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ドル円 (USD/JPY) 週間見通し:為替介入巡る神経戦続く、米CPIも焦点に

今週のドル円見通し。為替介入を意識した神経戦継続を予想。米インフレ指標で変動拡大も。158円を目指す局面では急反落を警戒。週間想定レンジ154.00-158.00円。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 政府・日銀による為替介入を受けてなお、外為市場では円安圧力が根強い。今週の円相場も介入を巡る神経戦が継続しよう
  • 注目材料は4月の米インフレ指標。12日にCPI、13日にPPIが発表される。年内の米利下げ観測が後退する中、市場予想を上振れする場合は、米ドル高を想定したい
  • ドル円(USD/JPY)の週間想定レンジは154.00-158.00円。158円を目指す過程では為替介入絡みの急反落を警戒したい。155.00円ブレイクなら154.00円の維持が焦点に浮上しよう


根強い円安圧力、今週も為替介入巡る神経戦を警戒

4月30日、政府・日銀は推計で5兆円規模の円買い・米ドル売り介入を実施した。ドル円は160.50円レベルから155.50円レベルへ急落した。 5月1日と4日の外為市場でも突発的な円高に直面し、155.50円をトライする局面が見られた。そして6日の外為市場では1日と4日を超える急落に直面し、155.03円レベルまで円高・米ドル安が進行した。

ロイターによれば、5月の大型連休中に政府・日銀が追加の円買い・米ドル売り介入に踏み切ったことを政府関係者が明らかにしたと報じた。日銀が7日公表した当座預金残高の見通しでは、為替介入の動向を示す「財政等要因」の減少額が4兆5100億円だった。市場の事前予測は横ばい(ゼロ)から5000億円程度の増加で、この差額から5月1〜6日の介入規模は4〜5兆円程度と推計される。実際の規模は財務省が5月29日に公表する。

円安の圧力は根強い。5月の円相場の動向を下のパフォーマンスチャートで確認すると、カナダドル以外のG10通貨で円安に振れていることが分かる。

注目は対米ドルの動向だ。円買い・米ドル売り介入に直面してなお、先週8日の時点で円安優勢にある。現在の外為市場では、「有事のドル買い」が失速している。この状況でも対米ドルで円安へ振れている事実は、円安圧力の根強さを示唆している。

こうした状況のなか、今週11日から3日間の日程でベッセント米財務長官が訪日する。12日に高市早苗首相、片山さつき財務相、植田和男日銀総裁らとそれぞれ個別に会談する予定で、投機的な円売りへの対策が議題になるとの報道がある。介入を含め外為市場に関するコメントがあれば、円相場の変動要因となる可能性がある。今週の外為市場も為替介入を巡る神経戦が予想される。

円相場の動向 対G10通貨:5月1日~8日

円相場の動向 対G10通貨:5月1日~8日 ブルームバーグの為替データで作成

米利下げ観測後退、CPI・PPI上振れなら米ドル高要因に

4月を境に、外為市場では「有事のドル買い」が失速している。しかし、米ドル安トレンドへ回帰すると判断するのは早計だ。翌日物金利スワップ(OIS)市場では年内の米利下げ観測が急速に後退し、今年12月のターミナルレートは3.65%前後にある。今後の経済情勢次第では、”年内利下げなし”がコンセンサスとなる可能性がある。利下げ見通しの不透明感は、米ドルの下支え要因となろう。

米ドルの動向:3月2日~5月8日

米ドルの動向:3月2日~5月8日 ブルームバーグの為替データで作成

今週12日に米消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比と前年同月比でインフレの加速が見込まれている。この点は13日発表の同月生産者物価指数(PPI)も同じだ。

米インフレ指標が総じて上振れすれば、年内利下げなしの観測がさらに強まるだろう。このケースでは米ドル高を想定したい。

米インフレ指標:過去1年間

米インフレ指標:過去1年間 ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:4月の市場予想(5月8日時点)

日銀の利上げ見通しでも不透明感がある。OIS市場では、日銀が6月会合で利上げに踏み切る可能性を70%台の確率で織り込んでいる。しかし12月のターミナルレートは1.17%台にとどまり、年内2回の利上げには不透明感が漂う。

米利下げペースと日銀利上げペース——双方の不透明感がドル円(USD/JPY)の下支え要因となろう。

日銀 政策金利の見通し

日銀 政策金利の見通し ブルームバーグのデータで作成 / 5月8日時点の見通し

ドル円のチャート分析、週間予想レンジ154.00-158.00円

今週のドル円(USD/JPY)も政府・日銀による為替介入を警戒した神経戦が続こう。円安再燃で上値を目指す場合、まずは先週のレジスタンスライン157.00円の突破が焦点となろう。

警戒すべきは、157円台へしっかりと上昇する場合だ。5月6日の急落が為替介入によるものならば、市場参加者は新たな防衛ラインとして158.00円を強く意識せざるを得ない。89日線の突破は、半値戻し157.88円レベルをトライするサインとなろう(日足チャート)。後者のテクニカルラインも突破すれば、158.00円の攻防が視野に入る。しかし、この局面では為替介入に対する市場の警戒感が高まろう。実際の為替介入もあり得る。上昇加速の局面では急反落を警戒したい。

介入警戒で可能性は低下しているが、今週、円安と米ドル高が同時に発生しドル円が158.00円を突破する場合は、158.50円レベルまでの上昇を想定したい。この水準には21日線とフィボナッチ・リトレースメント61.8%が展開している。しかしこのケースでは、157円後半の攻防以上に為替介入絡みの突発的な円高を警戒する必要がある。
注目のチャート水準:レジスタンス
・158.00:新たな防衛ライン、上限予想
・157.88:半値戻し
・157.42:89日線(5/8時点)
・157.00:レジスタンスライン

一方、為替介入が警戒される中、前述の米インフレ指標がドル安要因となれば、ドル円は以下にまとめた水準の攻防に注目したい。まずは156.00円の維持が焦点だが、4月30日以降の動向を考えるならば、重要サポートラインは155.50円と155.00円となる。

介入警戒感による円高と米経済指標によるドル売りが重なり155.00円を下方ブレイクする場合は、154.00円の維持が焦点に浮上しよう。フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準154.26円レベルの下方ブレイクは、154.00円をトライするサインと想定したい。この水準を今週の下限と予想するが、追加の為替介入があれば、介入水準と規模次第では、154.00円をも下方ブレイクする展開も想定しておきたい。
注目のチャート水準:サポート
・156.00:節目水準
・155.50:61.8%戻し
・155.00:5月6日の急落を止めた水準
・154.00:下限予想、上に76.4%戻し(154.26)


ドル円 1時間足チャート:2026年4月下旬以降

ドル円 1時間足チャート:2026年4月下旬以降

TradingView提供のチャート

ドル円 日足チャート:2026年1月以降

ドル円 日足チャート:2026年1月以降

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