コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ドル円週間予想(6/9-13):予想レンジ142.50-146.90 米中協議とインフレ指標に注目

ドル円の週間見通し。予想レンジは142.50-146.90レベル。米中貿易協議、5月消費者物価指数(CPI)、6月ミシガン大学調査の期待インフレ率が焦点に。注目のテクニカルラインをIG証券のアナリストが詳しく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・円高の圧力がじわりと後退し、ドル円は反発ムードにある
・米中貿易協議が進展すれば米ドル高、難航すれば米ドル安を想定
・経済指標では米インフレ指標に注目、悪い金利の上昇を警戒
・ドル円の週間予想レンジ:142.50-146.90



円高の圧力が後退、高まるドル円の反発ムード

外為市場で円高の圧力が後退している。先週の円相場の動向を確認すると、対G10通貨すべてで日本円は下落した。

日銀は経済・物価の基調的な見通し実現の確度に応じて利上げを判断していく姿勢を維持している。しかし短期金融市場では、年内の利上げ観測が後退している。トランプ米政権の相互関税に端を発した貿易摩擦と経済見通しの不透明感の高まりが日銀の利上げ見通しに影を落とし、円高の圧力が後退している一因になっていると考えられる。

円相場の変動率:6月2~6日

円相場の変動率:6月2~6日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成


9日に米中貿易協議、進展か?難航か?

9日にロンドンで米国と中国が2回目の貿易協議を行う。トランプ米大統領が6日、明らかにした。米国側からはベッセント財務長官、ラトニック商務長官そしてグリア米通商代表部(USTR)代表が出席する。中国側からは経済政策を統括する何立峰副首相が出席する。

議論の中心になると見られるのが、中国のレアアース輸出規制である。5月の協議で米中両国は115%の関税引き下げで合意した。しかし、90日間停止している一部上乗せ関税では進展が見られない。これらの議題で米中が歩み寄れば、株式市場は株高で反応することが予想される。このケースでは、「リスクオン(選好)の円安」を想定したい。一方、協議が難航する場合は関税懸念による米ドル安を予想する。株安も警戒したい。このケースでは円高の再燃を警戒したい。

予想シナリオ
・米中協議が進展:リスクオンによる円安
・米中協議が難航:米ドル安とリスク回避による円高


5月のCPIと6月の期待インフレ率に注目、インフレ再燃を警戒

11日に5月の消費者物価指数(CPI)がある。レポート掲載時点でのブルームバーグがまとめた予想では、トレンドを示す前年同月比が4月から上昇する見込みにある。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の前月比も0.3%増と、4月の0.2%増から伸びる見通しである。

先週発表された5月の経済指標では、企業活動の低下と労働市場の軟化が示唆された。5月CPIでインフレの粘着性が示される場合は、スタグフレーションの懸念による株安を想定したい。米中協議の難航とリスク回避相場(株安)が重なる場合、ドル円(USD/JPY)は下で取り上げているサポートラインの攻防を意識したい。

米国 消費者物価指数(CPI):過去1年間

米国 消費者物価指数(CPI):過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:5月予想

13日に6月のミシガン大学消費者態度指数が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想は53.5と、5月確報値52.2から改善の見通しにある(レポート掲載時点)。予想以上ならば米ドル高と円安の要因になり得る。一方、予想を下回る場合は米ドル安を想定したい。

消費者マインドも重要だが、より注視したいのが期待インフレ率である。5月確報値の1年先期待インフレ率は速報値の7.3%から6.6%に下方修正された。6月速報値の予想は6.5%と、消費者が抱くインフレ期待が鈍化する見通しにある。ゆえにリスク要因は、予想外にインフレ期待が高まる場合である。このケースでは「悪い金利の上昇」による米ドル安を警戒したい。5月CPIでもインフレの粘着性が示される場合は米株安を警戒したい。後者は円高の要因となろう。

ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレ率:過去1年間

ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレ率:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒ドット:6月予想


ドル円の週間見通しとテクニカル分析

週間予想レンジの上限:146.90
ドル円(USD/JPY)は50日線を突破し、日足一目雲の攻防にある。今週も反発が続く場合、予想レンジの上限を146.90レベルと想定したい。89日線が146.87レベルまで低下している。また、146.88レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたり、2つの重要なテクニカルラインが重なる。

ドル円が146.90レベルを目指すサインとして、最初に注目したい水準が145.50レベルの攻防である。このラインを挟んで一目の基準線と雲の上限、そして2つの半値戻しが展開している。複数のテクニカルラインが重なる145円ミドルの突破は、146円台へ上昇するサインと捉えたい。

ドル円が146円の攻防となる場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準146.15レベルの攻防に注目したい。5月29日の急反発を止めた重要なレジスタンスラインである。このテクニカルラインの突破は、予想レンジの上限146.90レベルをトライするサインと考えたい。

レジスタンスライン:日足
・146.90:予想レンジの上限
・146.15:5月高安の61.8%戻し
・145.55:一目雲の上限、3/28高値と4/22安値の半値戻し
・145.38:基準線、5月高安の半値戻し

週間の予想レンジ下限:142.50レベル
1時間足のストキャスティクスとRSIのトレンドは短期的な上昇の過熱感を示唆する状況にある。米中協議が難航する場合は、米ドル安と株安によるドル円(USD/JPY)の下落を想定したい。今週のアメリカ物価指数でインフレ再燃の懸念も高まる場合は、ドル円の下落幅拡大を警戒したい。

週間の予想レンジ下限は142.50レベル。このラインをトライするサインとして、1時間足にまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。

サポートラインへ転換する可能性がある144.00レベルを挟んで38.2%戻しの水準(144.10レベル)と半値戻しの水準(143.90)が展開している(1時間足の黒矢印を参照)。ドル円が144.00レベルを維持すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。このケースでは、上で述べたレジスタンスラインのトライを意識したい。

一方、ドル円が144.00を完全に下方ブレイクする場合は、143.40レベルの攻防が次の焦点となろう。144.00と同じくこの水準もサポートラインへ転換する可能性がある。すぐ下のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準(143.31レベル)とサポートゾーンを形成する展開も想定しておきたい(1時間足の黒矢印を参照)。ドル円が143.30-40ゾーンをも下方ブレイクする場合は、週間予想レンジの下限142.50のトライを想定したい。

サポートライン
・144.48:23.6%戻し(1時間足)
・144.00:38.2%戻し、半値戻し(1時間足)
・143.40:サポート転換を意識する水準(1時間足)
・143.31:76.4%戻し(1時間足)
・142.50:週間予想レンジの下限(日足)


ドル円のチャート

日足:今年3月以降

日足:今年3月以降

出所:TradingView

1時間足:6月4日以降

1時間足:6月4日以降

出所:TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。