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ソニーグループ、株価に不安 スイッチ2は逆風? 買収戦略に期待も

ソニーグループの株価は1か月前の決算発表から冴えない値動き。ゲーム事業を中心としたエンタメ成長への期待は株高にはつながっていない。

ソニーグループ、株価に不安 スイッチ2は逆風? 買収戦略に期待も 出所:ブルームバーグ

ソニーグループの株価が冴えない動きを続けている。12日の終値は約1か月前の2025年1-3月期決算発表前の水準から値下がりしており、4月に就任した十時裕樹CEOが打ち出すエンターテインメント事業での成長への期待は株高にはつながっていない。ソニーグループが成長の柱と位置付けるゲーム事業は、ライバルにあたる任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」の人気が逆風となるおそれもあり、ソニーグループの株価を下押ししているようだ。また、アメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策や円高の可能性も不安材料といえ、冴えない株価の背景といえる。一方、ソニーグループが買収戦略による成長シナリオを描いていることは投資家の期待をつなぐ好材料。今後、大型買収の構想が浮上するなどした場合には、株価に上昇圧力がかかる可能性もある。

ソニーグループの株価は決算発表から1か月で0.37%安 最高値から転落

ソニーグループの株価(6758)の12日の終値は3774円で、1-3月期決算発表の直前につけた5月14日の終値(3788円)との比較では0.37%安。同じ期間の日経平均株価(N225)が0.12%高に留まっているのと同様に冴えない値動きといえる。米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の好決算を受けた5月29日には最高値となる3970円まで上昇したが、その後は勢いが失われた。

ソニーグループの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

2026年3月期はゲーム事業が営業利益を牽引する見通し 十時CEO「非常に好調」

ソニーグループは1-3月期決算発表に際して示した2026年3月期の業績見通しで、金融事業を除いた継続事業ベースでの総収入が2.9%減の11兆7000億円になるとする一方、営業利益は米国の高関税の悪影響を除けば8.1%増の1兆3800億円になるとした。総収入が減少する中でも収益力が伸びるとしたのは、ゲーム事業や映画事業といったエンタメ関連事業での増益を見込んでいるためだ。中でもゲーム事業は651億円の増益が見込まれており、全体としての増益幅(1033億円)の約6割に相当。ソニーグループの大黒柱としての期待が高まっている。

ソニーグループの主要事業別の営業利益の推移のグラフ

十時氏は5月の業績説明会でゲーム事業について「非常に好調」と分析。プレイステーション5(PS5)とともにPS4などで遊ぶユーザーも含めた月間アクティブユーザー数が1-3月期に前年同期比5.1%増にあたる1億2400万人となっていることを踏まえ、「ネットワークビジネスにおける売り上げ、利益の安定的な成長を見込んでいる」と述べた。

ソニーグループのゲーム事業の業績の推移のグラフ

任天堂のスイッチ2は株価に逆風? トランプ関税は1000億円影響の見通し

ただ、投資家の目にはライバルの任天堂(7974)の存在もちらついているようだ。任天堂は11日、5日に投入したスイッチ2の発売後4日間の世界累計販売台数が350万台を突破したと発表。任天堂のゲーム専用機としては過去最高だったとアピールしている。ソニーグループの株価はスイッチ発売当日から11日にかけて2.65%安となり、日経平均の1.78%高とは対照的な値動きとなった。

また、ソニーグループの業績はトランプ政権による高関税の悪影響を受けることも間違いない。ソニーグループは高関税の悪影響は1000億円程度と見込んでおり、この数字を反映させた2026年3月期の営業利益予想は、前期比でほぼ横ばいの1兆2800億円となる。陶林CFOは業績説明会で、事前に行った米国内での在庫積み上げや、製品出荷ルートの切り替え、市場動向を考慮したうえでの値上げなどの対応をとることで、高関税の影響は「営業利益見通しの1割未満にマネージできる」としたが、先行きの不透明感はぬぐえない。

円高進行の可能性は株価を下押し 大型買収浮上なら株価上昇も

さらにソニーグループの業績見通しは、ドル円相場(USD/JPY)で円高が進んだ場合にも下押しされる。ソニーグループは2026年3月期の業績見通しの中で、ドル円相場は1ドル=143円前後と想定。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げと日本銀行の利上げが見込まれる中、円高が大きく進むことになれば、営業利益が損なわれる可能性もある。ソニーグループの金融事業を除いたベースでの営業利益は2023年10-12月期から6四半期連続で前年同期比プラスとなってきたが、トランプ関税の影響も踏まえれば、今後の減益転落も想定されそうだ。

ソニーグループの収入と営業利益の推移のグラフ

一方、ソニーグループの株価は、事業買収による成長シナリオが浮上した場合には上昇が勢いづく可能性がある。2024年11月19日にソニーグループによる「KADOKAWA(カドカワ)買収構想」が報じられた際は、知的財産(IP)獲得への期待が高まり株価が大きく値上がりした。ソニーグループは12月19日にカドカワへの500億円の出資を発表し、買収には至らなかったが、ソニーグループの足元の株価を買収報道前と比較すれば29.36%高となっており、同じ期間の日経平均の0.12%安との勢いの差は歴然としている。

ソニーグループは2027年3月期までの3年間の中期経営計画で1兆8000億円の戦略投資を想定しており、このうち約5100億円分については実行や意思決定が終わっているとしている。残り約1兆3000億円にものぼる投資枠をめぐる思惑もソニーグループの株価の今後の見通しを左右しそうだ。


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