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【米国株】ナスダック100予想(12/10):FOMC後のハイテク株売り警戒

IG証券のアナリストによるFOMC後のナスダック100予想。来年の利下げ見通しと米金利の動きに注目。米国テク株100チャート分析の解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 11月下旬以降、S&P情報技術セクターが6.7%高と急伸、12月利下げを織り込む動き
  • 来年の利下げ見通しが12月FOMCの焦点に。ドットプロット、パウエルFRB議長の発言で米金利が上昇すれば、ハイテク株売りとナスダック100の下落を警戒
  • 株価指数CFD「米国テク株100」のチャート分析。FOMC後も強気相場維持なら26000の攻防に注目。下落なら25200の維持が焦点に。



12月の利下げを先取りしたハイテク株買い

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が11月21日、近い将来の利下げの可能性に言及した。翌週(24日~28日の週)から12月9日にかけて12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が急速に高まった。

米株式市場ではハイテク株に買戻しが入った。S&Pセクター別パフォーマンスを確認すると、エヌビディア(NVDA)やマイクロソフト(MSFT)が属する情報技術セクターが6.9%高と最も上昇している。次いでアルファベット(GOOGL)とメタ・プラットフォームズ(META)が属するコミュニケーション・サービスセクターが5%上昇している。

S&Pセクター別パフォーマンス:11/24~12/9

S&Pセクター別パフォーマンス:11/24~12/9

ブルームバーグのデータで作成

同期間の主要株価指数のパフォーマンスを確認すると、金利動向に敏感な中小型株のラッセル2000が6.6%で上昇率トップ。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数と100指数もラッセル2000に追随し、ダウ平均S&P500のパフォーマンスを上回る状況にある。

米株価指数のパフォーマンス:11/24~12/9

米株価指数のパフォーマンス:11/24~12/9

ブルームバーグのデータで作成

上記のパフォーマンスは、12月の利下げを意識した動きと捉えることができる。言い換えれば、利下げは完全に織り込まれていると言える。8日のIG米国株レポートで指摘したとおり、2026年の利下げ見通し次第でFOMC後の米国株は調整売りに直面する可能性がある。

IG米国株レポート
米国株週間見通し(12/8~12):焦点は米利下げパス、S&P500はFOMC後の下落を警戒


米金利の上昇を警戒

FOMC後の米株安を警戒するもう一つの理由が米金利の動きだ。金融政策の方向性を織り込んで動く2年国債利回りは、12月に入り反発基調を強めている。11月下旬に利下げ期待で低下していた2年国債利回りが上昇に転じた現在の動きは、米株式市場と同様、利下げがすでに完全に織り込まれたことを示唆している。

米2年国債利回りの1時間足チャート:11月下旬以降

米2年国債利回りの1時間足チャート:11月下旬以降

TradingView提供のチャート

注目は、FOMC後も金利の上昇が続くかどうかだ。その鍵を握るのが、来年の利下げ見通しとなろう。以下の点に注目したい。
・ドットプロット(FOMC参加者の政策金利見通し)
・パウエルFRB議長の会見

9月時点の2026年末予想中央値は3.4%。一方、翌日物金利スワップ(OIS)市場では、来年10月時点の政策金利の予想水準が3.2%前後と若干緩和的だ。ドットプロットに変化がなくてもパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で来年の利下げペースが緩慢になるとの思惑が強まれば、米金利の上昇と米ドルの買い戻しが予想される。

雇用関連の経済指標にも注意が必要だ。9日に発表された9月分と10月分の雇用動態調査(JOLTS)の内容を受け、米金利が上昇した。11日に週間の新規失業保険申請件数が発表される。雇用動態調査(JOLTS)に続き労働市場の底堅さを示す内容となれば、米金利の上昇を促す要因になり得る。強い雇用指標は株高要因にもなり得るが、"タカ派"のFOMCと重なれば米株安を警戒したい。

特に、期待先行で買われてきた半導体やソフトウェア関連銘柄の売りに注意が必要だ。これら銘柄の動きは、ハイテク株比率の高いナスダック100のトレンドを左右する。FOMC後の株価指数CFD「米国テク株100」は、以下のチャート水準の攻防に注目したい。

米政策金利の予想水準:2026年

米政策金利の予想水準:2026年

ブルームバーグ、OIS市場のデータで作成 / 10日午前9時時点


米国テク株100のチャート分析

上昇局面の焦点:26000の突破
米金融政策の方向性自体は利下げにある。この点は米国株を下支えする一因となろう。12月のFOMCが総じて"タカ派"と受け止められても、米ハイテク株の下落が限定的となれば、上昇トレンドの維持を予想する。この場合、11日から12日にかけての米国テク株100は、26000ライン突破が焦点となろう。

26000をトライするサインとして注目すべきは、12月に入りレジスタンスとして意識されている25800の攻防だ。レジスタンスラインに転換する兆しが見られる25700の突破は、この水準をトライするサインとなろう。米国テク株100が25800を完全に突破すれば、26000のトライが視野に入るだろう。25800のサポート転換となれば、その可能性がより高まろう。

米国テク株100が26000台へしっかりと上昇する場合、次の焦点は10月下旬に反発を阻んだ26130のブレイクアウトとなろう。ここも突破すれば、10月30日の高値26255が射程圏内に入る。

来週以降、クリスマス休暇に入る市場参加者が増える。利益確定売りやポジション調整の可能性を考慮し、12日までの上限は26255直下の26250と予想する。

上値のチャートポイント:日足チャート
・26250:上限(予想)、10月30日高値26255の直下
・26130:レジスタンスポイント
・26000:節目の水準
・25800:レジスタンスライン

下落局面の焦点:25200の維持
一方、来年の利下げ見通しや米金利の動きがハイテク株売りを促す場合、米国テク株100では以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

注目は25200の維持だ。この水準を挟んで上に50日線、下に25日線が推移している。25200をトライするサインとして、25450と25360の攻防に注目したい。前者の25450はサポートラインに転換している(1時間足チャートを参照)。25360直下の25356は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたる(日足チャートを参照)。後者のテクニカルラインの下方ブレイクは、50日線をトライするサインとなろう。50日線も下方ブレイクすれば、25200のトライを意識したい。

FOMC後に米国テク株100が25200を下方ブレイクする展開も想定しておきたい。このケースでは、25000の維持が焦点となろう。このラインを今週12日までの下限と予想する。

下値のチャートポイント
・25450:サポート転換の水準(1時間チャート)
・25360:サポートライン、直下の水準は23.6%戻し(日足チャート)
・25200:重要サポートライン、上下に25日線と50日線が展開
・25000:下限(予想)


米国テク株100の日足チャート:今年10月以降

米国テク株100の日足チャート:今年10月以降

TradingView提供のチャート

米国テク株100の1時間チャート:12月以降

米国テク株100の日足チャート:今年10月以降

TradingView提供のチャート


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