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米国株、雇用統計後の見通しは? S&P500勢い不足 利下げに期待も

5日発表の8月雇用統計は想定内の悪さならS&P500の好材料。一方、想定外の結果は、内容が良くても悪くても下落圧力になる可能性がある。

米国株、雇用統計後の見通しは? S&P500勢い不足 利下げに期待も 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に雇用統計前の緊張感が出ている。S&P500種株価指数の3日の終値は前日比0.51%高。3営業日ぶりの反発ながら勢いは乏しく、最高値更新の期待は高まらなかった。5日に発表される8月雇用統計は非農業部門の就業者数の増加が小幅にとどまると予想されており、投資家心理を重くしていそうだ。ただ、3日の値動きでは、アルファベットなどの大手ハイテク株が堅調で、投資家の楽観も感じられた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待も強まっており、S&P500を下支えする要因になっている。こうした中、8月雇用統計が「想定内の悪さ」に留まった場合には、FRBの利下げへの期待が株価を上昇させることも考えらえる。一方、労働市場の極端な悪化や、想定外の強さが示された場合には、米国経済の先行きへの懸念やFRBの利下げ見通しの後退が、S&P500を急落させるシナリオも考えられそうだ。

【関連記事】米国株、雇用悪化で急落リスク拡大 S&P500頭打ち エヌビディア転落(2025年9月6日)

アメリカのS&P500は3営業日ぶり反発 勢い不足で最高値には戻らず

S&P500(SPX)の3日の終値は6448.26。3営業日ぶりの上昇となったものの、直近2営業日での合計1.33%安の下落は取り戻せず、8月28日につけた最高値(6501.86)からは0.82%安の水準となっている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

8月雇用統計は就業者数が7.5万人増の見通し 失業率も悪化の予想

S&P500が勢いづかない背景には、5日午前8時30分(日本時間5日午後9時30分)に発表される8月雇用統計への警戒がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、非農業部門の就業者数は前月比7.5万人増となり、7月の7.3万人増に続く低い伸びとなる見通し。また、失業率は4.3%となって、7月(4.2%)から悪化すると見込まれている。平均時給の伸び率は前年同月比3.7%と予想され、7月(3.9%)よりも低くなりそうだ。これらの市場予想はいずれも労働市場の弱さを示す数字。1か月前に発表された7月雇用統計が低調な内容だった際は、S&P500が前日比1.60%安となり、2か月半ぶりの大きな下落率を記録した。

アメリカの雇用統計の推移のグラフ

労働市場の弱さは3日に発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)の結果でもみられた。非農業部門の求人件数は718.1万件で、ブルームバーグがまとめた市場予想の738.0万件を下回っている。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が2日に発表した8月の製造業景況感指数(PMI)は48.7で、こちらも市場予想(48.9)を下回り、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策によって製造業の経済活動が下押しされているとも受け止められている。

アメリカの雇用動態調査(JOLTS)の推移のグラフ
ISMの製造業PMIの推移のグラフ

アルファベットは9.14%の急騰 大手ハイテク各社は堅調な値動き

ただ、3日の金融市場では投資家の楽観も感じられた。ブルームバーグによると、S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株では、アルファベットの株価(GOOGL)が前日比9.14%高となり、トランプ氏が相互関税の一部停止を発表した4月9日(9.68%高)以来の大きな上昇率を記録。2日の取引時間終了後に、アルファベット子会社のグーグルのウェブブラウザー「クローム」をめぐる反トラスト法(独占禁止法)訴訟で、ワシントンの連邦地裁がクロームを売却する必要はないと判断したと伝わったことが好感された。このほか「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社の中ではアップル(AAPL)やテスラ(TSLA)など6社が値上がり。唯一下落した半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)も0.09%安に留まっている。

エヌビディア、アルファベット、アップル、テスラ、マイクロソフト、アマゾン・コム、メタ・プラットフォームズの株価の推移のグラフ

ウォラー理事が9月利下げを支持 9月利下げ期待深まる

3日にはS&P500への追い風となるFRBの利下げへの期待も強まった。FRBのクリストファー・ウォラー理事は3日、米CNBCでのインタビューで、労働市場が急激に悪化した場合には「次の会合で利下げを始める必要がある」と述べている。またセントルイス連銀のアルベルト・ムサレム総裁は3日の首都ワシントンでの講演で、長期間仕事を見つけられない失業者の割合の高さや、景気変動の影響を受けやすい労働者層の失業率が上がっていること、就業者数の大幅な下方修正などに言及し、「労働市場の下振れリスクへの注意をさらに強めている」と話した。ブルームバーグによると、9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3日時点で4.092%と見込まれ、前日よりも低くなっている。

FRBの政策金利の水準の見通しの推移のグラフ

8月雇用統計が想定内の悪さならS&P500は上昇か 意外な結果で急落のリスクも

こうした中、5日発表の8月雇用統計が想定内の悪い結果だった場合には、利下げへの期待がS&P500を上昇させることも考えられそうだ。FRBのジェローム・パウエル議長は8月22日のワイオミング州ジャクソン・ホールでの講演で労働市場悪化を踏まえたうえで9月利下げの可能性を示し、この日のS&P500は前日比1.52%高となった。8月雇用統計後、9月の利下げが0.5%幅になるとの予想や、10月以降も利下げが続くことの確度が強まれば、投資家心理を上向かせる要因になる。

一方、8月雇用統計が想定を超える悪さだった場合には、1か月前の7月雇用統計発表時と同様に、米国経済の見通しへの不安が投資家心理を冷やすことが考えられる。さらに、労働市場の底堅さが示された場合にも、FRBの利下げ期待を後退させるS&P500にとっての悪材料になりそうだ。1年前、FRBが0.5%利下げを決める半月前に発表された2024年8月雇用統計は就業者数の増加が市場予想を下回りつつも、失業率は前月から改善したことで利下げ見通しは強まらず。S&P500は前日比1.73%安となった。

米国の株式市場では9月は株価が不振に見舞われる月として知られ、投資家心理は揺れやすい。S&P500の雇用統計後の見通しは、FRBの利下げ期待がどう変化するかにかかってきそうだ。


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