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メタ、広告収入アップに期待 25日決算 下半期も株価上昇に勢い

メタが25日に発表する7-9月期決算は大幅な増収増益予想。株式市場の不透明感が増す中でも強さを示せるかが注目される。

出所:ブルームバーグ

フェイスブックなどのSNSを運営するメタ・プラットフォームズが25日の取引時間終了後に発表する2023年7-9月期決算は大幅な増収増益が期待されている。人工知能(AI)を活用した広告事業の精緻化が好業績に貢献するとみられており、下半期の17日までの株価上昇率は約13%を維持。同じく広告収入を柱とするアルファベット同様に勢いが衰えていない。株式市場をめぐる環境は不透明感を増しているが、収益力の底堅さをみせることができれば、株価には追い風が吹きそうだ。

メタの2023年7-9月期決算は大幅な増収増益の予想

メタは米国東部時間の25日午後5時(日本時間26日午前6時)から決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、メタの7-9月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比21.1%増の335.66億ドル、1株当たり利益が約2.2倍の3.59ドルと予想されている。メタは4-6月期に7四半期ぶりの増収増益を実現しており、勢いが維持されると見込まれている形だ。メタは過去14回の四半期決算のうち、3回で総収入が事前予想を下回った。1株当たり利益では5回で事前予想を超えられなかった。

メタ・プラットフォームズの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

メタの株価(META)は2022年の1年間で64%下落。約2割安だったS&P500種株価指数(SPX)や、約33%安だったナスダック総合指数よりも激しい値下がりだった。しかし2023年に入ってからは株価は急上昇している。10月17日の終値は324.00ドルで、2022年末比で約2.7倍。7月以降の下半期に限ってみても上昇率は12.9%で、S&P500の1.7%安を大きくしのぎ、グーグルなどを傘下に持つアルファベット(16.7%高、GOOGL)に迫る勢いだ。

メタ・プラットフォームズなど大手ハイテク企業の株価の推移の比較のグラフ

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は20.09倍で、同じIT大手の一角であるアマゾン・コム(44.13倍、AMZN)よりも大きく割安。アルファベット(21.37倍)に対しても、わずかに割安といえる水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は362.18ドルで、現状よりも約12%高い水準となっている。57人中19人が強い買い、32人が買いを推奨。一方、4人は維持、2人は売りを勧めている。

ヘッドセット型端末の新製品「クエスト3」も発売

メタの株価が好調なのは、4-6月期決算で総収入のほぼすべてを占める広告収入の好調さが確認されたためだ。メタは7月の決算発表に際して、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻から1年以上が経つ中で、広告出稿を手控える動きがh解消されてきたと説明した。さらにAIを活用してSNSの利用者に最適な広告を選び出し、広告収入を得られやすくする方策も精度が上がっているという。メタと同様に株価が好調なアルファベットも、広告事業をビジネスの柱としている。

またメタはヘッドセット型端末の新製品「メタ・クエスト3」の販売を10日から開始。従来機種よりも薄型で軽量になっており、外部に装着されたカメラで撮影したカラー画像を用いて、仮想空間と現実の空間を融合させることができる。米国での販売価格は499.99ドルからで、アップル(AAPL)が2024年に発売する予定のヘッドセット型端末「ビジョン・プロ」(3499ドル)の7分の1に設定された。メタは「世界初の一般向け複合現実(MR)ヘッドセットだ」としている。

ただ、メタの仮想空間事業は7-9月期に37億ドルの営業赤字となっており、収益化の道筋はみえていない。また広告収入は経済全体の見通しやムードに左右されやすい側面もあり、米国政治の混乱や中東情勢の緊迫化を背景とした経済の不透明感は業績悪化につながりかねない。こうした中でもメタが好業績と前向きな見通しを示すことができれば、メタの株価には値上がり圧力がかかることも想定されそうだ。


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