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ドル円週間見通し:FOMC議事要旨に注目、ドル高再燃も、想定レンジ159~162.60円

今週のドル円見通し。FOMC議事要旨で米ドル高再燃も。週間想定レンジは159.00-162.60円。注目のチャート水準をIG証券のアナリストが詳細に解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • FOMC議事要旨でタカ派的な議論が確認されれば、米ドル高が再燃する可能性がある
  • 原油安に連動し米国の期待インフレ率(BEI)は低下するも、名目金利は高止まりしている。結果として実質金利が上昇し、現在の米ドル高を支える構図にある
  • ドル円(USD/JPY)の週間想定レンジは159.00-162.60円

FOMC議事要旨に注目、米ドル高再燃も

6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比5.7万人増とブルームバーグ予想の11.3万人を大きく下回った。4〜5月分も計7.4万人下方修正された。外為市場は米ドル安で反応した。

一方、3日のIG為替レポートで指摘した通り、米金融政策の方向性を反映する2年債利回りが4.1%台を維持し低下が限定的だったことは、利上げ観測の根強さを示唆したと言える。

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今週8日(日本時間9日午前3時)に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月16-17日開催分)が公表される。インフレと追加利上げを巡る議論の有無に注目したい。6月の経済見通し(SEP)では、2026年のコアPCEインフレ率(中央値)が3月時点の2.7%から3.3%へ、政策金利の見通し(中央値)が3.4%から3.8%へ上方にシフトし、一転して年内の利上げを意識する状況にある。

翌日物金利スワップ(OIS)市場では、早ければ9月利上げの可能性が意識され、一時8割前後まで織り込みが進んだ。6月の米雇用統計を受け織り込み度は低下したが、それでも6割程度を意識する状況にある(7月3日時点)。FOMC議事要旨でタカ派的な議論が確認されれば、年内かつ早期の利上げ観測を改めて強める材料となり得る。利上げ観測が再び高まれば、米ドル高の再燃を想定したい。

FRB政策金利 年内の見通し

FRB政策金利 年内の見通し ブルームバーグのデータで作成

原油安で進行する米ドル高が示唆すること

筆者が米ドル高の再燃に注目する理由の一つが、原油先物価格と米ドル高の動きだ。3月は、中東の地政学リスクによる「原油高→有事のドル高」が進行した。しかし、現在は原油安の状況下で米ドル高が進行している。この変遷は、米ドルを支える構図の変化を示唆している。

原油安はインフレ期待の後退要因だ。事実、米国のブレークイーブンインフレ率(BEI、市場が推測する期待インフレ率)は低下している。一方、米債市場ではBEI程の低下は見られず、10年債利回りは4.5%手前で高止まりしている。前述の通り、金融政策の方向性を反映する2年債利回りは4.1%台にある。

名目金利の高止まりとBEIの低下を受け、米国の実質金利(2年・10年)は上昇している。下のチャートが示す通り、実質金利の上昇に連動し、米ドルのトレンドを示すドル指数も上昇している。つまり、米ドル高を支える構図が”有事”から”実質金利”へシフトしているということだ。

特に5月以降は、2年実質金利とドル指数の連動性が高まっている。この状況を重視するならば、利上げ観測が今後米ドルのトレンドを大きく左右する要因になり得る。

米国の実質金利とドル指数 日足チャート:2026年1月以降

米国の実質金利とドル指数 日足チャート:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

今週はFOMC議事要旨の他、経済指標も米金利の変動要因になり得る。注目は、6日の6月ISM非製造業景気指数だ。

ブルームバーグの市場予想では、5月から小幅な低下が見込まれている。ゆえに、雇用増を伴うサービス業の活動が予想外に拡大すれば、米金利を押し上げる要因になり得る。米金利(名目金利)が上昇すれば「実質金利の上昇→米ドル高」を想定したい。9日の週間新規失業保険申請件数も材料視される可能性があろう。

ISM非製造業景気指数の動向:2025年1月以降

ISM非製造業景気指数の動向:2025年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

ドル円のチャート分析、週間想定レンジ159.00-162.60円

ドル円(USD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、7月2日の大陰線の後、翌3日は陽線で引けた。下ヒゲで4月30日の高値水準160.72円を下方ブレイクする状況が続くも、日足の実体ベースでこの水準を維持した状況は、160.70円レベルのサポート転換の可能性を暗示する。政府・日銀による大規模な為替介入があった4月30日大陰線の高値がサポート転換となれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

今週もドル円が底堅さを維持する場合は、4時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防が焦点となろう。3日の反発を止めた161.37円(38.2%戻し)を突破すれば、一気に162.00円をトライする可能性がある。この水準は61.8%戻しにあたる。

ドル円が162円台を回復する場合は、2日の大陰線高値162.60円のトライが焦点となろう。162.28円(76.4%戻し)の突破は、162.60円をトライするサインと捉えたい。

今週は162.60円を上限と想定し、突破する場合は、1日の高値162.84円そして次の節目水準163.00円を目指す展開を想定したい。

 

一方、米ドル高の調整が続く場合は、上述の160.70円レベルの攻防が最初の焦点となろう。21日線の下方ブレイクは、160.70円をトライするサインとなろう。

すぐ下の160.60円レベルでサポート転換の兆しが見られる(4時間足チャート)。160.60-70円をサポートゾーンと想定し、下方ブレイクすれば節目水準160.00円→50日線が推移している159.60円レベルの攻防を意識したい。50日線の下方ブレイクは、159.00円を目指すサインとなろう。今週はこの水準が下値の目処となる。

なお、政府・日銀による為替介入がある場合は、159.00円の下方ブレイクが予想される。このケースでは、日足チャートの短期サポートラインの維持に注目したい。

注目水準
■レジスタンス
・162.84円:7/1高値水準
・162.60円:7/2高値水準
・162.28円:76.4%戻し(4時間足)
・162.00円:61.8%戻し(161.93円、4時間足)
・161.65円:半値戻し(4時間足)
・161.37円:38.2%戻し(4時間足)

■サポート
・160.90円:21日線
・160.70円:4/30高値水準(160.72円)
・160.60円:サポート転換(4時間足)
・160.00円:節目水準
・159.60円:50日線
・159.00円:下限予想

※移動平均線の水準:7/3時点

ドル円 日足チャート:2026年1月以降

ドル円 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

ドル円 4時間足チャート:6月以降

ドル円 4時間足チャート:6月以降 TradingView提供のチャート

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