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金価格見通し(10/22): 200ドル超す急落、焦点は4000ドルの攻防

21日の取引で金価格が急落。目先の展望と注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

21日の取引で金価格が前日比200ドル超急落した(5.3%安)。22日のアジア時間では4000ドルで反発するも、調整売りの継続を警戒したい。しかし、主要金ETFへの資金流入が続いている。米ドル不信と中国をはじめとする中央銀行の金購入継続の可能性も考えるならば、金の下落局面は押し目買いの好機と捉えたい。変動拡大を想定し、今週24日までの予想レンジは3900ドル~4300ドル。目先は4000ドルの攻防がトレンドを左右するだろう。



過熱冷ます急落、4000ドルの攻防に注目

21日の取引で金価格が急落した。RSIとストキャスティクスが示す相場の過熱感(買われ過ぎ)、米中貿易協議の進展期待、そして米ドルの買い戻しなど複数の要因が重なったことで調整売りが加速し、前日比5%超急落した。下げ幅は200ドルを超えた。

昨日の急落は相場の過熱感を冷ました。しかし、それでも年初来の上昇率はレポート掲載時点で56%高と、急落に直面してなお過熱感が意識されやすい状況にある。新たなサポートラインの水準が明確になるまでは、調整売りを警戒したい。

22日の取引で金価格は、20日線と短期サポートラインを下方ブレイクし、節目の水準4000ドルをトライする局面が見られた。一目基準線が推移している4000ドルが新たなサポートラインとなる場合は、後述するレジスタンスラインの攻防に注目したい。一方、4000ドルを完全に下方ブレイクする場合は、3900ドルのトライが焦点に浮上しよう。

金価格の日足チャート:2025年9月以降

金価格の日足チャート:2025年9月以降

TradingView提供のチャート


下落は押し目買いの好機

昨日の急落は相場の過熱感を冷ました一方で、新たなサポートラインが明確になるまでは短期売りを意識したい。しかし、下落の局面は押し目買いの好機と筆者は考えている。

その理由の一つが、金ETFへの資金流入である。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週間ベースの資金フローデータによれば、10月17日週の主要な金ETFへの流入額は44億ドルに達した。2月17~21日週の43.4億ドルを超え年初来最大を記録した。

主要金ETFの資金フロー:2025年以降

主要金ETFの資金フロー:2025年以降

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータを基に作成 / 2025年10月17日週まで

詳細を見ると、時価総額が最も大きいSPDR Gold Shares(GLD)への流入額が40.8億ドルと、前週(10月6~10日週)の3.3億ドルから急増した。iShares Gold Trust (IAU)も1.5億ドルから3.2億ドルへ増加した。

注目すべきは、9月以降、これら金ETFへの流入額が増加の傾向にあることだ。この動きは、10月17日のIGコモディティレポートで取り上げた3つの上昇要因と米ドル不信にあると筆者は考えている。

金ETFの資金フロー:2025年4月以降

金ETFの資金フロー:2025年以降

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータを基に作成 / 2025年10月17日週まで

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また、米国と対立関係にある国々が、経済安全保障の観点から外貨準備の多様化を目的に金の保有量を増やす可能性が高いことも中長期的に金相場を支えるだろう。実際、米国との貿易摩擦問題に直面する中国は金の保有量を増やしている。中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した9月末の外貨準備の内訳によれば、金の保有量は約2303トンと前月末から1トン積み増し、11カ月連続の増加となった。ロシア、ブラジル、インドなど米国との火種を抱えている国々も中国に追随し金の購入に動くことが予想される。


金価格のチャート分析

4000ドルの攻防
金価格は、節目の水準4000ドルをトライする状況にある。この水準には日足の一目基準線が推移し、レポート掲載時点ではこのテクニカルラインが下値支持線として相場を支えている。4000ドルがサポートラインに転換するかどうかの見極めが、目先の焦点となろう。

調整売りの継続で金価格が4000ドルを下方ブレイクする場合は、現時点での10月高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準3950ドルを視野に下落幅の拡大を想定したい(4時間足チャートを参照)。このテクニカルラインを下方ブレイクする場合は、直近の高値4380ドルから約10%下の3900ドルの維持が焦点に浮上しよう。今週は、この水準を予想レンジの下限と想定したい。

「山高ければ谷深し」の格言がある。金価格が3900ドルをも下方ブレイクする場合は、調整売り継続のサインとなろう。この場合は、3800ドルのトライを意識したい。この水準は、もう一つのフィボナッチ・リトレースメント76.4%水準(3805ドル)に当たる(4時間足チャートを参照)。また、レジスタンスラインからサポートラインに転換する可能性がある重要な水準でもある(日足チャート、青矢印を参照)。

サポートライン
・4000ドル:一目基準線
・3950ドル:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・3900ドル:予想レンジの下限
・3800ドル:サポート転換の可能性あり

4300ドルの再トライ
4000ドルまで急落した金価格だが、レポート掲載時点では反発のムードにある。日足ローソク足では長い下ヒゲが確認できる。昨日の急落が一過性となる場合は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

最初の焦点は4200ドルへの再上昇となろう。4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4147ドル、そしてレジスタンスラインに転換する可能性がある4185ドルの攻防に注目したい。後者のラインを突破する場合は、4200ドル台の攻防を想定したい。

4200ドル台の攻防では、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準4237ドル、76.4%の水準4292ドルの攻防が焦点となろう。後者のラインの突破は、4300ドルをトライするサインと捉えたい。この水準を今週の上限と想定したい。

レジスタンスライン
・4300ドル:予想レンジの上限
・4292ドル:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・4237ドル:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・4200ドル:レジスタンスライン
・4185ドル:レジスタンス転換の可能性あり
・4147ドル:フィボナッチ・リトレースメント38.2%


金価格の日足チャート:2025年9月以降

金価格の日足チャート:2025年9月以降

TradingView提供のチャート

金価格の4時間足チャート:9月中旬以降

金価格の4時間足チャート:9月中旬以降

TradingView提供のチャート


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