金価格の短期見通し。4000ドル割れで弱気地合いが鮮明に。目先の焦点は米インフレ指標と、ウォーシュFRB議長の議会証言。次の節目3900ドル視野に下落拡大も。17日までの想定レンジは3900〜4135ドル。
7日のIGコモディティレポートで述べた通り、金価格(XAU/USD)の反発は「弱気地合いの中の買い戻し」にとどまり、下落基調が続いている。
ブルームバーグのデータによれば13日は、前週末比117.54ドル(2.85%)下落し、心理的節目の4000ドルを割る場面があった。一時3986ドルまで下落した。
週末にかけて米国とイランが再び緊張関係に陥り、原油先物価格が急伸。インフレ懸念から早期の米利上げ観測が強まり、米長期金利(10年債利回り)が4.6%台へ上昇。これら市場の動きが金の下押し圧力を強めた。
直近のトレンドを日足チャートで確認すると、IGコモディティレポートで注目している21日線がレジスタンスラインとしての存在感を高めている。
MACDはゼロライン以下での推移が続いている。RSIは50を下回っているが、売られ過ぎの水準までは距離があり、なお下値余地を残す。一目均衡表の遅行線もローソク足を下回っており、いずれも金価格が弱気地合いにあることを示している。
4000ドルがレジスタンスへ転換すれば、6月30日安値の3942ドルを経て、次の節目3900ドルを視野に下落拡大を想定したい。
今週、金価格が下値をトライするカタリストとして注目したいのが、以下で詳述する米インフレ指標とウォーシュFRB議長の議会証言だ。
金価格 日足チャート:2026年1月以降
今週、金相場のカタリストとして注目したいのが、6月の米インフレ指標だ。14日に消費者物価指数(CPI)、15日に生産者物価指数(PPI)が相次いで発表される。
ブルームバーグがまとめた市場予想では、前年同月比の6月CPI伸び率は、5月の4.2%から3.8%への鈍化が見込まれている。市場が重視するコア指数も2.9%から2.8%と、鈍化の予想にある。
米消費者物価指数(CPI)の動向:過去1年間
一方、PPI(前年同月比)の予想は総合で鈍化が予想されるものの、コア指数は5月の4.9%から5.2%へ加速する見通しにあり、川上のインフレ圧力の根強さが示される可能性がある。
米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間
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原油安の影響で予想以上にインフレが鈍化すれば、利上げ観測の後退による米金利の低下とドル安を受け、金価格をサポートしよう。一方、CPI・PPIが総じて市場予想を上回る場合は、逆の展開を想定したい。
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長が就任後初の議会証言に臨む(14日:下院、15日:上院)。ウォーシュ氏は、フォワードガイダンスからの脱却を掲げ、会合ごとに判断する方針を示している。この姿勢から、議会証言でも政策金利の方向性についての具体的な言及は避ける公算が大きい。このため、物価や景気に関する発言のトーンで利上げ時期を測ることになろう。
インフレ抑制への強いコミットや、保有資産の圧縮(QT)に前向きな発言が出れば、以下で詳述する米利上げ観測を強め、外為市場では米ドル高が予想される。一方、景気・雇用の下振れリスクやインフレ鈍化の可能性に言及する場合は、逆の展開が予想される。
長期化する中東情勢の混迷がインフレ懸念を強め、足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では早期の利上げ観測が強まっている。これまでは、早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが焦点だった。しかし、ここにきて7月会合での利上げ観測がじわりと台頭している。本日午前10時の時点では、4割台まで利上げの可能性を織り込む状況にある。
前述の米インフレ指標とウォーシュ議長の証言でこの観測がさらに強まれば、米金利上昇・ドル高を通じて金価格は下落拡大を警戒したい。
各FOMCの利上げ織り込みの推移
早期利上げ観測による米国の金利高・ドル高という逆風に加え、金ETFの需給面でも支援材料は乏しい。ブルームバーグ・インテリジェンスの週次データによれば、先週は約8300万ドルの流入超に転じたものの、5月以降に膨らんだ流出超の規模と比べれば戻りは限定的だ。
需給の面でも上昇の手掛かりを欠くなかでは、今週、金価格の反発局面が見られても、下のチャート分析セクションで取り上げたレジスタンスラインで反落する展開を想定したい。
金ETFの週次資金フロー:2026年2月以降、7/6~7/10週まで
13日に節目の4000ドルを割り込んだことで、金価格(XAU/USD)は下値トライの様相を強めている。
前述のカタリストが米ドル高の要因となれば、直近でサポートラインとして意識された3960ドル、6月30日安値の3942ドルを試す展開が見込まれる。直近安値3983ドルの下方ブレイクは、これらサポート水準をトライするサインとなろう。
後者の3942ドルを明確に下抜ければ、次の節目3900ドルが視野に入る。この水準を今週17日までの下限と予想する。
一方、前述のカタリストが米ドル安の要因となれば、「弱気地合いの中の反発」を想定したい。まずは4040ドルと4080ドルの攻防に注目したい。いずれの水準もサポートからレジスタンスへ転換するかが焦点となる。4080ドルの突破は4100ドルをトライするサインとなろう。
4100ドルを上抜けても、4120ドル付近まで低下している21日線で反落する可能性がある。逆にこの移動平均線を突破すれば、先週から相場の反発を止めてきた上限予想の4135ドルをトライする展開となろう。4120-4135ドルをレジスタンスゾーンと想定し、その上限にあたる4135ドルを今週の上限と予想する。
注目水準:レジスタンス
・4135ドル:上限予想
・4120ドル:21日線
・4100ドル:節目水準
・4080ドル:レジスタンス転換が焦点に
・4040ドル:レジスタンス転換が焦点に
注目水準:サポート
・3983ドル:直近安値
・3942ドル:6月30日安値
・3900ドル:下限予想
【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降
金価格 4時間足チャート:6月以降
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