日経平均株価 週間見通し(9/29~10/3):4万4000円~4万6300円予想、米雇用指標に注目、反落警戒
今週(9/29~10/3)の日経平均株価の見通し。強気相場維持も高値警戒感で買い疲れが見られる。米雇用指標で利下げ見通し修正なら反落を警戒。予想レンジは4万4000円〜4万6300円。株価指数CFD「日本225」の重要チャート水準をIG証券のアナリストが詳細解説。

要点
今週の日経平均株価は、米雇用指標をにらんだ展開が予想される。株価指数CFD「日本225」の週間予想レンジは4万4000円〜4万6300円を想定。4万6000円付近では買い疲れが見られる。25日線との乖離率が5%を超えると反落するトレンドにある。
最大の焦点は、10月3日発表の米9月雇用統計となろう。雇用統計前の指標も含め労働市場の堅調さを示唆する結果が続けば、市場参加者は連続利下げの見通しの修正を迫られるだろう。米利下げ観測の後退は、日本225の調整売り要因として警戒したい。
10月相場入り、強気相場維持も高まる高値警戒感
先週の日本株も強気相場を維持した。日経平均株価とTOPIXは最高値を更新し、週次上昇で終えた。日経平均株価は5週続伸で10月相場を迎える。
日経平均株価・TOPIXの週間変動率:2025年5月以降

ブルームバーグのデータを基に作成
今週から10月相場に入る。2012年12月26日に第2次安倍内閣が発足。2013年以降、日経平均株価は安倍政権下での大規模金融緩和を受け上昇トレンドへ転じた。直近までの各月の平均変動率を確認すると、10月は上昇傾向にある。
日経平均株価 月間の平均変動率

日経プロフィルのデータを基に作成 / 期間:2013年1月~2025年9月26日
※1月~8月:2025年までの各月の価格データ
※9月:2025年9月26日までの価格データ
※10月~12月:2024年までの各月の価格データ
現在の強気地合いを考えるならば、今年の10月相場も日経平均株価は上昇で終える可能性がある。しかし、今週は調整売りを警戒したい。そう考える理由の一つが高値警戒感である。
日経平均株価を原資産とする株価指数CFD「日本225」のトレンドを日足チャートで確認すると、先週は4万6000円がレジスタンスラインとなり、買い疲れの兆候が見られた(赤矢印を参照)。
テクニカル指標にも注目したい。6月以降、25日線との乖離率が5%を超えると反落するトレンドにある。日足のMACDがデッドクロスへ転じつつある状況も、短期間で上昇幅が拡大した後の買い疲れを示唆している(黒矢印を参照)。
日本225の日足チャート:2025年6月以降

TradingView提供のチャート
東京証券取引所が26日に発表した9月第3週(16〜19日)の投資部門別株式売買動向(東証と名証の合計)によれば、海外投資家と個人投資家はともに2週連続で売り越した。いずれも前週の売り越し額から減少したが、高値警戒感を意識した利益確定売りに動いたことがうかがえる。
後述する今週の米雇用指標次第で、今週の日経平均株価は調整売りに直面する可能性がある。
投資部門別株式売買動向:2025年4月以降

東証のデータを基に作成
※東証と名証の合計、単位:億円(億円未満切り捨て)
注目の米雇用統計、利下げ見通し修正なら株安警戒
米国の株式市場は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)の連続利下げを意識した「金融相場」の様相を呈している。市場の利下げ期待の土台となっているのが、雇用の下振れ懸念である。
9月30日の8月JOLTS求人件数を皮切りに、10月1日に9月ADP雇用統計、2日に週間の新規失業保険申請件数と、今週は雇用指標の発表が相次ぐ。労働市場の堅調さを示唆する内容が続けば、市場は利下げ見通しの修正を余儀なくされるだろう。
最大の焦点となるのが、10月3日の9月米雇用統計だ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、非農業部門雇用者数が前月比5.1万人増と低い伸びにとどまる一方、失業率は4.3%で前月から横ばいが見込まれている。労働市場の軟化が警戒される中、予想外に強い内容となれば、最高値圏にある米国株の調整売りを引き起こすトリガーになり得る。
また、雇用統計前の指標でも予想を上回る内容が続き、そこに強い雇用統計が重なれば、米株高をけん引しているハイテク株に調整売りの圧力が高まることが予想される。ハイテク株の売りは米国株の下落要因となろう。日経平均株価を原資産とする株価指数CFD「日本225」にも相応の下落圧力が予想される。
現在の金融相場において、「良いニュースは悪いニュース」となる可能性を意識しておく必要がある。
米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤の棒グラフ・ドット:9月の市場予想
日本225のテクニカル分析
予想レンジの上限:4万6300円
今週の米雇用指標が総じて予想の範囲内となれば、連続利下げ期待が米国株を下支えする展開が予想される。外為市場で円安が米ドル安を相殺すれば、ドル円(USD/JPY)は150円を意識する状況が続こう。米株高とドル円の高止まりは、日経平均株価の押し上げ要因となろう。
同指数を原資産とする株価指数CFD「日本225」は現在、4万6000円を意識する状況にある。このラインを目指すサインとして、まずはレジスタンスラインに転換する可能性がある4万5200円の突破を確認したい。次の焦点は、9月22日以降レジスタンスラインとして意識されている4万5800円の攻防となろう。後者のラインの突破は、4万6000円をトライするサインと考えたい(いずれも4時間足を参照)。
日本225が4万6000円を突破した後、反落の局面でこのラインを維持すれば、強気相場の勢いを市場参加者に意識させるだろう。4万6280円はフィボナッチ・エクステンション100%の水準にあたる。すぐ上の水準4万6300円を今週の上限と想定したい。
前述のとおり、現在の日本225は高値警戒感が意識されやすい状況にある。4万6000円を突破した後、このラインがサポート転換に失敗する場合は、後述するサポートラインの攻防に注目したい。
レジスタンスライン
・4万6300円:週間の予想レンジ上限(4時間足)
・4万6000円:レジスタンスライン(4時間足、日足)
・4万5800円:レジスタンスライン(4時間足)
・4万5200円:レジスタンスライン(4時間足)
予想レンジの下限:4万4000円
米雇用指標が市場の連続利下げ見通しの修正を迫る場合は、米株安とそれに伴う日本225の反落を想定したい。
今週30日に9月日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。10月2日に内田副総裁が全国証券大会に出席し、3日に植田総裁が大阪経済4団体共催懇談会に出席する。経済見通しと金融政策についての見解や発言の内容で早期の利上げ観測が高まる場合も、日本225の調整売りを警戒したい。
週間の予想レンジ下限は4万4000円を想定。このラインを目指すサインとして、まずは9月12日以降、相場を下支えしている4万4600円の攻防に注目したい。このラインを下方ブレイクする場合は、25日線の攻防が焦点に浮上しよう。この移動平均線の下方ブレイクは、4万4000円をトライするサインと捉えたい。
サポートライン
・4万4600円:サポートライン(4時間足、日足)
・4万4175円:25日線(9/26時点、日足)
・4万4000円:週間の予想レンジ下限(日足)
日本225の日足チャート:2025年6月以降

TradingView提供のチャート
日本225の4時間足チャート:9月以降

TradingView提供のチャート
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