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豪中銀は政策金利維持か 2日理事会 豪ドル相場は今後の見通しが左右

豪中銀は2日の理事会で政策金利を据え置く見通し。ただし7月以降の利上げ再開も見込まれており、声明文の内容に注目が集まる。

出所:ブルームバーグ

オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)が2日の理事会で政策金利を据え置くとの公算が強まっている。4月下旬に発表された1-3月期の消費者物価指数の伸び率が前期から減少し、物価上昇の沈静化が確認されたためだ。ただし物価上昇率がRBAが目標とする2-3%を大きく上回っていることも事実で、RBAは7月以降に利上げを追加するともみられている。豪ドルの対円相場は日本銀行の金融政策決定会合後に豪ドル高にふれており、理事会後の声明で示される今後の見通しに注目が集まる。

豪の物価上昇率は3か月連続で減少

オーストラリア統計局が4月26日に発表した1-3月期の消費者物価指数の伸び率は7.0%だった。2022年10-12月期の7.8%をピークとして、物価上昇が落ち着き始めたことが示された形だ。同時に発表された月次の数字では、2023年3月の伸び率は6.3%で、こちらも2022年12月の8.4%をピークとして3か月連続での減少となった。

オーストラリアの消費者物価指数伸び率の推移(2023年3月まで)

ロイター通信が4月26-28日に行ったエコノミスト調査によると、34人中26日が5月2日の理事会での利上げ見送りを予想している。残り8人は0.25%の利上げを見込む。RBAは4月の理事会で「物価上昇がピークをつけた」と判断し、1年ぶりに利上げを見送っていた。物価上昇率の低下傾向が改めて確認されたことで、RBAが現時点で利上げをすることはないとの見方が大勢のようだ。

7月から9月にかけて0.25%の利上げも

ただしRBAは4月の声明文で利上げ停止が一時的なものになる可能性を示唆している。政策金利は3月まで10回連続で行われた利上げの結果、3.6%に達しているが、月次のデータで物価上昇率が目標水準を上回るのは、2021年9月に3.1% をつけてから1年7か月連続におよぶ。今の政策金利の水準で持続的に物価上昇を抑えることができるかどうかには不安もあり、3か月連続の物価上昇率下落では警戒を緩めることはできない。

ロイター通信の調査では、6月も政策金利の据え置きが予想されている一方、7月から9月にかけて0.25%の利上げが行われ、政策金利は3.85%になるとの見方が多数となっている。RBAは2023年中の理事会では利上げか据え置きかを検討し、利下げに転じるのは2024年に入ってからとの見立てが強いようだ。

豪ドルの対円相場(チャート)は4月の理事会後に1豪ドル=87円台後半まで下落した。その後は88円から90円の範囲で推移し、日銀が大規模金融緩和の維持を決めた4月28日には、88円台後半から90円台前半まで値を上げている。RBAが5月2日に政策金利の維持を決めた場合は、声明で今後の見通しがどのように語られるかが豪ドル相場を動かす可能性がある。


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