原油価格、高止まり WTIは102ドル イラン戦争終結見通しを静観
WTIは1日午前も102ドル台。トランプ氏が2-3週間以内でのイラン撤退に言及したが、早期の供給回復の見通しはたっていない。
原油価格の高止まりが続いている。原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し)は日本時間4月1日午前の取引で1バレル=102ドル台で推移。イランでの戦争をめぐり、アメリカのドナルド・トランプ大統領が今後2-3週間のうちにイランから撤退すると発言したものの、原油価格の値下がりは限定的となった。イラン戦争はすでに中東産油国のエネルギー生産に大きな打撃を与えているとみられ、早期の生産回復が難しくなっているとの懸念が影響していそうだ。一方、WTIの価格を詳細にみると、受け渡し期日が先の商品の価格の下落率が大きくなっており、原油高の長期化見通しは和らぎ始めた。ただ、仮に戦争が終結したとしても、タンカーなどがホルムズ海峡を通過できるようになるまでにかかる時間は不透明で、原油価格の下落が進まない可能性がある。
WTIは102ドル台で推移 トランプ氏が2-3週間以内のイラン撤退に言及
WTI(5月渡し、WTI原油)は日本時間4月1日午前11時段階で1バレル=102.92ドルで取引されている。ブルームバーグによると、WTIは午前1時台には105ドル台で取引される場面もあったが、上昇には歯止めがかかった。とはいえ、WTIがイラン戦争開始前日の2月27日終値では67ドル台だったことを踏まえれば、高止まりの状況だといえそうだ。
原油価格の上昇に一服感が出たのは、イランと米国の双方から終戦に前向きな発言が出たためだ。ブルームバーグは1日未明、イランの国営ニュースを引用する形で、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領が31日、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長との電話会談で戦争終結の用意があると述べた、と報じた。またトランプ氏は日本時間1日朝、記者団に対して、「極めて早期にイランを去ることになるだろう」と発言。イランの核の脅威を取り除くという目的が達成されたことを理由に挙げ、イランとの合意がない場合でも今後2-3週間で撤退するとの考えを示した。
原油生産の復活には時間か WTIの10月渡しは75ドル台まで低下
それでも原油価格が大きな下落をみせなかった背景には中東の原油生産がすでに大きなダメージを受けていることがありそうだ。各国は貯蔵施設の容量不足から原油生産を抑えこんでいるもよう。油田の生産量の復活には数週間から数か月かかるとされており、今後も供給不足が価格上昇要因として働く可能性がある。ブルームバーグによると、中東産原油の実際の需給バランスが反映される指標であるドバイ原油の31日のスポット価格は1バレル=121.10ドルとなっている。
一方、31日のWTIの値動きを期日別にみると、原油高の長期化への懸念が和らいだ感もある。31日のニューヨーク市場の終値は5月渡しが前日比1.46%安に留まる一方、10月渡しの価格は5.95%安の1バレル=75.27ドルまで下がり、3月11日(75.04ドル)以来の安値となった。ホルムズ海峡をタンカーが通過できるようになれば、時間が経つにつれて原油の輸出が再開されていき、供給不足が解消されるとの見方が要因といえそうだ。
ホルムズ海峡の封鎖解消の時期は不透明 トランプ氏の演説が原油価格を左右か
ただ、ホルムズ海峡でタンカーなどの航行が再開される時期は引き続き不透明だ。イランのタスニム通信によると、ペゼシュキアン氏は30日の閣議で、終戦に関する判断はイランの要求を踏まえ、イランの尊厳や安全保障、国益を確保するものでなければならないとした。米軍がイランからの撤退を決めたとしても、イラン側が強硬姿勢を緩めなければ、ホルムズ海峡をめぐる緊張が続く可能性がある。
またイランはすでにホルムズ海峡に機雷を設置していると報じられており、仮にイランからのミサイルやドローンによる船舶への攻撃が止んだとしても、安全な航行の確保には時間がかかりそうだ。トランプ氏は米国東部時間31日朝、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、英国などがジェット燃料の調達に苦心していることを指摘し、各国にとっての選択肢は、米国から燃料を買うかホルムズ海峡に行って直接調達するかだと言及。「あなた方は自ら戦うことを学び始めなければならない」として、ホルムズ海峡での安全確保について米国としての支援は行わないと示唆した。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官のSNSのXへの投稿によると、トランプ氏は米国東部時間1日午後9時(日本時間2日午前10時)にイラン戦争について国民向けの演説を行う予定。発言の内容やイラン側の反応がホルムズ海峡封鎖の解除の見通しを強めるかどうかで、原油価格の値動きが左右されることになりそうだ。
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