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ドル円 週間見通し(12/29~1/2):高値圏での攻防を意識、155円~158円予想

IG証券のアナリストによるドル円の週間見通し。「米ドル安 vs 円安」による高値圏での攻防を予想。注目のチャート水準について詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 今週も「米ドル安 vs 円安」が続くだろう。ドル円は高値圏での攻防が予想される
  • 金価格の上昇拡大は「米ドル不信」を反映した動きと言える。国内の実質金利がマイナス圏で推移する状況は、根強い円安の要因となろう
  • ドル円の週間予想レンジは155.00~158.00


ドル円の週間見通し

今週(12月29日~1月2日)の外為市場でも「米ドル安 vs 円安」が続くだろう。ドル円(USD/JPY)は高値圏でのレンジ相場が予想される。

予想レンジの上限158.00レベル。157.75レベルの突破は158円をトライするサインと捉えたい。

一方、予想レンジの下限は155.00。現在50日線がこの水準へ上昇している。155.00レベルはテクニカル面でサポートラインとして意識されやすい。154円台へ下落する場合は、IG為替レポートで注目している重要サポートライン154.40レベルまでの下落を想定したい。

ドル円の日足チャート:今年10月以降

ドル円の日足チャート:今年10月以降

TradingView提供のチャート


2025年は「米ドル安 vs 円安」の1年に

2025年の外為市場は「米ドル安 vs 円安」の1年となった。下のパフォーマンスチャートを確認すると、米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は、一貫して下落トレンドを維持した(紫ラインを参照)。

円安も進行した。4月のトランプ関税ショックを乗り越え、日米の株式市場は上昇トレンドへ転じた。リスク選好の動きに連動し、日本円は対G10通貨で下落の一途を辿ってきた。

注目すべきは、赤ラインで示したドル円(USD/JPY)の動きだ。先週26日時点で、ほぼ0%付近にある状況は、米ドル安と円安がぶつかり合った1年だったことを示している。

米ドルと日本円の変動率:年初来、12月26日までの動向

ドルと日本円の変動率:年初来、12月26日までの動向

ブルームバーグの為替データで作成


金価格の上昇と国内実質金利の動向

今週の外為市場も「米ドル安 vs 円安」を意識することになろう。

米ドルの先安観を示唆しているのが金価格の上昇である。初の4500ドル突破となり、最高値4550ドルを付けた(26日IGレート)。ブルームバーグの価格データによれば週間の上昇率は4.5%と、今年10月13日~17日の週の5.8%高以来となる大幅上昇となった。

11月下旬以降、金価格の上昇とは対照的にドル指数は下落トレンドへ転じている。2025年の外為市場のテーマの一つ「米ドル不信」を反映した動きが続いている。今週もドル安優勢の展開を想定したい。

金価格とドル指数の日足チャート:今年9月以降

金価格とドル指数の日足チャート:今年9月以降

TradingView提供のチャート

日銀の利上げを受けてなお、対G10通貨で円安優勢の状況にあることを考えるならば、根強い円安も続くことが予想される。

日本円の変動率:12月19日以降(日銀会合以降)

日本円の変動率:12月19日以降(日銀会合以降)

ブルームバーグの為替データで作成

筆者が注目している円安要因の一つが実質金利の動向だ。12月の金融政策決定会合で日銀は政策金利を0.75%に引き上げた。しかし、コア消費者物価指数(CPI、3.0%)を期待インフレ率とする場合、実質金利はマイナス2.25%と引き続き低い水準を維持している。名目金利に10年国債利回りを用いても実質金利は依然としてマイナス1%前後にある。

対照的に米国の実質金利はプラス圏で推移している。この日米実質金利差は、ドル円(USD/JPY)の下支え要因として来年も注視すべきポイントだ。

日米実質金利の動向:週次 2020年以降

日米実質金利の動向:週次 2020年以降

ブルームバーグのデータで作成
※国内のBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)は市場参加者の期待を反映する一方、一般消費者のインフレ期待を反映していないと考えられる。このため期待インフレ率にはコアCPIを採用


ドル円のテクニカル分析

上限予想:158.00
26日の外為市場でドル円(USD/JPY)は21日線を完全に突破し、156.70台まで反発した。一時日足のローソク足を下抜けた一目基準線だが、現在はローソク足を再び上抜けつつある。RSIの反転、ゼロライン以上の水準を維持するMACDのトレンドも考えるならば、ドル円は地合いの強さを維持している。今週の上昇局面では、今月19日と22日に上昇を止めた157.75レベルの突破が焦点となろう。

ドル円が157.75をトライするサインとして、1時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。半値戻しの水準156.66は、26日の上昇を止めた経緯がある。61.8%戻し156.92の突破は、157円台へ反発するサインと捉えたい。76.4%戻し157.25を突破すれば、157.75のトライが視野に入る。

ドル円が157.75も上方ブレイクすれば、158.00の攻防を意識したい。11月20日の上昇局面では157.89レベルで反落した。158.00を今週の上限と予想する。

チャートポイント
・158.00:今週の上限予想
・157.89:11月20日高値
・157.75:12月19・22日高値
・157.25:76.4%戻し
・156.92:61.8%戻し
・156.66:半値戻し

下限予想:155.00
今週ドル円(USD/JPY)の下落局面では、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

焦点は155.00の攻防だ。今月16日に日足ローソクで下方ブレイクする場面が見られた。しかしすぐに反発し、155.00レベルでの買い戻しの強さが確認された。直下に50日線が上昇している状況も考え、155.00を今週の下限と予想する。

155.00をトライするサインとして、1時間足チャートで示した2つの水準-156.00レベルと155.60レベルの攻防に注目したい。156.00はサポートラインに転換する可能性がある。155.60は先週サポートラインとして相場を支えた。21日線の下方ブレイクは、155.60をトライするサインと捉えたい。

ドル円が155.00を下方ブレイクする場合は、IG為替レポートで注目している重要サポートライン154.40までの下落を想定しておきたい。

チャートポイント
・156.00:サポートライン
・155.88:21日線
・155.60:サポートライン
・155.00:今週の下限予想
・154.40:重要サポートライン


【再掲】ドル円の日足チャート:今年10月以降

ドル円の日足チャート:今年10月以降

radingView提供のチャート

ドル円の1時間足チャート:12月19日以降

ドル円の1時間足チャート:12月19日以降

radingView提供のチャート


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