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円安150円台再突入も 米国経済に強さ 自民党総裁選は円高要因?

ドル円相場は149円台後半。米国の成長率上方修正などが材料視された。今後の米国の経済指標次第で円安圧力がさらに高まる可能性もある。

円安150円台再突入も 米国経済に強さ 自民党総裁選は円高要因? 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で円安圧力が強まってきた。ドル円相場は日本時間26日昼すぎの取引で1ドル=149円台後半で推移。直近の48時間ほどで2.5円の円安が進んでいる。25日に発表されたアメリカの2025年4-6月期の実質成長率が大きく上方修正されるなど、米国経済の強さが確認されたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが後退したことが要因だ。一方、日本経済をめぐっては年内の追加利上げ見通しが強まっており、円高材料として意識されている。また自民党総裁選挙で高市早苗氏の苦戦が報じられていることも円高要因といえそうだ。ただ、米国経済をめぐっては9月雇用統計が発表される10月3日にかけて重要経済指標が相次いで発表される予定で、金融市場の関心は高い。これらの経済指標で米国経済の強さが示されれば、円安が2か月ぶりの150円台に突入するきっかけになる可能性がある。

ドル円相場は149円台後半 48時間で2.5円の円安進行

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間26日午後1時12分段階で1ドル=139.70円で取引されている。ブルームバーグによると、午前8時30分ごろには149.96円をつけ、8月1日につけた150.92円以来、約2か月ぶりの円安水準となった。ドル円相場は24日午前9時ごろまでは147円台半ばで推移していたが、48時間程度をかけて2.5円ほどの円安が進んだことになる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事の推移のグラフ

アメリカの4-6月期GDPは大幅な上方修正 失業保険申請件数には落ち着き

円安を急進させた要因は米国経済の強さが改めて確認されたことだ。米国で25日に発表された4-6月期GDP(確定値)の実質成長率は前期比年率3.8%となり、改定値の3.3%から大幅な上方修正。個人消費の伸び率が2.5%とされ、改定値の1.6%から大きく引き上げられたことが要因だ。輸入がマイナス29.3%と大きく減っていることも成長率の水準を高くしている。

アメリカの実質成長率の推移と主な項目の寄与度のグラフ

また25日に発表された米国の失業保険関連統計も米国の労働市場の安定を示す円安要因となった。14-20日週の新規失業保険申請件数は21.8万件で、前週の23.2万件から低下。失業保険申請件数は11日発表の前々週分では3年10か月ぶりの高さを記録したものの、その後は落ち着きをみせているといえそうだ。

アメリカの新規失業保険申請件数と受給者数の推移のグラフ

FRBの年内2回利下げ見通しが後退 ポンドやユーロ、豪ドルもドルに対して下落

米国経済の強さはFRBの利下げ見通しを後退させた。ブルームバーグによると、25日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.704%となっており、前日よりも0.044%ポイント上昇。年内2回の利下げ確率は56%と見積もられ、FRBが利下げを決めた17日の78%程度から利下げへの期待が弱まっている形だ。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の推移のグラフ

米国の金利の先安観の弱まりの結果、FX市場では円以外の通貨もドルに対して下落している。ブルームバーグによると、ポンドの対ドル相場(GBP/USD)の25日のニューヨーク市場の終値は前々日(23日)と比較で1.34%のポンド安。ユーロの対ドル相場(EUR/USD)も1.26%のユーロ安、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)も0.89%の豪ドル安だ。

円、ユーロ、ポンド、豪ドルの対ドル相場の推移のグラフ

日銀内での利上げ支持は円高要因 日本の長期金利は17年2か月ぶりの高さに

一方、日本経済をめぐっては円高圧力も根強い。日本銀行が18、19日に開いた金融政策決定会合では政策金利の維持が決まったものの、9人中2人の委員は0.25%幅での利上げを提案していた。25日に公表された7月の決定会合の議事要旨では、1人の委員が米国の関税政策の影響の見極めに「2-3か月」が必要としつつも、「早ければ年内にも現状の様子見モードが解除できるかもしれない」との認識を示すなど、利上げに前向きな意見が増えてきているようだ。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれる10月29、30日の決定会合後の政策金利の水準は0.616%で、利上げ確率は55%程度とみられている。

金融市場で見込まれる日銀の政策金利の水準の推移のグラフ

こうした中、日本の長期金利(10年物国債利回り)は高水準が維持されている。ブルームバーグによると、22日には一時、1.666%をつけ、2008年7月24日(1.683%)以来、17年2か月ぶりの高さを記録した。ドル円相場の値動きの背景となる日米の金利差は25日終値段階で2.529%ポイントとなっており、日本の長期金利上昇が米国の長期金利上昇による円安圧力を弱めているとみることができる。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

自民党総裁選挙で高市氏は苦戦 米国の経済指標次第でさらなる円安圧力も

さらに22日に公示された自民党総裁選挙に関しては、小泉進次郎氏の優勢と高市氏の苦戦が報じられていることも円安にブレーキをかけている。高市氏は1年前の総裁選挙で日銀の利上げを牽制したことに加え、財政支出に積極的な立場も注目され、選挙戦を優位に進めれば円安が進むと目されてきたからだ。これに対して小泉氏と健闘が報じられている林芳正氏はいずれも現在の石破茂政権で閣僚を務めており、勝利した場合には財政支出拡大に慎重な姿勢が「高市氏の敗北」と合わせて円高要因として意識される可能性もある。

ただ、米国経済をめぐっては26日に8月の個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、週明け以降には10月1日に米サプライマネジメント協会(ISM)による9月の製造業景況感指数(PMI)、3日には9月雇用統計も発表される。円安が149円台まで進む中で、改めて米国経済の底堅さを示す経済指標が発表されれば、円安圧力がさらに強まり、150円台に再突入するシナリオも想定されそうだ。


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