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上下に揺れるドル円 残るマイナス金利解除観測 日銀植田総裁発言余波

11日の東京市場のドル円相場はマイナス金利早期解除観測が後退。しかし余波は残っており、今後の激しい値動きも想定される。

出所:ブルームバーグ

外国為替市場でドル円相場が大きく揺れている。11日の東京市場のドル円相場は1ドル=145円台半ばで推移。日本銀行の植田和男総裁の7日の「チャレンジング」発言を機に進んだ円高ドル安が一転し、円安ドル高方向に進んでいる形だ。日銀がマイナス金利政策を早期に解除するとの見方は後退したといえる。ただし18、19日に金融政策決定会合を控える中、日銀が金融引き締めに向けた布石を打つとの観測は消えない。日銀が「金利がある世界」への復帰を見据えていることは間違いなく、今後も日銀の思惑を材料にした大きな値動きが出る局面が予想されそうだ。

11日のドル円相場は145円台で推移

11日の東京市場のドル円相場(USD/JPY)は1ドル=144.85円で取引開始。その後、円を売ってドルを買う流れが強まり、一時、145.69円まで円安ドル高が進んだ。ドル円相場は先週末の8日にも0.81円の円安ドル高が進行。この日発表されたアメリカの11月の雇用統計が金利の先高観を緩めるには至らず、ドル買いの材料になっているもようだ。

これに対して、ドル円相場は7日には大幅に円高方向に動いていた。植田氏の「年末から来年にかけて」、一段とチャレンジングな状況が続くとの発言がきっかけだ。植田氏はこれまで大規模金融緩和策の本格的な修正には及び腰だったが、今回はあえて時期に言及したことが12月の決定会合でのマイナス金利解除を示唆する内容だと受け止められた。

マイナス金利解除の思惑は一時後退

マイナス金利政策は2016年1月に日銀が導入した金融緩和策。銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を課すことで、銀行が企業や家計への融資に資金を振り向けるように促すことが狙い。マイナス金利政策が解除されれば、金融引き締めにあたる政策変更といえ、ドル円相場では円高圧力として働くと想定される。このため7日のドル円相場は147円台で取引が始まったが、植田発言を機に円高が進み、一時141.70円をつける場面もあった。

こうした円高の流れが8日と11日の値動きではみられなかったことは、マイナス金利解除の思惑が一時後退したことを意味する。日銀は賃金上昇と物価上昇の好循環が確認されるまでは大規模金融緩和を継続すると繰り返しており、2024年の春闘の結果をみるまでは大きな動きはみせないとの見方は根強い。

物価上昇を受けて日銀はすでに布石?

ただ、日銀が大規模金融緩和策の早期修正に動くとの観測は消えない。日本の物価上昇を消費者物価指数(CPI)の総合指数の伸び率でみると、2022年4月から19か月連続で日銀が目標とする2%を上回ってきた。また、価格変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた「コアコア指数」でみれば物価上昇率は依然として4.0%という高水準で、マイナス金利解除で金融引き締めの方向に舵をきることに違和感はない。

日本の消費者物価指数(CPI、総合、コア、コアコア)の前年同月比伸び率の推移のグラフ

こうした中、日銀幹部がすでに布石を打ち始めているとの分析もある。氷見野良三副総裁は6日の大分県での講演で、大規模金融緩和が出口を迎えた場合に起こりうる経済への影響について言及。家計については「総じてみれば収支が改善する」、企業については「金利収支への影響は限定的」、金融機関については「低金利が続く環境に比べれば銀行経営はずっと成り立ちやすくなる」との見方を示した。大規模金融緩和が終わって金利がある世界に戻ったとしても、経済への大きな悪影響は避けられるという日銀の立場をあらかじめ説明したかにもみえる。

海外では金融引き締め方向での政策変更は事前予告されることも多い。企業や家計の経済活動を冷やすというマイナス効果があるため、サプライズは避けるべきだとの考えが背景にある。このため日銀が19日までの決定会合でマイナス金利解除に踏み込まなかったとしても、声明や植田氏の記者会見で方向性を示す可能性はある。ドル円相場では決定会合までの間、日銀の思惑をめぐった激しい値動きが起きることも考えられる。


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