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豪中銀は利上げ見送りか 4日政策金利決定 サプライズなら豪ドル高も

豪中銀は7月4日の理事会で利上げを見送るとの見方が優勢だ。物価上昇の落ち着きが理由だが、3回連続サプライズの可能性も。

出所:ブルームバーグ

オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)が4日に開く理事会に関して、3会合ぶりに利上げが見送られるとの見方が優勢になっている。6月下旬に発表された5月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を大きく下回り、中国経済の先行き不透明感も強まる中で、RBAが物価動向の見極めに時間をかけるとみられているもようだ。ただしRBAはこのところ「サプライズ利上げ」を繰り返しており、理事会の結果次第では豪ドルの対円相場に値上がり圧力がかかる可能性もある。

豪中銀は日本時間7月4日午後1時30分に政策金利を発表

RBAは日本時間4日午後1時30分に理事会の結果を発表する。金融情報会社リフィニティブによると、4日の利上げ見送りについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間3日午後4時現在で約63%と見込まれている。また、ロイター通信が6月30日に行ったエコノミスト調査では、31人中16人が0.25%利上げ、15人が利上げ見送りを予想しており、意見が割れている。

RBAは4月の理事会で11会合ぶりに利上げを見送った後も物価上昇率の高さを警戒し、5、6月は連続で0.25%の利上げを行い、政策金利を4.10%にした。一方、6月28日に発表された5月のCPIは総合指数の伸び率が前年同月比5.6%で、4月の6.8%から大きく減少。市場予想の6.1%も下回った。このため、金融市場ではRBAが4月と同様、7月の利上げを見送って物価動向の先行きを見極めるとの見方が強まっているようだ。

また、オーストラリア経済と結びつきが強い中国経済は4-6月期に入って勢いが衰えている。財新・S&Pグローバルが3日発表した6月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.5で、景況感改善を示す基準である50を上回ったが、5月の50.9からは低下した。中国経済の減速はオーストラリア経済を下押しし、物価上昇圧力を弱める可能性がある。

豪中銀の5月と6月の利上げはサプライズ

ただし5月のCPIを価格変動が大きい果物、野菜、ガソリンと休暇旅行の料金を除いたコア指数でみると伸び率は6.4%となり、4月の6.5%からの低下はわずかだ。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は利上げで物価上昇と闘う姿勢を強調しており、RBAもFRBやECBと足並みをそろえる可能性もある。RBAの5、6月の利上げ実施は、いずれもエコノミストの事前予想に反するサプライズだった。

オーストラリアの消費者物価指数(CPI、総合、コア)の推移

リフィニティブのデータによると、豪ドル円相場(チャート)は6月19日に1豪ドル=97.66円を付けた後、20日の中国人民銀行の利下げが中国経済の先行き不安を示す材料と受け取められたり、28日の5月のCPIが予想以上に弱かったりしたことから、96円台後半で上値が抑えられる展開が続いている。RBAが4日に利上げを決めれば、3回連続でのサプライズと受け止められ、円安豪ドル高が進む可能性もありそうだ。


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