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金価格見通し:FOMC議事要旨で米ドル高再燃も、急反落警戒、想定レンジ4000〜4300ドル

金価格の短期見通し。FOMC議事要旨で米利上げ観測が再燃すれば、実質金利の高止まりと米ドル高を背景に、金価格の下落を警戒したい。今週10日までの想定レンジは4000〜4300ドル。IG証券のアナリストが注目水準を解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • FOMC議事要旨でタカ派的な議論が確認されれば利上げ観測が再び強まり、外為市場では米ドル高の再燃が予想される
  • 原油安で米国の期待インフレ率(BEI)は低下する一方、名目金利は高止まり。実質金利の上昇が、金利を生まない金の逆風となっている
  • 6月雇用統計後の一時的な米ドル安が金の買い戻しを支えた。ただしこの反発は下降トレンド内の調整とみる。今週10日までの金価格(XAU/USD)の想定レンジは4000〜4300ドル

金、弱気地合いの中の買い戻し

6月下旬に金価格(XAU/USD)は、心理的節目の4000ドルを何度か割り込んだ。しかし7月に入り反発が強まり、6日には一時4200ドルを回復した。

反発のきっかけは2日発表の6月米雇用統計だった。非農業部門雇用者数は前月比5.7万人増と、ブルームバーグ予想の11.3万人を大きく下回った。4〜5月分も計7.4万人下方修正された。早期の米利上げ観測が後退し、外為市場は米ドル安で反応。金を下支えした。

ただし筆者は、この反発を「弱気地合いの中の買い戻し」と見る。鍵を握るのは米ドルの動きだ。

金価格 30分足チャート:6月下旬以降

金価格 30分足チャート:6月下旬以降 TradingView提供のチャート

原油安でも米ドル高、焦点は中東有事からFRBへ

米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)のトレンドを日足チャートで確認すると、21日線がサポートラインとなり、6月雇用統計を受けた米ドル安の流れを止めた。また、100.50レベルではサポート転換の兆しが見られる。

ドル指数 日足チャート:2026年1月以降

ドル指数 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

注目すべきは、原油安のなかで米ドル高が進行していることだ。原油安はインフレ期待の後退要因であり、実際に米国の期待インフレ率(BEI)は低下している。

一方、名目金利の低下は限定的だ。10年債利回りは4.4%台、2年債利回りは4.1%台で高止まりしている。BEIの低下と名目金利の高止まりを受け、米国の実質金利は上昇基調にある。この動きに連動し、ドル指数(DXY)も右肩上がりのトレンドチャネルを維持している(上の日足チャート参照)。

3月は中東情勢の緊迫で「原油高→有事のドル高」が進んだ。しかし、今の米ドル高を支えるのは実質金利だ。そして実質金利を左右する要因の一つが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測となる。

米国の実質金利とドル指数の動向 日足:2026年1月以降

米国の実質金利とドル指数の動向 日足:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

その利上げ観測を動かす今週最大の材料が、8日(日本時間9日午前3時)のFOMC議事要旨だ。

6月の経済見通し(SEP)では、政策金利見通しの中央値が3.4%から3.8%へ上方シフトし、年内利上げが意識される局面にある。議事要旨が“タカ派”となれば、利上げ観測が再燃しよう。

5月以降、2年実質金利とドル指数の順相関(上のチャート左)と金価格との逆相関(下のチャート)が加速している。”タカ派”議事要旨での金価格の急反落を警戒したい。

米国2年実質金利と金価格の動向 日足:2026年1月以降

米国2年実質金利と金価格の動向 日足:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

金価格のチャート分析、想定レンジ4000〜4300ドル

金価格(XAU/USD)のトレンドを日足チャートで確認すると、買い戻しは21日線に止められた。日足ローソク足を下回る一目均衡表の遅行線、MACDとRSIのトレンドも地合いの弱さを示唆している。「弱気地合いの中の買い戻し」が続いたとしても、上値は限定的と予想する。

目先の上限として意識したいのが4300ドルだ。3月高値と6月安値のフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(4291ドル)にあたり、直下には、レジスタンスラインとして意識されている一目均衡表の基準線が推移している。また、今週は短期レジスタンスラインが4300ドルと交差する。テクニカル面で4300ドルは上限として意識されやすい。

4300ドルをトライするサインとして注目したいのが、4時間足チャートの4200ドルと4270ドルの攻防だ。両水準はいずれも2本のフィボナッチ・リトレースメントが重なり、反発を止める可能性がある。まずは4200ドル、続いて4270ドルを上抜ければ、上限予想4300ドルをトライする展開を想定したい。21日線の突破は4200ドルをトライするサインとなろう。

注目水準:レジスタンス
・4300ドル:上限予想
・4291ドル:23.6%戻し(日足)
・4270ドル:半値戻し、76.4%戻し(4時間足)
・4200ドル:38.2%戻し、61.8%戻し(4時間足)
・4180ドル:21日線

FOMC議事要旨が“タカ派”の内容と受け止められる場合、金価格の急反落を警戒したい。9日の週間新規失業保険申請件数で雇用市場の底堅さも確認されれば、その可能性がより高まろう。

まずは、4時間足チャートの4120ドル、4080ドル、4040ドルの攻防に注目したい。いずれもサポート転換が焦点となる水準だ。4040ドルの下方ブレイクは、4000ドルをトライするサインとなろう。

6月下旬以降、相場をサポートしている4000ドルを今週10日までの下限と想定し、下方ブレイクする場合は、サポートラインとして意識された3960ドルのトライを意識したい(4時間足、青矢印を参照)。

注目水準:サポート
・4120ドル:サポート転換が焦点に
・4080ドル:サポート転換が焦点に
・4040ドル:サポート転換が焦点に
・4000ドル:下限予想
・3960ドル:重要サポートライン

金価格 日足チャート:2026年1月以降

金価格 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

金価格 4時間足チャート:5月下旬以降

金価格 4時間足チャート:5月下旬以降 TradingView提供のチャート

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