキも考えるならば、関税交渉の不透明感を意識した調整売りを警戒する局面にある。

ナスダック100が対象の株価指数CFD「米国テク株100」は現在、22,800のラインを意識する状況にある。ハイテク株の調整売りで下落する場合は、以下にまとめた22,580レベルと22,500レベルのテクニカルラインの攻防に注目したい。後者の22,500レベルを下方ブレイクする場合は、サポートラインへ転換する兆しが見られる22,400のトライを想定したい。このラインを今週11日までの予想レンジの下限と想定したい。

筆者の想定を超えて米国テク株100が22,400のラインを下方ブレイクする場合は、同じくサポート転換の兆しがある22,300までの下落を警戒したい。

サポートライン
・22,580:61.8%戻し、7月7日の安値水準
・22,500:76.4%戻し、7月7日の安値水準
・22,400:予想レンジの下限
・22,300:サポートライン

予想レンジの上限:23,000(11日まで)
関税懸念と米金利の上昇を受けても米国テク株100が上記のフィボナッチ・リトレースメントを維持する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。

11日までの予想レンジの上限を原資産のナスダック100のレジスタンスライン23,000と想定したい。このラインを目指すサインとして、以下にまとめた2つのレジスタンスライン、22,800レベルと22,900レベルの攻防に注目したい。特に後者の22,900レベルは7月3日の高値水準である。重要レジスタンスラインの突破は、上昇幅が拡大するサインになり得る。

筆者の想定を超えて米国テク株100が23,000を上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準23,109のトライが視野に入ろう。

レジスタンスライン
・23,109:フィボナッチ・エクステンション100%
・23,000:予想レンジの上限
・22,900:7月3日の高値水準
・22,800:レジスタンスライン


ナスダック100のチャート

日足:3月下旬以降

ナスダック100のチャート 日足:3月下旬以降

出所:TradingView

1時間足:6月25日以降

ナスダック100のチャート 1時間足:6月25日以降

出所:IGチャート


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