豪ドル円に底堅さ 10日連続94円台 貿易収支などで豪ドル高も
豪ドル円相場は94円台での値動きが継続。RBAによる利下げは織り込み済みとみられ、5月CPIの弱さも豪ドル安にはつながらなかった。

豪ドル円相場が底堅さを見せている。豪ドル円相場は日本時間30日午前の取引では1豪ドル=94円台半ばで推移。ニューヨーク市場の終値ベースでは27日まで10営業日連続での94円台が続いており、値動きが小さくなっている。25日に発表されたオーストラリアの5月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇率が市場予想を下回ったものの、大きな豪ドル安にはつながっておらず、7月7、8日のオーストラリア準備銀行(RBA)による利下げはすでに織り込まれているもようだ。豪ドル円相場の今後の見通しをめぐっては、2日発表の小売売上高や3日発表の貿易収支でオーストラリア経済の強さがみられた場合に、豪ドル高圧力が強まる可能性がある。
豪ドル円相場は94円台で推移 終値では10営業日連続
豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間30日午前11時23分時の段階で1豪ドル=94.21円で取引されている。ブルームバーグによると、27日のニューヨーク市場の終値は94.47円で、16日の終値(94.43円)から10営業日連続での94円台だった。

オーストラリアの物価上昇率は2.1%に低下 豪ドル安は進まず
オーストラリア経済をめぐっては25日に発表された5月CPIの総合指数の伸び率が前年同月比2.1%となり、前月(4月)の2.4%から物価上昇が鈍化。ブルームバーグがまとめた市場予想の2.3%も下回った。また変動幅が大きい品目を除いた刈り込み平均での上昇率は2.4%で、やはり前月(2.8%)から物価上昇がペースダウンしている。総合指数の伸び率はRBAが目標とする2-3%の範囲に10か月連続で収まっている。


オーストラリア中銀の7月利下げは織り込み済み 強い経済指標で豪ドル高も
豪ドルの値動きが小さくなっている背景にはRBAが7月8日まで開く理事会での利下げがすでに織り込まれていたことがありそうだ。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれている7月理事会後の政策金利の水準は5月CPI発表前の段階から3.64%前後で推移しており、現状の政策金利の3.85%からの0.25%利下げがほぼ確実視されていた。また金融市場ではすでに年末までに7月も含めて3回の利下げが見込まれている。RBAは5月19、20日の理事会での声明文で、物価上昇鎮静化に自信を示していた。

豪ドル円相場の今後の見通しをめぐっては、7月2日に発表されるオーストラリアの5月小売売上高や、3日に発表される5月の貿易収支が注目される。これらの経済指標でオーストラリア経済の強さが示された場合には、これまで高まってきたRBAの利下げ期待が後退することで豪ドル高が進行する要因になることも考えられそうだ。一方、小売売上高や貿易収支がオーストラリア経済の弱さを示した場合には、5月CPI発表時と同様に値動きへの影響が限定的になることも想定される。ただし、経済指標の悪化度合いが大きければ、現状以上に利下げの折り込みを進める豪ドル安要因になることもありえる。
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