ドル円見通し:160.72円突破なら161.00円が射程に、下値の焦点は159.50円
今日のドル円見通し。米ドル安が続けば159.50円、159円の攻防に注目したい。一方、反発局面での焦点は160.72円の突破となろう。注目材料は6月ミシガン大学期待インフレ率(速報値)。
要点
- 米国のイラン攻撃中止を受け、11日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。ドル円は159.50円レベルで反発し、むしろ底堅さを印象付けた
- 強気地合いを維持し、4月30日高値160.72円を上方ブレイクすれば、次の節目水準161.00円が視野に入ろう
- 今日の注目材料は6月ミシガン大学期待インフレ率(速報値)。ドル円の下値焦点は159.50円と159.00円(50日線)。一方、直近高値160.60円レベルを突破すれば、160.72円→161.00円の攻防に注目したい
昨日の反落はドル円の底堅さを印象付ける結果に
11日の外為市場で米ドルは、米国のイラン攻撃中止を受け主要通貨で下落した。ドル円(USD/JPY)は節目の160.00円を下方ブレイクし、159.50円台まで下落した。日足ローソク足の下ヒゲと5月下旬以降のトレンドを踏まえるならば、昨日の下落は159.50円レベルがサポートラインに転換する可能性を強めた。昨日の反落は、むしろドル円の底堅さを印象付けたと言える。
年内の米利上げが意識される一方、6月会合での日銀の利上げが完全に織り込まれており、新味に欠ける。為替介入相場後の上昇拡大も踏まえるならば、ドル円は昨日のような反落を挟みながら、上値を目指すトレンドが続くと予想する。
ドル円 日足チャート:4月以降
TradingView提供のチャート
160.72円ブレイクなら161.00円が視野に
昨日の反落を受け、ドル円(USD/JPY)の上値目途は、政府・日銀による為替介入で発生した4月30日の大陰線高値160.72円レベルであることがはっきりした。160.72円を突破すれば、次の節目水準161.00円を視野に上昇拡大が予想される。
問題は、再度の政府・日銀による為替介入の可能性だ。現在の状況では、その可能性は低いと筆者は考えている。その理由は、現在のドル円の上昇をけん引しているのは米ドル高であり円安ではない点にある。
政府・日銀による為替介入でドル円が急落した4月30日を基準とし、6月11日NYクローズまでの動向を確認すると、対米ドルで下落が拡大する一方、他の主要通貨では円安が一服しているか、円高へ振れている。このパフォーマンス格差は米ドル高に起因する。一部通貨の円高は、米ドル高によるドルストレートの下落に起因する。この点は対米ドルでの下落拡大と整合的だ。
円相場のパフォーマンス:5月1日~6月11日
ブルームバーグの為替データで作成
2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃に踏み切って以降の米ドルの動向を確認すると、ノルウェー・クローネ以外の主要通貨(G10通貨)で米ドル高優勢の状況にある。米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)は11日時点で2.3%高にある。
このように米ドル高主導でドル円が上昇する局面では、政府・日銀も為替介入の口実を探すのに苦労するだろう。為替介入は引き続き警戒すべきことではあるが、米ドル高主導での上昇局面では、実際の為替介入ではなく、市場の警戒心による突発的かつ投機的な円高を警戒したい。
米ドルのパフォーマンス:3月2日~6月11日
ブルームバーグの為替データで作成
ドル円のチャート分析、今日の注目水準
今日は6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)がある。筆者が注目しているのが、期待インフレ率だ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、1年先のインフレ期待は前月の4.8%から4.9%へ上昇することが見込まれている。一方、5-10年先のインフレ期待は前月の3.9%から3.8%に低下することが予想されている。
トランプ米大統領は11日、イランに対する軍事攻撃計画を中止したと明らかにした。原油先物価格が急反落している状況で、ミシガン大学期待インフレ率が予想の範囲内に収まれば、今日も米ドル安優勢の展開が予想される。
ミシガン大学 消費者信頼感指数・期待インフレ率の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成
米ドル安がドル円(USD/JPY)の上昇を抑制する場合は、冒頭で述べた159.50円レベルの維持が焦点となろう。21日線が159.54円レベルまで上昇しており、テクニカル面でも159.50円はサポートラインとして意識されやすい状況にある。
7日のIG為替レポートで述べた通り、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、非商業部門の円売り越しが12万9567枚(約13万枚)と、前週の11万4000枚から増加した。円ショートの巻き戻しも重なれば、159.50円レベルの下方ブレイクと159.00円のトライを想定したい。テクニカル面では、158.90円レベルで推移している50日線の維持が焦点に浮上しよう。この移動平均線は5月下旬以降、サポートラインとしてドル円を下支えしている。
ボラティリティの拡大を警戒し、7日のレポートでは158.00円を12日までの下限想定とした。しかし、今週も強気地合いを維持し、昨日の日足ローソク足で長い下ヒゲ示現での159.50円反発を考えるならば、続落しても159.00円レベル(50日線)を維持する公算が大きい。
関連レポート
・ドル円 週間見通し:米CPI焦点、ドル高進行で161円台視野も突発的円高を警戒
注目水準:サポート
・159.50円:サポート転換を意識する水準、21日線(159.54円)
・159.00円:サポートライン、50日線(158.90円)
一方、ミシガン大学消費者信頼感指数や前述の期待インフレ率が米ドル高の要因となれば、ドル円の反発が予想される。以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
最大の焦点は、前述の160.72円レベルのトライだ。直近高値160.60円の上方ブレイクは、160.72円をトライするサインとなろう。160.60円をトライするサインとしては、昨日高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にある160.30円レベルの突破が焦点となろう。この水準は今週、レジスタンスラインとしてもサポートラインとしても意識された経緯がある。現在はレジスタンス転換を意識する局面にある(黒矢印を参照)。
注目水準:レジスタンス
・161.00円:節目水準
・160.72円:4月30日の高値水準
・160.60円:直近の高値水準
・160.30円:76.4%戻し(160.34円)
ドル円 日足チャート:4月以降
TradingView提供のチャート
ドル円 1時間足チャート:6月8日以降
TradingView提供のチャート
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