AI相場に漂う不透明感。加速する国内金利の上昇。今週の日経平均株価は変動拡大を警戒したい。
先週(6/29-7/3週)の日経平均株価は週次383.19円高(+0.55%)と、反発して終えた。ただし指数の底堅さとは裏腹に、上昇相場を主導しているAI関連株には変調が見られる。
注目は、現在のAI相場の主役であるキオクシアホールディングス(285A)だ。同社株は6月22日のザラ場で高値11万2700円を付けた後ピークアウトし、25日線を一気に下抜けた。一時7万円を下方ブレイクする場面も見られた。
50日線でサポートされたことは反発の期待を高めるが、MACDではデッドクロスが確認された。以下で詳述する米株式市場の動きも踏まえると、今週も不安定な値動きを警戒したい。
キオクシアの株価チャート:日足 2026年1月以降
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国内の(超)長期金利の上昇にも警戒したい。3日に新発10年債利回りが一時2.810%と、1996年10月以来約30年ぶりの高水準を付ける場面が見られた。30年債利回りも節目の4%を再び突破している。
昨年10月の高市政権発足以降、(超)長期金利の上昇が続いている。先月30日に公表された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を機に上昇圧力が再燃した状況も考慮すれば、インフレリスクに財政悪化の懸念が加わったことが背景にあるとみられる。
7日に30年国債の入札を控えている。堅調な需要が見られない場合は、金利上昇リスクの懸念がAI関連株のボラティリティを一段と高める要因になり得る。
国内10年・30年国債の利回り 日次:2025年10月以降
米国株の動向も注視したい。6月以降、AI相場のトレンドを反映するナスダック100は、NYダウやラッセル2000に対して劣勢に転じている。
米株価指数の倍率チャート 日次:2026年1月以降
6月上旬、AI相場はブロードコム(AVGO)の決算をきっかけに調整売りに直面した。
6月以降のS&P500セクター別パフォーマンスを確認すると、マイクロン・テクノロジー(MU)やエヌビディア(NVDA)など主力半導体株が属する情報技術が最も下落している。次いでアルファベット(GOOGL)やメタ・プラットフォームズ(META)が属するコミュニケーション・サービスが軟調地合いにある。
一方でヘルスケアや公益といったディフェンシブを中心にバリュー株を物色する動きが見られる。AI銘柄に向いていた資金が出遅れセクターへシフトする兆しがうかがえる。今週もセクターローテーションが続けば、東京株式市場では値がさAI関連株を中心に調整売りが加速する要因になり得る。
米株式市場での資金の動きもまた、今週の日経平均株価のボラティリティ拡大の要因になり得るため注視したい。
S&P500セクター別パフォーマンス:6月1日~7月2日
日米のAI相場失速が続き、日経平均株価が下値を目指す場合、IG証券の株価指数CFD「日本225」は、以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。
日足チャートでトレンドを確認すると、6月22日を境に上値の水準がじりじりと切り下がっている。一方、下値は6万8000円レベルがサポートラインとして機能している。先週は一時6万7500円を下回る場面もあったが、同水準では2日連続で反発し下値の堅さが確認された。
今週の下限を6万7500円と想定し、まずは25日線(6万8708円)の攻防に注目したい。この移動平均線を明確に割り込めば6万8000円、次いで6万7500円の攻防を想定したい。下限の6万7500円は4時間足フィボナッチの起点(67461円)にあたり、テクニカル面でもサポートラインとして意識されやすい状況にある。
筆者の想定を超える調整売りで6万7500円を下方ブレイクする場合は、6月11日に日本225をサポートした50日線を視野に下落拡大を警戒したい。
前述の通り、米株式市場ではセクターローテーションの兆しが見られる。一方で、先週はハイパースケーラー4銘柄-マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)が揃って上昇した。今週、米半導体関連の売りが続いても、これらハイテク銘柄が堅調地合いを保てば、国内のAI関連株を下支えする可能性がある。上で取り上げたサポート水準を維持できれば、地合いの強さを示すことになろう。
日本225の反発局面では、6月25日以降レジスタンスとして意識されている7万2000円を上限と想定し、まずは3日の反発を止めた節目水準7万円を突破できるかを確認したい。
日本225が7万円台を回復すれば、4時間足フィボナッチ61.8%戻しにあたる7万1000円レベルの攻防が焦点となる。
注目水準
■レジスタンス
・72000円:上限予想、76.4%戻し(72182円)
・71000円:61.8%戻し(71280円)
・70000円:節目水準、直近の上値攻防ライン
■サポート
・68700円:25日線(68708円)
・68000円:下値攻防ライン、半値戻し(67984円)
・67500円:下限予想
・66390円:50日線
※移動平均線の水準:7/3時点
日本225 日足チャート:2026年3月以降
日本225 4時間足チャート:6月以降
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