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日経平均株価 週間見通し(1/13週):5万5000円視野も、高市首相の解散判断焦点

IG証券のアナリストによる日経平均株価の週間見通し。解散観測の株高と米インフレ鈍化が重なれば、5万5000円が視野に入る可能性も。一方、下値の焦点は5万2000円台の維持が焦点に。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 読売新聞電子版の衆院解散報道で9日の日経先物は前日比1510円高と急騰。総務省が各選管へ衆院選準備を指示したとの報道もあり、解散の現実味が増している
  • 今週の焦点は高市首相の解散判断と米CPI。解散表明なら「高市自民党圧勝」の思惑で日本株の上昇拡大が予想される。米国のインフレ鈍化も確認されれば、米株高との相乗効果で日経平均株価は5万5000円が視野に入る可能性も
  • 一方、解散観測の後退や米インフレの粘着性が示される場合は下落を警戒したい。今週の下限予想は5万2000円


衆院解散報道で日経先物が急騰

読売新聞電子版は9日午後11時に「高市首相が衆院解散を検討」と報道した。記事によれば、以下の案が想定されるという。
【想定される日程】
・解散時期:1月23日召集予定の通常国会冒頭
・想定される選挙日程1:1月27日公示 → 2月8日投開票
・想定される選挙日程2:2月3日公示 → 2月15日投開票
※読売新聞電子版「高市首相が衆院解散を検討、23日通常国会の冒頭に…2月上中旬に投開票の公算」より(2026/01/09 23:00配信)

解散報道を受け9日の日経平均先物(3月物)は急伸。前日の清算値と比べ1510円高の5万3590円で終えた。CFD株価指数「日本225」は5万3800円台まで急騰する局面が見られた。

日本225の5分足チャート:9日のNY時間の動き

日本225の5分足チャート:9日のNY時間の動き

出所:IGチャート

衆院解散について現時点では「検討」の段階であり確定ではない。しかし、読売新聞電子版は10日、総務省が最速の日程となることも念頭に置き、各都道府県の選挙管理委員会事務局に対し、衆院選の準備を進めるよう事務連絡を出したと報じた。毎日新聞電子版も同日、複数の政府・自民党関係者の話として、高市首相が衆院解散を検討している意向を周辺に伝えたと報じた。

高市政権内や自民党から衆院解散を否定するコメントがなければ、今週の日本225は上昇拡大が予想される。


高市首相の判断と米インフレ指標

今週13日、高市早苗首相は地元の奈良県で日韓首脳会談を行う。会談後の記者会見で衆院解散を表明する可能性がある。

4日のIG日本株レポートでは、今年のテーマの一つに「高市政権の支持率と解散総選挙」を挙げた。

関連レポート
【日本株】2026年の見通しと4つのテーマ、日経平均株価の1月展望

その理由は、昨年7月以降の日本株の動きにある。7月20日の参院選以降、日本株の上昇が加速した。10月以降はその勢いがさらに増し、先週6日に日経平均株価とTOPIXは最高値を更新した。国内政治の変化と高市政策を意識した動きと筆者は考えている。

ゆえに今週、高市首相が衆院解散を表明すれば、「高市自民党」圧勝の思惑で日本株は上昇拡大が予想される。

日経平均株価とTOPIXの動向:日足 2025年以降

日経平均株価とTOPIXの動向:日足 2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成

米国のインフレ指標も、今週の日本株の変動要因となろう。13日に昨年12月の消費者物価指数(CPI)が発表される。14日には昨年11月の生産者物価指数(PPI)も控える。

市場参加者の注目度が高いのが、前者のCPIだ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、トレンドを示す前年同期比のコア指数でインフレの粘着性が示される可能性がある。

米国 消費者物価指数(CPI) の動向:直近1年間

米国 消費者物価指数(CPI) の動向:直近1年間

ブルームバーグのデータを基に作成

先週は、インフレ期待の上昇を示すデータが相次いだ。米ニューヨーク連銀の月次調査によれば、昨年12月の1年先インフレ期待は3.4%と、11月の3.2%から上昇した。1月のミシガン大学調査でも、1年先の期待インフレ率(速報値)が4.2%と、12月確報値から横ばいながらもブルームバーグ予想の4.1%を上回った一方、5-10年先も3.2%から3.4%へ上昇した。

米国 期待インフレ率指標の動向:2025年以降

米国 期待インフレ率指標の動向:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成

また、昨年12月の雇用統計では、前年同期比の平均時給が3.8%と11月の3.6%から加速し、賃金インフレの根強さも確認された。

こうした状況下でCPIやPPIがインフレの粘着性を示す内容となれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用よりもインフレ重視の姿勢に傾くとの思惑が強まろう。利下げ期待の後退を通じて、米国株には調整売りの圧力が高まることが予想される。米株安は日本株の調整売り要因になり得る。

一方、インフレの抑制が示される場合は利下げ期待が米国株を下支えすることが予想される。米株高と解散の思惑が重なる場合は、日本株の連騰期待が高まろう。



テーマ株に注目

先週の日経平均株価は3%超上昇して終えた。TOPIXも同じく3%高で終えた状況は、ソフトバンクグループ(9984)やアドバンテスト(6857)といったAI関連の銘柄だけでなく幅広い銘柄が買われたことを示唆している。

注目は「防衛」と「資源」のテーマ株だ。米国のベネズエラ攻撃を受け、制裁下にあるイラン情勢も不安定化しており、エネルギー安全保障への懸念が高まっている。一方、中国は軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制を強化し、レアアース調達リスクも意識されている。

これら国際情勢の不透明感が意識され、先週(5日~9日)は日経平均採用銘柄のうち上昇率上位10位の中に川崎重工業(7012)、IHI(7013)、三井金属鉱業(5706)、住友金属鉱山(5713)、日本製鋼所(5631)が入った。

日経平均採用銘柄 先週の上昇率上位10銘柄

日経平均採用銘柄 先週の上昇率上位10銘柄

ブルームバーグのデータを基に作成


日本225のテクニカル分析

今週、「衆院解散→高市自民党圧勝」の思惑が強まれば、「高市銘柄」の一角でもある防衛関連と資源関連の銘柄が引き続き選好されることが予想される。日経平均株価の株価指数CFD「日本225」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

5万5000円視野に上昇拡大も
今週、日経平均株価の上昇が拡大する場合、同指数が原資産の株価指数CFD「日本225」は、9日の高値水準5万3800円を難なく突破し、5万4000円台へ上昇することが予想される。5万4000円がサポートラインに転換すれば、上昇拡大の期待が高まろう。

注目すべきは、4時間足チャートにまとめた2つのフィボナッチ・エクステンションの攻防だ。サポート転換が確認された5万0700円を基点としたフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準5万4252円を突破すれば、5万4900円台を視野に上昇拡大が予想される。

5万4964円は、昨年12月後半からサポートラインとして意識された5万0200円を基点としたフィボナッチ・エクステンション161.8%にあたる。このテクニカルラインのトライは5万5000円のトライを意味する。衆院解散と高市自民党大勝の思惑に米株高が重なれば、5万5000円へ急騰する展開を想定しておきたい。

チャートポイント
・5万5000円:今週の上限予想
・5万4964円:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・5万4252円:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・5万4000円:レジスタンスライン
・5万3800円:9日の高値水準

5万2000円の維持
日足のRSIは買われ過ぎの水準にある。4時間足のRSIとストキャスティクスも同じ状況にあり、短期的な過熱感が意識されやすい状況だ。米インフレ指標が米株安の要因となれば、日本225は調整売りに直面することが予想される。

問題は、衆院解散の動向だ。高市内閣や自民党内から否定的なコメントが相次げば、解散期待が急速に後退することが予想される。読売新聞電子版の解散報道が流れた時の安値レベル5万2000円を今週の下限と予想する。9日時点で5日線がこのラインまで上昇している。また、5万1500円付近には10日線も推移している。テクニカルの面で5万2000円はサポートラインとして意識されやすい。

4時間足チャートの5万3000円と5万2650円(サポート転換を意識する水準)を下方ブレイクする場合は、5万2000円をトライするサインと考えたい。

チャートポイント
・5万3000円:サポートライン
・5万2650円:サポート転換の可能性あり
・5万2000円:今週の下限予想


日本225の日足チャート:昨年9月以降

日本225の日足チャート:昨年9月以降

TradingView提供のチャート

日本225の4時間足チャート:昨年12月下旬以降

日本225の4時間足チャート:昨年12月下旬以降

TradingView提供のチャート


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