テスラ、株価乱高下 設備投資見通し引き上げ テラファブも重荷か
テスラの1-3月期は予想を超える好決算。一方、設備投資見通しは上方修正され、株価は乱高下した。テラファブ構想も先行投資の必要性を高めそうだ。
テスラの株価が乱高下に見舞われた。テスラが22日の取引時間終了後に発表した2026年1-3月期決算は市場予想を上回る好決算。同時に、決算会見で2026年の設備投資額の見通しが引き上げられたことが悪材料となった。テスラの株価は時間外取引で一時、直前の終値から4.8%高となった後、一転して2.5%安まで値下がりする荒い値動きとなった。テスラの好調な決算は自動車事業の好調さが要因だが、投資家の関心が高いヒト型ロボットなどでは新たな好材料が示されなかったことも株価を下押しする材料になったとみられる。イーロン・マスクCEOが自前で半導体生産を手掛ける「テラファブ」構想を掲げる中、今後も設備投資額が膨らむ可能性があり、テスラの株価は上昇の勢いが削がれる可能性もある。
テスラの2026年1-3月期決算は利益が51.9%増 総収入も予想超え
テスラの1-3月期決算は、総収入が前年同期比15.8%増の223.87億ドルで、5四半期ぶりの増収。1株当たり利益(EPS)は51.9%増の0.41ドルで、6四半期ぶりの増益だった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が222.03億ドル、1株当たり利益が0.34ドル。発表された実績はいずれも市場予想を超える好決算だった。テスラの総収入と利益が同時に予想を超えるのは2023年4-6月期以来、11四半期ぶりだ。
2026年の設備投資の見通しは250億ドルに上方修正 株価下落の要因に
一方、テスラが3カ月前に示した2026年の設備投資額の見通しを早くも引き上げたことは投資家の不安を掻き立てた。バイブハブ・タネジャCFOは22日の決算会見で、2026年の設備投資額について「250億ドル以上」との水準を提示。前回決算発表(1月28日)段階での200億ドル以上から25%の上方修正となった。タネジャ氏は積極的な設備投資は今後2年間続くとの見通しも示している。
テスラの株価(TSLA)は22日午後4時すぎに決算の内容が伝わると、時間外取引で急騰。ブルームバーグによると、一時406.01ドルを付け、直近の終値(387.51ドル)から4.77%高となった。しかし午後5時30分から決算会見が始まり、設備投資額の上方修正が伝わるなどすると、株価は下落に転じ、直前の終値比で2.45%安にあたる378.03ドルまで下がる場面もあった。
EVの販売が検討 粗利益率は13四半期ぶりの高水準
テスラの1-3月期決算が好調だった要因は自動車事業の健闘だ。自動車事業の1-3月期の収入は前年同期比16.2%増の162.34億ドル。タネジャ氏はフランスやドイツで販売台数が全四半期比で1.5倍になったと指摘。韓国や日本でも販売台数が増えたと説明した。電気自動車(EV)購入時の補助金制度が2025年9月末で撤廃されたアメリカでも、前四半期比で販売がわずかに増えたという。テスラ全体としての粗利益率は21.08%で、5四半期連続で前四半期から改善。2022年10-12月期(23.8%)以来、13四半期ぶりの高水準となった。
オプティマスの公開は来年まで先送りか テラファブ構想は「ロング・ショット」?
ただ、自動車事業にはバッテリーの生産能力不足という悪材料もあり、今後の懸案事項といえる。また、株価下落の背景には、設備投資見通しの引き上げに加え、投資家の関心が高い新技術で目立った好材料がでなかったこともありそうだ。マスク氏は決算会見で、ヒト型ロボット「オプティマス」の本格的な生産開始は「来年の夏」になると言及。他社に模倣されることを防ぐため、生産直前までは一般向けのお披露目は行わない考えを示した。テスラは前回決算発表時は、「今後、2、3か月」でオプティマスを公表するとしていた。
またマスク氏は、年間1テラワット(1000ギガワット)の計算能力確保を目指して、自ら半導体生産を手掛けるテラファブ構想について「詳細を検討している段階だ」と説明。ロジック半導体やメモリ半導体に加え、半導体生産に必要なリソグラフィーマスクまでをも1か所で手掛ける構想は成功すれば革新的な進歩が得られるとしつつ、成功の可能性が低い「ロング・ショット」の要素もはらむ計画だも述べている。
設備投資不安は今後も拡大か 株価の見通しの重荷に
そのうえでマスク氏は、テスラはテラファブ構想において調査研究を担当し、当初は30億ドル程度の投資を行うとも表明。月間数千枚規模のウェハー生産を想定している。大規模化の初期段階は同じくマスク氏が率いる宇宙開発企業のスペースXが担う。また、テラファブでは構想参加を表明しているインテルの先端製造プロセス「14A」を採用するという。
テスラはこのほか、完全自動運転タクシーの事業展開も目指しており、今後も投資の必要性が増してくことも考えられる。積極的な設備投資は、減価償却費の拡大を通じて利益を圧迫する要因となりかねないだけに、最高値から21%近く安い水準にあるテスラの株価の今後の見通しにとって重荷になる可能性もありそうだ。
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