半導体株の失速でナスダック100が節目の30000割れ。FOMC議事要旨で利上げ観測が再び強まれば、半導体株の調整売り加速を警戒したい。ナスダック100の短期展望と注目のチャート水準について。
18日の米株式市場で主要指数が下落した。ナスダック100は前日比504.42ポイント(1.7%)安の29490.96と3日続落。2日連続で節目の30000を割り込んで終えた。
ナスダック100が急失速した主因は、半導体関連株に再び売り圧力が強まったことだ。この日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前日比628.54ポイント(5.0%)安の11992.46で終えた。同指数は50日線がレジスタンスとして意識され、テクニカル面で調整相場が続いていることを印象付けた。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)のチャート:日足 2026年4月以降
ナスダック100は半導体株の動きと連動している。両指数は3月30日にそろって年初来安値を付けた後、そろって急反発した。その後、6月下旬から約1カ月の間、軟調な動きが続いた。7月FOMC後に、早期利上げ期待の後退で反発するも、冒頭で述べた通り直近は半導体株の売りを受け、ナスダック100は2日連続で節目30000を割り込んだ。
ナスダック100とSOX指数のチャート:日足 2026年3月以降
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その半導体株のトレンドを左右しているのが、米利上げ観測だ。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月の利上げ観測が3割台へ後退している。一時7割台まで織り込む動きが見られただけに、早期の利上げ期待は急速に後退していることが分かる。
この動きと反比例するように、8月に入ると半導体株が急速に買われ、情報技術セクターの上昇をけん引。結果、半導体セクターの影響を受けるナスダック100は月初来4.3%高と、他の指数を上回る上昇率にある(18日時点)。
主要指数と半導体関連セクターのパフォーマンス:8月1日~18日
目先の焦点は、今晩(日本時間20日未明)に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨だ。
17日のIG米国株レポートで指摘した通り、焦点はインフレと利上げについて参加者がどのような見解を示したのかにある。そもそも後退したのは利上げの「時期」であって「有無」ではない。7月会合で利上げ見送りに回った参加者の間にも、インフレ抑制のため将来の利上げが必要との認識があると判明すれば、利上げ観測が再び高まり半導体株の重しとなる可能性がある。
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米半導体株にとってもう一つの懸念材料が、長期および超長期ゾーンの利回りの高止まりだ。2年債利回りは早期の利上げ期待の後退で、先月23日の4.36%台から今月14日に一時4.1%を割る場面が見られた。
対照的に10年債利回りは4.7%台で高止まりしている。また、18日の米債市場で30年債利回りは一時5.3%に乗せた。ブルームバーグのデータによれば、2007年6月以来の高水準まで上昇した。米金利の高止まりは、半導体株の割高懸念を強める要因になり得る。
米10年債利回りと30年債利回りのチャート
現在、米長期ゾーンの金利に影響を与えている要因の一つが、中東情勢だ。米国とイランの停戦協議が難航し、エネルギー供給不安から18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸した。期近の9月物は一時85.94ドルと7月下旬以来の高値を付ける場面があった。北海ブレント先物価格は一時92ドルへ上昇した。
中東地域の混乱が続き、米長期ゾーン利回りの押し上げ要因となれば、半導体株の売り要因となろう。
原油先物価格のチャート:4時間足 7月以降
FOMC議事要旨で利上げ観測が強まれば、ナスダック100の続落を想定したい。
最初の焦点は29000の攻防だ。このラインは直近の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%水準にあたる。また、現在は25日線が推移する。テクニカル面でサポートラインとして意識されやすい局面にある。50日線の下方ブレイクは、29000をトライするサインとなろう。
米利上げ観測は調整売りが加速する要因になり得る。29000を完全に下方ブレイクすれば、28500レベルまでの下落を想定したい。半値戻しの水準28685の下方ブレイクは、28500をトライするサインとなろう。
28500レベルの下には100日線が28400手前まで上昇している。昨年後半以降、この移動平均線はサポートラインとしてもレジスタンスラインとしても意識された経緯がある。重要なテクニカルラインが密集する28500レベルを今週21日までの下限と予想する。
注目水準:サポート
・29300:50日線(29306)
・29000:25日線(29017)、38.2%戻し(29042)
・28685:半値戻し
★28500:下限予想、100日線(28376)
一方、FOMC議事要旨を無難に通過し、早期利上げ観測の後退を意識する状況が続けば、半導体株の買い戻しが予想される。このケースでは、節目水準30000の回復が焦点となろう。
昨日の高値29677レベル、レジスタンス転換の可能性がある29800レベルの攻防を注視し、後者の水準を上方ブレイクする場合は、30000のトライを意識したい。このラインを今週21日までの上限と予想する。
注目水準:レジスタンス
★30000:上限予想
・29800:レジスタンス転換の可能性
・29677:8月18日の高値
ナスダック100のチャート:日足 2025年11月以降
ナスダック100のチャート:4時間足 今年5月以降
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