米国株、ハイテク決算で波乱か? S&P500上昇 エヌビディア最高値
S&P500は連日の最高値だが、大手ハイテク頼みの側面がある。29日のマイクロソフトなど4社の決算発表が悪材料になる可能性がある。
アメリカの株式市場のハイテク頼みが強まっている。S&P500種株価指数の27日の終値は前週末比0.12%高で2営業日連続での最高値。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社も、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)とアルファベットが連日の最高値を記録するなど、好調さを維持した。一方、株式市場の不安要素である米国とイランの和平協議の難航は続いており、原油価格の高止まりといった悪材料は消えてない。27日の取引ではS&P500の11セクターのうち8セクターが下落したうえ、2カ月前のイスラエルと米国によるイラン攻撃前日との比較でも6セクターがマイナス圏に沈んだままで、米国経済が下押しされることへの懸念も感じられる。こうした中、29日には連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を発表する予定で、今後の利下げへの慎重姿勢が感じられれば、S&P500にとっては逆風となりえる。また29日の取引時間終了後に発表される大手ハイテク4社の2026年1-3月期決算で設備投資負担の重さなどが悪材料視されれば、S&P500の見通しが暗転する波乱が起きる可能性もありそうだ。
アメリカのS&P500は連日の最高値 3月30日比で13.09%高
S&P500(SPX)の27日の終値は7173.91。前週末の0.80%高に続く上昇で、連日の最高値更新となった。ブルームバーグによると、S&P500はイラン側から終戦に前向きな情報発信があった3月31日を境に上昇基調に転じており、直近の終値は3月30日比で13.09%高の急反発となっている。
原油価格の高止まりが継続 米国の消費に悪影響を及ぼす懸念も
一方、S&P500を下押ししてきた米国とイランの和平協議の難航は続いている。米インターネットメディアのアクシオスは26日、イランが核開発をめぐる協議を先送りしたうえで、先にホルムズ海峡封鎖の解除と戦闘の終結で合意することを提案したと報道。ただ、ドナルド・トランプ大統領はイランに核兵器を持たせないことを最重要視しており、イランの提案が合意の糸口となるかどうかは不透明だ。27日の原油先物市場では、指標価格であるWTI(6月渡し、WTI原油)が前日比2.09%高の1バレル=96.37ドルとなり、高止まりの状況に変化はない。
実際、S&P500の最高値更新に沸く株式市場の値動きには、投資家の不安心理も感じられる。ブルームバーグによると、27日の取引ではS&P500の11セクター別指数のうち、8セクターが前週末比で値下がり。上昇はアルファベットなどが含まれる電気通信サービス(0.94%高)と、エヌビディアなどが含まれる情報技術(0.46%高)、金融(0.65%高)の3セクターに留まった。27日のセクター別指数の終値をイスラエルと米国によるイラン攻撃前日の2月27日と比較した場合でも、6セクターがマイナス圏に沈んだままだ。なかでも生活必需品セクターが7.28%安となっていることからは、原油高に伴う物価上昇圧力の強まりが消費に悪影響を及ぼす可能性への懸念が感じられる。
FRBの利下げに慎重姿勢か 29日取引時間終了後の大手ハイテク決算にも注目
こうした中、S&P500の今後の値動きをめぐっては、29日午後2時(日本時間30日午前3時)に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、30分後のジェローム・パウエル議長の記者会見が焦点のひとつとなる。今回のFOMCでは金融政策の維持が確実視されており、声明文や記者会見で示される金融政策の方向性が注目点だ。物価上昇圧力の強さが強調された場合には、利下げへの期待が後退し、S&P500にとって逆風となる可能性がある。5月15日で任期が切れるパウエル氏の後任として指名されているケビン・ウォーシュ元理事は金融緩和に慎重な「タカ派」の一面もあるとされ、議会承認手続きに関しては障害となっていたパウエル氏への刑事捜査の終了が発表されている。
また29日の取引時間終了後には、アルファベット、アマゾン・コム(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)の4社が1-3月期決算を発表する。4社はいずれも人工知能(AI)サービスでの優位を確保するため、巨額の設備投資を続けており、過度な負担が利益面での成長を阻害する可能性があることが株価の不安材料とみなされてきた。このため29日の決算会見などで、2026年の設備投資額の積み増しが発表されたり、利益成長への不安が感じられたりすれば、4社の株価が時間外取引で下落し、S&P500をめぐる投資家心理が悪化する展開も想定される。テスラ(TSLA)の株価は22日の決算発表時の2026年の設備投資見通し引き上げが悪材料視され、23日の株価は前日比3.56%安となった。
大手ハイテク株は半年前の決算発表で下落基調に S&P500の見通し悪化も
マグニフィセント・セブンの7社の株価に基づいてBITA社が算出するマグニフィセント・セブン指数(MAGSEVEN)の値動きは、半年前の7-9月期決算発表を機に下落基調に入った経緯もある。マグニフィセント・セブン指数は10月29日に当時の最高値の1855.85をつけた後、取引時間終了後のメタとマイクロソフトの決算発表が悪材料視されて下落傾向が始まり、3月30日の1527.59までに17.69%安となった。この間、S&P500も7.94%安となっている。マグニフィセント・セブン指数は4月27日の終値で1864.00となり、半年ぶりに最高値を更新したが、今回の4社の決算発表が改めてS&P500にとっての波乱要因となる可能性もありそうだ。
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