ソニーグループ、エンタメ成長見通しは? 14日決算 株価上昇期待
ソニーグループの14日の決算発表は2026年3月期の見通しが焦点。高関税の悪影響を払拭する道筋を描ければ、株価上昇が勢いづく可能性がある。

ソニーグループが14日に行う2025年1-3月期決算発表は、2026年3月期の業績見通しが焦点だ。アメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税が引き起こした世界経済の混乱はソニーグループの業績の逆風。しかしソニーグループはゲームや映画、音楽といったエンターテインメント分野を成長事業と位置付けており、高関税に負けない成長の道筋を描ける可能性がある。ソニーグループの株価は2025年に入ってからも好調を維持しており、決算発表がさらなる上昇のきっかけになる可能性がありそうだ。一方、トランプ氏は海外制作映画に高関税を課す考えも示しており、混乱はエンタメ分野にも及ぶ可能性がある。14日の業績説明会では、荒波の中で経営の舵をとる十時裕樹CEOの自信度も注目される。
ソニーグループは2025年3月通期で増収増益達成の見通し
ソニーグループは14日正午に1-3月期決算を発表。午後4時から業績説明会を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、1-3月期の総収入は前年同期比14.7%減の2兆9706億円の見通し。営業利益は24.8%減の1725億円が見込まれている。また、2025年3月通期の業績としては、総収入が前期比1.7%増の13兆2449億円、営業利益が14.4%増の1兆3830億円になるとの予想だ。ソニーグループ自身が2月13日の前回決算発表時に示した業績見通しは、総収入が13兆2000億円、営業利益が1兆3350億円で、金融市場では業績の上積みが期待されていることになる。

ソニーグループの株価は2025年も好調を維持 日経平均を大きく上回る成績
ソニーグループの株価(6758)の4連休前5月2日の終値は3732円で、2024年末比で10.77%高。日経平均株価(N225)の7.68%安を大きく上回る成績となっている。前回決算発表からの約3か月でみても9.44%高だ。ソニーグループの株価は2023年は33.63%高、2024年は25.62%高となっており、株価の好調さが維持されている。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は19倍程度。前回決算発表直前の18倍程度からやや割高になった。アナリストが提示する目標株価の平均は4253円で、現状よりも18%ほど高い。31人のアナリストのうち25人は買い、5人は維持、1人は売りを勧めている。
ソニーグループはエンタメ3事業の成長に期待 半導体切り離し報道で株価上昇
ソニーグループの株価が好調なのはエンタメ分野での成長が期待されているためだ。ソニーグループはゲーム、音楽、映画の3事業を成長事業と位置づけ、拡大を図る方針。4月30日にブルームバーグの報道で、ソニーグループが半導体事業の切り離しを検討しているとされた際には、株価が前日比7.13%高となった。ソニーグループの株価は2024年11月にKADOKAWA(カドカワ)の買収を検討していると報じられた際も、知的財産(IP)の獲得が期待されることが好材料となって、株高の要因となった。ソニーグループは半導体事業の切り離しを否定。カドカワに関しては戦略的な資本業務提携を決めている。
こうしたエンタメ重視戦略はトランプ氏を震源とする世界経済の混乱に強い側面もありそうだ。米国の大手ハイテク企業の1-3月期決算では、アルファベット(GOOGL)がYouTubeの有料会員サービスなどから得られる収入が大きく伸びて、総収入の成長が加速(4月25日)。メタ・プラットフォームズ(META)もSNS全体としての平均利用者数が前年同期比5.9%増となったことが好業績の背景になっている。逆に、iPhone(アイフォン)を中国で生産しているアップル(AAPL)や、インターネット通販事業で中国製品を多く販売しているアマゾン・コム(AMZN)は高関税の悪影響が懸念される状況だ。
半導体事業やプレステ販売は高関税の悪影響か 円高の見通しも業績に影響
一方、ソニーグループは半導体事業や、スマートフォンやテレビ、カメラなどの家電事業はトランプ氏の高関税の影響を受けやすい。またゲーム事業でもゲーム機のプレーステーション(PS)の販売では高関税の影響が懸念される。このため14日の業績説明会では、2026年3月期の業績見通しについて、高関税の悪影響を音楽事業や映画事業で打ち消す筋道を示せるかが焦点となる。
ただ、トランプ氏は4日夜(日本時間5日朝)には自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、海外で制作された映画に100%の関税をかける手続きに着手するよう商務省などに指示したと表明。「われわれは映画が再び米国で制作されることを望む!」としており、ソニーグループの映画事業にもトランプ氏発の混乱が及ぶ可能性がある。ソニーグループの株価は4連休明け7日午前の取引では3%超安となっている。また、ドル円相場(USD/JPY)での円高がどの程度進むと想定するかも、ソニーグループの業績見通しに影響することは間違いない。
ソニーグループは高関税の悪影響が懸念される事業については米国内に戦略在庫を積み上げるなどの備えをとっており、十時氏は前回の業績説明会でゲーム事業や半導体事業の見通しについて自信を示していた。今回の業績説明会では、4月1日にCEOに就任したばかりの十時氏が、強気な姿勢を維持できているかどうかが注目されることになりそうだ。
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