コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ドル円 週間予想(6/16-20):予想レンジ142.00-146.15 焦点は中東情勢と日米金融政策

ドル円の週間見通し。予想レンジは142.00-146.15レベル。緊迫化する中東情勢。原油価格と米金利の反応を注視。日米中銀イベントの注目ポイントをIG証券のアナリストが詳しく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・中東の地政学リスクは「有事のドル買い」要因となった
・今週も中東情勢を警戒、原油価格と米金利の反応を注視
・注目の日銀会合と米FOMC、焦点は植田総裁とパウエル議長の政策姿勢
・ドル円の週間予想レンジ:142.00-146.15レベル



中東懸念で有事のドル買い、リスク回避の円高圧力は高まらず

イスラエル軍が13日未明にイランを空爆した。イランはイスラエルに報復攻撃を行い中東情勢が一気に緊迫化した。

13日の外為市場では、中東の地政学リスクを意識した「有事のドル買い」となった。一方、リスク回避の円高圧力は高まらず、先週のIG為替レポートで指摘した円高圧力が後退していることを示唆した。

原油先物価格の急騰でカナダドルとノルウェークローネが対米ドルと日本円で上昇した。

米ドルと日本円の変動率:6月13日

米ドルと日本円の変動率:6月13日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成


今週、ドル円(USD/JPY)の変動要因の一つが中東情勢となろう。注目は原油先物価格の動向とそれに対する米金利の反応である。13日の市場では原油先物価格が一時77ドル台まで急騰した。しかし、前日比4.94ドル(7.3%)高の1バレル=72.98ドルで取引を終え、日足ローソク足では長い上ヒゲが示現した。この上ヒゲは、市場の過剰反応を示唆している。

今週、国際商品市況が中東の地政学リスクを急速に織り込む場合、原油先物価格は上下に振れても、上昇幅は限定的となる可能性がある。このケースでは「有事のドル買い」圧力が後退する展開を想定したい。

イスラエルはイラン攻撃の範囲を拡大しているとの報道がある。イランは夜間限定の軍事作戦を日中にも実施し対立が激化している。ホルムズ海峡などの戦闘で供給懸念が一層高まる場合は、「原油高→インフレ再燃の懸念→米金利の上昇」を警戒したい。

13日の米債市場はリスク回避よりも「原油高→インフレ再燃の懸念」の方が意識され金利が上昇した。トランプ米大統領が4月に相互関税を発表して以降、「悪い金利の上昇」は米ドル安の要因として意識されてきた。しかし13日の動向を考えるならば、今はリスク回避のドル買い(有事のドル買い)圧力が勝る状況を想定したい。

NY原油先物価格のチャート:日足 年初来

NY原油先物価格のチャート

出所:TradingView / 6月13日時点


日銀会合、植田総裁の政策姿勢が“ハト派”なら円安要因に

16-17日に日銀金融政策決定会合が開かれる。今回の会合では、現行の金融政策維持が見込まれている。市場参加者は、植田和男総裁の定例会見で利上げ姿勢を見極めようとするだろう。

植田総裁は3日の内外情勢調査会での講演で、基調的な物価上昇率の見通しに対するリスクとして、米国と各国の通商政策の不確実性の高さに言及した。そして金融政策の運営にあたっては、これらの動向を丁寧に確認したうえで適切に判断していく必要があると述べた。また、10日の参院財政金融委員会では基調的な物価上昇率について、「総合的にみると2%までまだ距離がある」と述べた。5月の定例会見と同じく、今回も植田総裁は米国の相互関税と各国との通商交渉が経済に与える影響を見極める必要性に言及し、早期の利上げについて慎重に判断する姿勢を示す可能性がある。

4月にトランプ米大統領が相互関税を発表した後、短期金融市場では日銀の利上げ観測が後退している。筆者はこの状況が円高圧力後退の一因と考えている。したがって、植田総裁の会見が「ハト派」と受け止められる場合は、円安を想定したい。

日銀 政策金利の予想推移

日銀 政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成


米FOMC、パウエルFRB議長の政策姿勢に注目

17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。今回の会合では政策金利の据え置きが予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長によるインフレと雇用の見通し、そして政策姿勢に注目したい。

利下げ判断の後押し要因
・5月雇用指標:労働市場の軟化を示唆
・5月インフレ指標:消費者物価指数・生産者物価指数が総じて予想以下
・6月期待インフレ率(速報値):5月の6.6%から5.1%へ急低下 ※ミシガン大学調査

利下げ判断の慎重要因
・トランプ関税の影響見極め
・中東懸念による原油高→インフレ再燃の懸念

パウエルFRB議長は、経済指標を精査し金融政策を判断する姿勢にある。直近の経済指標を受け利下げ姿勢に傾く発言があれば、ドル安を想定したい。しかし、パウエルFRB議長は上記の慎重要因を見極める必要がある。早期の利下げに慎重な姿勢を示す場合は、「米金利の上昇→米ドルの買い戻し」を予想する。

短期金融市場では次回の利下げを9月と予想している。その確率は60%台にある(6月13日時点)。

米FRB 政策金利の予想推移

米FRB 政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 6月13日時点


ドル円の週間見通しとテクニカル分析

今週の予想レンジ上限:146.15
中東の地政学リスクは、「有事のドル買い」要因となった。しかし13日のドル円(USD/JPY)は、50日線で上値が止められた。

ドル高の持続性は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策姿勢次第となろう。定例会見でパウエルFRB議長が早期の利下げに否定的な姿勢を示せば、ドル高を想定したい。また、FOMC前に植田和男日銀総裁の定例会見が円安の要因となれば、ドル円は146円を視野に上昇幅の拡大を予想する。

今週の予想レンジの上限は146.15レベル。この水準は5月29日の高値レベルである(日足チャート、青矢印を参照)。5月高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準でもある。また、今週19日にはトライアングルの上限(レジスタンスライン)が146.15レベルと交錯する。

週明けのドル円は、先週の上昇を止めたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準144.44レベルを上方ブレイクした(1時間足を参照)。エリオット波動の修正波C後の反発も考えるならば、145円のトライを意識する状況にある。ドル円が145円台の攻防となる場合は、146.15レベルのトライを意識したい。そのサインとして、以下2つのテクニカルラインの攻防に注目したい

①3月28日の高値と4月22日安値の半値戻しの水準145.55(日足)
②75日線が推移している145.60台(日足)

75日線の突破は146.15をトライするサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・146.15:予想レンジの上限、61.8%戻し、トライアングル上限(日足)
・146.62:75日線(日足)※16日時点
・145.55:半値戻し(日足)
・145.00:レジスタンスライン

今週の予想レンジ下限:142.00レベル
日足のRSIとMACDに明確な方向性は見られない。日米の中銀イベントが上昇要因となっても、上述したレジスタンスラインでドル円(USD/JPY)の上昇が止められる場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けるだろう。ドル円の反落局面では、142.00レベルの維持が焦点となろう。このラインを今週の予想レンジの下限と想定したい。

ドル円が142.00レベルをトライするサインとして、以下にまとめた3つのサポートラインの攻防に注目したい。

①今週143.20→143.50レベルで推移するトライアングルの下限
②6月第1週のサポートライン142.50レベル
③5月27日の安値142.11レベル

142.11レベルの下方ブレイクは、142.00をトライするサインと捉えたい。

サポートライン
・143.20-50:トライアングルの下限(日足)
・142.50:6月第1週のサポートライン(日足)
・142.11:5月27日の安値(日足)
・142.00:予想レンジの下限(1時間足)


ドル円のチャート

日足:今年3月以降

日足:今年3月以降

出所:TradingView

1時間足:5月下旬以降

1時間足:5月下旬以降

出所:TradingView

※7時50分にドル円の週間見通しとテクニカル分析の項目をアップデート。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。