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【ドル円 (USDJPY)】焦点は中東情勢と9月米小売売上高 / 今週の見通しとチャートポイント

13日の外為市場と金価格は、市場の心理が悪化の傾向に傾いていることを示唆する動きとなった。今週は中東情勢にらみの1週間となろう。経済指標では9月の米小売売上高が材料視される可能性がある。今週のドル円の見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のユーロドルの見通しについては、こちらのレポートをご覧ください


サマリー

・市場心理の悪化を示唆する外為市場と金価格の動向
・今週は中東情勢で市場の心理が揺れ動くだろう
・経済指標では、米国の9月小売売上高が材料視される可能性あり
・ドル円、今週の見通しと上下のチャートポイントについて


外為市場が示す市場心理の悪化

先週13日の外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。

しかし、米ドル買い以上に日本円とスイスフランの買い圧力が高まった。これら2つの通貨(日本円とスイスフラン)は、グローバル市場が急速にリスク回避へ傾く局面で上昇する特性がある。

米ドルがこれら通貨で下落した要因として、米国債の買い戻し(米長期ゾーン利回りの低下)の影響が挙げられる。しかし、米ドルと米国債が同時に買われた状況もまた、世界的に市場心理が悪化に向かっていることを示唆している。

米ドル相場の動向:10月13日

米ドル相場の動向:10月13日 ブルームバーグの為替データをもとに作成

金価格の急騰

市場心理の悪化を示唆しているのは、外為市場だけではない。先週13日の国際商品市況では、金価格が急騰した。

この時の動向を日足チャートで確認すると、滅多に見られない大陽線が示現し、21日線(今日現在1,880.40台)や50日線(今日現在1,900前後)のみならず、弱気相場の象徴だった2つの下落トレンドのラインをも一気に上方ブレイクしていることが分かる。日足のMACDでは、ゴールデンクロスの状況が確認されている。

外為市場では米ドル高の状況が続いている。この動向は金価格の下落要因である。それでも金価格が急騰した事実は、それだけ市場心理が悪化し安全資産の需要が高まっている状況を示唆している。

金価格のチャート:日足 23年4月以降

金価格のチャート:日足 23年4月以降 TradingView提供のチャートで作成

今週の注目材料

注目材料1:中東情勢のさらなる緊迫化
現在、市場の心理が悪化している最大の要因が、中東情勢のさらなる緊迫化に対する懸念である。

イスラエル軍は14日、パレスチナ自治区ガザでの大規模な地上作戦を準備していることを明らかにした。次の段階に向けた準備を強化し、作戦には空海陸からの攻撃が含まれるという。

一方、レバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」のアルマナルTVは、イスラエル軍が拠点とする4カ所を攻撃したと伝えた。そしてイランのアブドラヒアン外相は先週、レバノンのベイルートでハマスおよび過激派組織「イスラム聖戦」の幹部と会談した。また、同外相は14日、カタールの首都ドーハでパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの指導者ハニヤ氏とも会談した。

こうしたイランの動きをけん制すべく、オースティン米国防長官は14日、原子力空母ドワイト・アイゼンハワーを東地中海に派遣すると発表した。米軍の艦隊派遣に対してトルコは地域の緊張をさらに高めると懸念している。また米国は、カタールにヒズボラとの仲介役を依頼したとの報道もある。

各国の思惑が交錯するなか、イスラエルとハマスの武力紛争がイランやその勢力を巻き込んで拡大する場合、中東情勢のさらなる緊迫化を受けたリスク回避のムードがグローバル市場で急速に高まることが予想される。

ゆえに、今週の外為市場のトレンドを考えるうえで最も注視すべきは、中東情勢に関するニュースとなろう。中東情勢のさらなる混迷を伝える情報が伝われば、外為市場では米ドル、日本円そしてスイスフランが主要国の通貨で上昇することが予想される。

そしてこれら3通貨同士のトレンドは、米債市場の動きに左右されるだろう。先週13日のようにリスク回避の米国債買い(米金利の低下)となれば、日本円とスイスフランが対米ドルで上昇する展開が予想される。

一方、「中東情勢の緊迫化→原油高の進行→インフレ懸念の再燃」を受け、米金利が上昇する局面では、米ドルが日本円やスイスフランに対して上昇することが予想される。

注目材料2:米国の経済指標
今週、中東情勢のニュース以外で注目したいのが、米国の経済指標である。今週もいくつかの重要な経済指標が発表される。なかでも注目されるのが、17日の9月小売売上高である。

8月の小売売上高は前月比で0.6%と市場予想を上回った。しかし内訳をみると、ガソリンスタンドが5.2%と大きく伸び、これが8月小売売上高の伸びにつながった。一方、変動の大きい項目(自動車・同部品、ガソリンスタンド、建材、飲食サービス)を除いたコアの売上高は同比で+0.1%と、今年4月以降で最も低い伸びとなった。

9月の予想(前月比)は0.3%と前月から鈍化する見通しである。また、自動車を除く小売売上高も同比0.2%と、前月から鈍化の見通しとなっている。そしてコアの売上高は同比-0.1%と、前月の0.1%からマイナスへ鈍化することが予想されている。

中東情勢の緊迫化で経済の先行きリスクが意識されやすいなか、米国GDPの約7割を占める個人消費の落ち込みが9月の指標で確認される場合は、米金利の低下と米国株が下落する要因になり得る。米国市場がこの展開となれば、外為市場では日本円とスイスフランの買い圧力が高まることが予想される。

一方、9月の小売売上高が予想以上に強い内容となれば、米金利の上昇要因となろう。このケースでは、米ドル高優勢の展開が予想される。強い小売売上高に米国株が下落で反応する場合は、主要通貨で米ドル高の進行を想定しておきたい。

米国 小売売上高の動向:月次 23年以降

米国 小売売上高の動向:月次 23年以降 ブルームバーグのデータをもとに作成

上昇基調を維持するドルインデックス

米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)の動向を日足チャートで確認すると、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準105.51レベルでサポートされ、上昇基調のトレンドチャネル内での攻防を維持していることが分かる

上で述べた中東情勢と9月小売売上高が米ドル高の要因となる場合は、今月3日の高値107.35レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。

一方、米ドル高の調整局面では、21日線とトレンドチャネル下限の攻防に注目したい。21日線は今日現在、106.12レベルで推移している。トレンドチャネル下限のラインは、21日線のすぐ下の水準106.08レベルで推移している。

ドルインデックスが上2つのラインを下抜けても、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準105.51レベルを完全に下方ブレイクしない限り、米ドル高のトレンドが続く状況を想定しておきたい。

ドルインデックスのチャート:日足 23年3月以降

ドルインデックスのチャート:日足 23年3月以降 TradingView提供のチャートで作成

ドル円、今週の見通しとチャートポイント

今週のドル円(USD/JPY)は、引き続き150.00レベルの攻防を意識する展開が予想される。

先週後半のドル円は、149.83レベルで上昇が止められた。よって、150.00トライのシグナルとして今週は、149.83レベルの上方ブレイクに注目したい。

ドル円が150円台へ上昇する場合は、今月3日の高値150.16レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。

日足のストキャスティクスは、短期的な相場の過熱感を再び示唆する状況にある。上で述べた中東情勢や経済指標が米金利の低下要因となる場合は、ドル円の反落相場を想定しておきたい。

しかし、今の米ドル高トレンドの根強さを考えるならば、ドル円が下値トライの展開となっても、その下落幅は限定的となることが予想される。

ドル円が下値をトライする場合、テクニカルの面で注目したいのが、今日現在149.00レベルで推移している短期サポートラインの攻防である。このラインを挟んで10日線(149.10前後)と21日線(148.86前後)が展開している。ドル円が21日線を一気に下方ブレイクする場合は、148.00レベルのトライが焦点として浮上しよう。今月10日に148.16レベルが相場をサポートした経緯がある。

ドル円が148円を完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準147.30を目指す状況を想定しておきたい。しかし、ドル円がこのテクニカルポイントを維持する限り、150.00レベルをトライする状況が続くと予想する。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingView提供のチャートで作成

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