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テスラ、株価下落のリスク 23日決算 販売不振で減収減益の見通し

テスラの株価は年初来で35%下落。3年9か月ぶりの減収が見込まれる中、マスク氏が成長性や収益性について語る戦略が注目される。

テスラ、株価下落のリスク 23日決算 販売不振で減収減益の見通し 出所:ブルームバーグ

電気自動車(EV)大手のテスラが23日に発表する2024年1-3月期決算は減収減益が見込まれている。減収になれば新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた2020年4-6月期以来で、EVに対する需要の頭打ちを感じさせる結果になりそうだ。テスラは前回1月の決算発表で2024年の収益悪化を見込んでおり、2024年に入って株価は35%下落している。テスラは15日に社員の10%を削減するリストラを行うと報じられるなど、経営改革に手を打っており、決算会見はイーロン・マスクCEOが成長性や収益性について何を語るかが焦点になりそうだ。

テスラの2024年1-3月期決算は減収減益の見通し

テスラは23日の取引時間終了後に1-3月期決算を発表する。決算会見はアメリカ東部時間の23日午後5時30分(日本時間24日午前6時30分)に開かれる。LSEGのデータによると、テスラの1-3月期決算に関する予想は、総収入が前年同期比3.1%減の226.08億ドル。テスラ決算で投資家が注目する調整ベースでの1株当たり利益(EPS)は37.6%減の0.53ドルとなっている。実際にテスラが減収になれば2020年4-6月期(4.9%減)以来3年9か月ぶり。減益となった場合は3四半期連続となる。テスラは過去16回の四半期決算で、総収入では4回、事前予想を下回っている。1株当たり利益でもやはり4回、事前予想を超えられなかった。

テスラの決算(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

LSEGのデータによると、テスラの株価(TSLA)は2022年に65.03%下落した後、2023年は約2倍に跳ね上がった。15日の終値は161.48ドルで、2023年末比で35.01%安となっている。2021年11月4日につけた最高値(409.97ドル)との比較では6割安となっており、投資家の期待が薄れていっている様子がうかがえる。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は53.02倍。中国のEV大手のBYD(14.93倍、1211)と比べて割高な水準にある。アナリストが提示する目標株価の平均は186.34ドルで、足元の株価よりも15%ほど高いが、前回の決算発表前の水準(230ドル程度)からは大きく引き下げられている。49人のうち5人が強い買い、11人が買いを推奨。22人は維持を勧めている。また売り推奨も7人、強い売り推奨も4人いる。

テスラは従業員10%以上削減のリストラを計画

テスラの株価下落は成長に対する期待の剥落の表れだ。テスラは1月24日の2023年10-12月期決算発表に際しては、2024年の販売台数の伸びが2023年よりも「著しく低くなる」と警告。実際、4月2日に発表した1-3月期の販売台数は前年同期比8.53%減で、テスラ自身の弱気な見通しを裏付ける結果となっている。

テスラの販売台数と粗利益率の推移のグラフ

こうした中、テスラは投資家の信頼を取り戻そうと経営改革に乗り出している。15日には欧米メディアが、テスラが全世界での従業員数を10%以上削減し、経営幹部2人が退任すると報じた。また、マスク氏は6日にはSNSのX(旧ツイッター)に「8月8日にテスラのロボタクシーを公開する」と投稿。発表内容は不明だが、自動運転機能の高度化を期待させる内容だ。さらにテスラは4月からモデルYのアメリカでの販売価格を1000ドル引き上げ。欧州での販売価格も3月下旬から2000ユーロ相当引き上げたという。

世界のEV市場をめぐっては需要の頭打ちも指摘され、ライバルのBYDも販売台数の増加ペースが鈍化している。テスラは足元の不振の原因について、モデル3とモデルYの世界的な販売拡大で始まった最初のピークと、次世代車投入で始まると予想される第2のピークの間にあたるためだと説明しており、業績の急回復は見込みにくい。マスク氏は次世代車の導入は「2025年後半」との見通しを示しており、23日の決算会見では成長性や収益性の回復の見通しについての発言が注目されそうだ。


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