原油価格、再び急騰 WTIが103ドル ホルムズ海峡封鎖長期化見通し
WTIは30日朝に1バレル=103ドル台。9日以来の高値となった。イランでの戦争の長期化見通しは強まっており、今後も上昇圧力が続くとみられる。
原油価格が再び急騰している。原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し)は日本時間30日朝の取引で一時、1バレル=103ドル台を記録。直近の2営業日あまりで14%超の上昇となっている。9日につけた119.48ドル以来の高値で、原油高が止まらない状況だ。イスラエルとアメリカによるイラン攻撃から1か月が経つ中、戦火は拡大の様相をみせており、投資家の見通しへの不安が高まっている。一方、イラン側はパキスタンなどの船舶のホルムズ海峡通過を認めたといい、友好国を通じて和平への道を探っているもよう。ただ、金融市場では米国とイランの歩み寄りへの期待は高まっておらず、ホルムズ海峡封鎖と原油高が長期化するとの見通しはいっそう強まっている。米国のドナルド・トランプ大統領がイランとの協議の期限としている4月6日に向けて、今後も緊張感が高まることは避けられず、原油価格への上昇圧力はさらに増していきそうだ。
WTIは一時、1バレル=103.38ドル 2営業日あまりで14%超の上昇
WTI(5月渡し、WTI原油)は日本時間30日午前11時31分段階で1バレル=102.90ドルで取引されている。ブルームバーグによると、取引開始直後の午前7時3分には103.38ドルをつける場面もあった。WTIは25日のニューヨーク市場での終値では90.32ドルをつけていたが、その後、2営業日あまりで14.46%高の急騰をみせたことになる。
原油価格は米国などによるイラン攻撃が始まった2月28日以降、クウェートやイラク、アラブ首長国連邦(UAE)などによる原油生産抑制が伝わるにつれ、上昇が加速。9日には3年8か月ぶりの高値(1バレル=119.48ドル)をつけた。30日の高値はこの水準に次ぐ高さで、原油高に収まりがつかない状況となっている。
米軍の中東増派とフーシの参戦で交戦拡大も イランは外交解決も探る姿勢
原油市場を揺らしているイランでの戦争は交戦過熱の様相をみせている。米中央軍は28日、SNSのXへの投稿で、兵士ら約3500人を乗せた強襲揚陸艦トリポリが27日に中東の海域に到着したと公表。2200-2500人を乗せた強襲揚陸艦ボクサーも中東に向かっていると報じられている。また、ブルームバーグによると、イエメンを拠点とする親イラン武装組織フーシは、28日にイスラエルに対してミサイル攻撃を行ったと明らかにした。フーシはこれまでアラビア半島の南岸に面した紅海で民間船舶を攻撃してきた経緯があり、イラン戦争へのフーシの参戦はエネルギー海運にとって、ホルムズ海峡の代替ルートも危機にさらされる恐れが強まったことを意味する。
一方、イランは米国との和平協議を完全に拒絶しているわけではなさそうだ。パキスタンのムハンマド・イスハーク・ダール外相は日本時間29日未明、Xへの投稿で、パキスタン船籍の20籍がホルムズ海峡を通過することをイランが認めたと発表。ブルームバーグによると、タイやマレーシアもイランからタンカーの通過を認められたと公表している。またパキスタンとサウジアラビア、トルコ、エジプトの外相は29日にイスラマバードで会談し、イラン情勢について協議。ダール氏の声明文によると、米国とイランはともにパキスタンを仲介役として認め、ダール氏は中国の王毅外相からの支持も取り付けているという。
15項目の計画での歩み寄りは困難か 原油価格の上昇見通しは継続
ただ、米国がイランに履行を求めている核施設の撤去などの15項目の計画をめぐっては双方の歩み寄りが難しいもよう。ブルームバーグは29日、イランのタスニム通信を引用する形で、イランのモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長が15項目の計画についてトランプ氏の「希望」にすぎないと言及したと報じている。ブルームバーグのデータでWTI値動きを期日別にみると、日本時間30日午前の取引では10月渡しでも1バレル=81ドルを超えており、金融市場では原油高の長期化が想定されているもようだ。
こうした中、トランプ氏は日本時間30日朝、記者団に対してイランとの合意について「まもなく実現するかもしれない」と述べたものの、WTIに下落の動きは出ていない。トランプ氏の発言は株式市場でも値動きへの影響が小さくなっており、投資家はホルムズ海峡の封鎖が解消される具体的な進展を待っているようだ。トランプ氏はイランの発電所への攻撃を「米国東部時間4月6日午後8時」まで猶予するとしており、WTIの今後の値動きをめぐっては、交戦激化へのタイムリミットに向けて原油価格に上昇圧力がかかる展開が想定されそうだ。
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