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【米国株】ナスダック100予想(8/21):FOMCはインフレリスク重視、パウエル議長の政策姿勢は?

ハイテク株の割高懸念でナスダック100の下落幅が拡大。パウエルFRB議長の講演内容次第でナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」は上下に大きく振れる可能性がある。注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが簡単解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

AIバブル懸念でハイテク売り加速、ディフェンシブ選好

米株式市場でハイテク株売りが続いている。Fortune誌は20日、MITの調査(生成AI企業の95%が収益を得ていないと報告)やOpenAIのSam Altman氏によるAIバブルを警告する発言が売りの要因と報じた。

AIバブル懸念を象徴しているのが、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)である。ブルームバーグのデータによれば、同社の株価収益率(PER)は520.6倍、予想PERは240.39倍、株価売上高倍率(PSR)は105.3倍にある。「買われ過ぎの警戒感」が高まり、直近1週間で同社の株価は15%下落している(終値ベース、20日まで)。昨日の市場では142.34ドルまで急落する場面があった。7月中旬以来の安値水準である。

これまで米株高をけん引してきたマグニフィセントセブンも売りに直面している。ブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数は、8月14日の終値ベースの高値28957.61から3%下落(20日まで)。13日の取引時間中の高値と20日の取引時間中の安値ベースでは5%超下落した。短期サポートラインのトライが視野に入る。

ブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数のチャート:日足 5月以降

ブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数のチャート:日足 5月以降

ブルームバーグのデータで作成

ハイテク株の代わりに選好されているのが、ディフェンシブ銘柄である。S&P500のセクター別パフォーマンスを確認すると、割高感のあるハイテク(コミュニケーション・サービスと情報技術)セクターの下落が鮮明となる一方、生活必需品、ヘルスケアそして公共事業のセクターが上昇している。

市場全体が急速にリスク回避に傾いているわけではない。しかし、ハイテク株の割高懸念は高まっている。下で述べるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容次第でハイテク株比率の高いナスダック100は、23000のラインを下方ブレイクする可能性がある。

S&P500セクター別パフォーマンス:8月18~20日

S&P500セクター別パフォーマンス:8月18~20日

ブルームバーグのデータで作成


FOMC議事要旨 雇用よりもインフレリスクを重視、パウエル議長の政策姿勢は?

米連邦準備理事会(FRB)は20日、7月29〜30日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表し、多くの参加者が「インフレの上振れリスクが雇用の下振れリスクを上回る」と考えていたことが判明した。FOMC参加者のインフレ懸念はトランプ関税に起因している。FOMC議事要旨では、関税が経済に与えるタイミング、規模そして持続性について議論された。

8月21日~23日に米ワイオミング州で年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれる。市場参加者の関心は、明日のパウエルFRB議長の講演に向いている(22日23時予定)。

9月の0.25%利下げを覆す講演内容となる可能性は低いと思われる。0.5%の大幅利下げ期待が後退している現状、注目すべきは連続利下げの可能性にある。現状、OISに基づく10月利下げの予想確率は50%台、12月の利下げ予想確率は70%台後半で推移している。

米FOMC 利下げ確率の推移

米FOMC 利下げ確率の推移

ブルームバーグのデータで作成 / OISに基づく予想確率、21日14時時点


7月FOMC後に発表された雇用関連の経済指標は、いずれも労働市場の軟化を示唆した。それでもパウエルFRB議長が、利下げにコミットする表現を避け従来のデータ重視の慎重姿勢を貫く場合は、連続利下げの期待が後退することが予想される。この場合は、来週もハイテク株の売りを警戒する必要がある。ハイテク株の売りが続けば、ナスダック100も下値トライを意識する状況が続こう。

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米国テク株100の見通しとテクニカル分析

焦点は23000ラインの維持
20日の米株式市場でナスダック100は、一時23000のラインを下抜ける場面があった。同指数の株価指数CFD「米国テク株100」も安値22956まで下落した。昨日のIG米国レポートでは、22日までの予想レンジの下限をフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる23000とした。日足ローソク足で長い下ヒゲが表れた状況は、このラインの重要性を示唆している。下方ブレイクする場面はあったが、日足ローソク足の実体で維持した状況を考えるならば、引き続き23000ラインを予想レンジの下限と想定したい。

フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準23165レベル、および23100付近で推移している50日線の下方ブレイクは、米国テク株100が再び23000ラインをトライするサインと捉えたい。

23000ラインを下方ブレイクする場合は
ハイテク株の割高懸念が高まっている状況を考えるならば、米国テク株100が23000のラインを下方ブレイクする展開を想定しておきたい。この展開となれば、8月1日の安値22670レベルのトライが焦点に浮上しよう。8月4日の大陽線の安値22763の下方ブレイクは、22670をトライするサインと考えたい。米国テク株100の下落幅が拡大するきっかけになり得るのが、前述したパウエルFRB議長の講演内容と来週27日のエヌビディア(NVDA)決算である。

サポートライン
・23165:61.8%戻し
・23100:50日線
・23000:予想レンジの下限
・22763:8月4日の安値
・22670:8月1日の安値

20日線の攻防に注目
20日のIG米国レポートでは、22日までの予想レンジの上限を24000と述べた。しかし、昨日の下落でこのラインが遠のいた。もう一つの重要ラインである23700のトライも厳しい状況になりつつある。

下落の反動で米国テク株100が買い戻される場合、パウエル講演までは20日線までの上昇が限界と想定したい。すぐ上23461レベルは、8月13日の高値と昨日の安値の半値戻しにあたる。これらテクニカルラインを突破できるかは、パウエル講演の内容次第と予想する。講演が米株高の要因となれば、23700のトライを想定したい。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準23580の突破は、23700をトライするサインと考えたい。

レジスタンスライン
・23700:レジスタンスラインへ転換する可能性あり
・23580:フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し
・23461:半値戻し
・23433:20日線


米国テク株100のチャート:日足 7月下旬以降

米国テク株100のチャート:日足 7月下旬以降

出典:IG / TradingView


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