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ドル円見通し:159円台へ反発、薄れる為替介入の効果、米CPIで160円視野も

ドル円は159円台へ反発。そして今晩むかえる7月米CPI。ドル高の要因となれば、心理的節目160円のトライが視野に入ろう。しかし、ドル円の上昇拡大は為替介入のリスクを高める要因でもある。米CPI後のドル円は上下に大きく振れる可能性がある。

Source:Bloomberg

Written by

石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 7月31日の日米協調介入から2週間弱。ドル円は159円台へ反発し、為替介入の効果が急速に薄れている。対主要通貨での円高の勢いは失速しており、円安圧力は根強い
  • 目先、市場の関心は米物価指標に集中する。今晩の7月消費者物価指数(CPI)でドル円は上下に大きく変動する可能性がある
  • 米CPIがドル高の要因となれば、ドル円は心理的節目の水準160円のトライを想定したい。だがこのケースでは、“為替介入絡み”の突発的な円高が発生する可能性がある

ドル円159円台、急速に薄れる為替介入の効果

7月31日に日米が協調介入に踏み切って以降、およそ2週間。ドル円(USD/JPY)は159円台へ反発し、為替介入の効果が急速に薄れている。

7月30日に政府・日銀が円買い介入を実施して以降の主要通貨(対G10通貨)に対する円相場のパフォーマンスを確認すると、8月11日時点で円高優勢にある。しかし、クロス円を中心にその勢いは失速している。この間、外為市場では米ドル安が進行した。クロス円だけでなく対米ドルでの上げ幅も縮小傾向にあることは、円安圧力の根強さを示唆している。

円相場のパフォーマンス:7月30日~8月11日

円相場のパフォーマンス:7月30日~8月11日 ブルームバーグの為替データで作成

ドル円は現在、159円台へ反発している。1時間足チャートでトレンドを確認すると、現在は159.50円レベルを意識する状況にある。この水準は、9日のIG為替レポートで指摘した通り、2つのフィボナッチ・リトレースメント-半値戻し(159.48円)と76.4%戻し(159.54円)が重なる。テクニカル面で重要な159.50円レベルを完全に上方ブレイクすれば、心理的節目の水準160.00円を視野に上昇拡大を想定する局面にある。

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根強い米利上げ観測、7月CPIが160円トライのカタリストに

ドル円(USD/JPY)が160.00円をトライするカタリストとして目先注目したいのが、今晩の7月米消費者物価指数(CPI)だ。

翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が根強い。7月雇用統計で労働市場の減速が示唆されてなお、利上げの織り込みが5割前後にある状況は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制重視の姿勢を維持することを意識した動きと言える。

各FOMCの利上げ見通し

各FOMCの利上げ見通し ブルームバーグのデータで作成 / 12日午前9時時点

この点は米10年債利回りも示唆している。米国とイランの停戦協議が難航し、NY原油先物価格は11日の取引で一時84ドル台と、7月31日以来の水準へ上昇した。10年債利回りの変動要因の一つにインフレ期待がある。先行きが見通せない中東情勢を受け、4.7%を挟んで高止まりしている現在の状況は、インフレリスクを意識した動きと言える。

米10年債利回りの動向を受け、10年の米実質金利も2.4%台で高止まりしている。7月の米雇用統計で労働市場の減速が示唆され、外為市場では米ドル安が進行した。しかし、実質金利との乖離を考えるならば、現時点では調整の米ドル売りで終わる可能性が高い。今晩の7月米CPIは、そのカタリストになり得る。

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米実質金利とドル指数の動向:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

ドル円の見通しとテクニカル分析

本日もドル円(USD/JPY)が底堅さを維持する場合は、冒頭で取り上げた159.50円レベルの攻防が目先の焦点となろう。2つのフィボナッチ・リトレースメントが重なる159.50円レベルを完全に上方ブレイクすれば、心理的節目160.00円のトライが視野に入る。

9日のIG為替レポートでは、160.00円を今週の上限と想定した。しかし、米物価指標を前に159円台へ反発している状況を考えるならば、160円台への上昇も想定しておきたい。このケースでは、7月30日の為替介入前の高値163.74円レベルからの61.8%戻しにあたる160.50円レベル(160.49円)のトライを意識したい。

だが、心理的節目の160.00円を目指す過程では、為替介入絡みの突発的な円高を警戒したい。政府・日銀からの実弾が入らずとも、市場の警戒心そのものが突発的な円高を誘発する展開も想定しておく必要がある

注目水準:レジスタンス
・160.50円:61.80%戻し(1時間足、160.49円)
・160.00円:上限予想、心理的節目の水準
・159.50円:半値戻しと76.4%戻し(1時間足)

一方、今晩の米CPIがドル安の要因となれば、ドル円は1円幅での節目水準の攻防に注目したい。

目先の焦点は、158円台の維持だ。現在、158.10円台に200日線が推移している。この移動平均線がサポートラインへ転換すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

158.50円レベルはサポートラインに転換する可能性がある。159.00円(日足の一目均衡表・雲の下限)を下方ブレイクする場合は、158.50円の攻防を想定したい。158.50円の下方ブレイクは、200日線をトライするサインとなろう。

なお、明日は7月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。今晩のCPIとPPIがいずれもインフレ懸念を後退させる内容となれば、米ドル安の進行を警戒したい。このケースでは、9日のIG為替レポートで取り上げた下ヒゲの安値水準の攻防に注目したい。

為替介入絡みの円高の可能性とボラティリティの拡大を警戒し、下限予想は155.00円を維持する。

注目水準:サポート
・159.00円:節目水準、一目均衡表・雲の下限
・158.50円:サポート転換の可能性あり(1時間足)
・158.00円:節目水準、200日線(158.12円)
・157.00円:節目水準
・156.67円:8月7日 下ヒゲ安値
・156.00円:節目水準
・155.23円:8月3日 下ヒゲ安値
・155.00円:下限予想、5月6日安値(155.03円)

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