米国株見通し(12/3):ハイテク株買い戻しでナスダック上昇、25000~26000の攻防
ナスダック100の短期見通し。ハイテク株の買い戻しで堅調。今日以降は経済指標にらみ。株価指数CFD「米国テク株100」のポイントをIG証券のアナリストが解説。
要点
- ハイテク株の買い戻しでナスダック100は先週から5%高と急反発。エヌビディアの株価は170ドルでサポートされ、50日線が視野に
- 今日以降は経済指標をにらんだ相場が予想される。12月FOMCで今後の利下げ姿勢を見極める必要があることから、急変動の可能性は低い
- 米国テク株100の注目のチャート水準について。上値は26000のトライ、下値は25000の維持が焦点に
ブルームバーグの価格データで作成
エヌビディア(NVDA)の動きに注目したい。グーグルの高性能AI半導体「TPU」への期待でアルファベットの上昇率が突出しているのとは対照的に、エヌビディアの株価は11月以降10%安とさえない(12月2日時点)。しかし、先月25日にサポートラインの170ドルでサポートされ、現在は50日線を視野に反発している。上記のパフォーマンスチャートでも下げ止まり感が出ている(赤ラインを参照)。
マグニフィセントセブンだけでなく主力の半導体株の買いも見られる。エヌビディア株の買い戻しは、この動きをさらに促す要因になり得る。
ハイテク株比率の高いナスダック100が強い。先週以降、ハイテク株買いの恩恵を受け5%高と、他の指数と比較して上昇が拡大している。
米株価指数の変動率:11月24日~12月2日
ブルームバーグの価格データで作成
市場の関心は利下げペースへ移行
1日のIG米国株レポートで述べたとおり、今日以降の米株式市場は経済指標をにらんだ展開が予想される。12月の利下げが強く意識される、強い経済指標で景気不安が後退すれば、米国株の押し上げ要因になり得る。逆に景気不安を想起させる内容が続けば、米株安を想定したい。
IG米国株レポート
・米国株週間見通し(12/1~5):S&P500反発も経済指標を警戒、PCE価格指数に注目
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、12月の利下げ確率が90%前後にあり、かなり織り込みが進んでいる。ゆえに市場の焦点は、利下げペースに移行するだろう。
12月のFOMCではドットチャートが公表される。FOMC参加者が抱く政策金利の見通しとパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が示す政策スタンスで、市場の利下げ観測は大きく揺れ動くだろう。
なお、レポート掲載時点では来年1月と3月の利下げ確率がいずれも30%を割り込み、連続利下げを織り込む状況にはない。FOMCで利下げペースが緩慢になるとの思惑が高まる場合は、米国株の下押し要因になり得る。
米FOMC 利下げ確率の推移:12月、26年1月と3月
ブルームバーグ、OIS市場のデータで作成 / 3日 午前9時時点
米国テク株100のチャート分析
上限:26000
ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」のトレンドを日足チャートで確認すると、MACDはゴールデンクロスへ転じたあとも反転を維持し、現在はゼロラインを上回る状況にある。RSIも50を上回り、いずれの指標も地合いの強さを示唆している。ハイテク株の買い戻しと強い経済指標が重なれば米国テク株100は、日足チャートにまとめた上値水準の攻防に注目したい。
まずは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準25683の突破が焦点となろう。このテクニカルラインは11月上旬から中旬にかけて相場の反発を止めた経緯がある。
次の焦点は25800の攻防だ。このラインは上値抵抗線に転換する可能性がある。この水準を突破すれば、26000を視野に上昇拡大が予想される。
前述のとおり、原市場のナスダック100は先週から12月2日までに5%上昇している。来週にはFOMCが控えている。週後半の調整売りを警戒し、節目の26000を今週5日までの上限と想定したい。
想定を超えて米国テク株100が26000のラインを突破する場合は、10月30日の高値水準26255をトライする可能性があろう。
・26255:10月30日高値
・26000:上限(予想)
・25800:レジスタンス転換の可能性あり
・25683:76.4%戻し
下限:25000
景気不安を強める経済指標は、ナスダック100の調整売り要因となろう。米国テク株100は、以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。
反落局面での焦点は、25000の維持となろう。直下の24936はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(4時間足チャートを参照)。
米国テク株100が25000をトライするサインとして、25100の攻防に注目したい。現在、25日線がこのライン付近まで低下している。25160台には50日線が推移している。フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準25200レベルの下方ブレイクは、これら移動平均線と25100をトライするシグナルと考えたい。
想定を超えて25000を下方ブレイクする場合は、24900の維持が焦点に浮上しよう。直下の24885レベルには日足の一目基準線が推移している。
・25200:23.6%戻し(4時間足チャート)
・25100:25日線、25160台に50日線
・25000:下限(予想)、直下に38.2%戻し(4時間足チャート)
・24900:直下の24885レベルに一目基準線(日足)
なお、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントはレポート掲載時点の水準を記載している。今日以降、米国テク株100がさらに上昇する場合は、新たな水準を確認したい。
米国テク株100の日足チャート:今年10月以降
TradingView提供のチャート
米国テク株100の4時間足チャート:11月下旬以降
TradingView提供のチャート
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