アップルの株価は決算発表前の最高値から10%安。半導体不足や為替相場が逆風となっており、7-9月期の業績は苦戦することになりそうだ。
アップルの株価に急落懸念が続いている。アップルの株価の11日の終値は2日続落の1.09%安で、7月下旬につけた最高値から10%安の水準。2026年4-6月期決算発表がきっかけとなった株価急落から抜け出せないでいる。アップルは主力製品であるスマートフォンのiPhone(アイフォン)などの販売が、半導体不足から受ける悪影響が大きくなっているとしており、次期モデルの発表が見込まれる7-9月期の成長にブレーキがかかりそうだ。一方、アップルはこれまでのアイフォン17の人気拡大を背景として、有料サービスの加入者数が15億人を突破。サービス事業の成長が端末販売の成長が苦しむ中でも業績を下支えする可能性がある。ただ、アップルは外国為替市場の値動きの悪影響も大きくなっており、7-9月期はサービス事業の成長も減速するもよう。アップルの株価にとっては悪材料が積み重なっている状況で、今後も株価の急落が進む恐れがある。
アップルの株価(AAPL)の11日の終値は前日比1.09%安の304.91ドル。前日の1.62%安に続く値下がりで、3日につけた303.42ドル以来の安値となった。11日終値は、7月28日につけた最高値(340.08ドル)との比較では10.34%安の水準だ。アップルの株価は4-6月期決算発表の翌日にあたる7月31日に7.35%安の急落を記録し、その後も下落基調が続いている。
アップルの4-6月期決算は総収入が前年同期比16.4%増の1094.17億ドルで、前四半期(1-3月期)の16.6%増と同程度の成長を維持。1株当たり利益(EPS)は28.7%増の2.02ドルで、5四半期連続で前四半期から成長が加速した。ブルームバーグがまとめた市場予想は総収入が1088億ドル、1株当たり利益が1.89ドル。発表された結果はいずれも市場予想を超える結果だった。
好業績にも関わらずアップルの株価が急落したのは、7-9月期の業績見通しが投資家の期待の応えられなかったためだ。アップルのケビン・パレクCFOは決算会見で7-9月の総収入の成長率について「9-11%増」の範囲を示し、市場予想の12.1%増を下回った。7-9月期の粗利益率は関税の払い戻しによる好影響を含めて47-48%になるといい、同じ基準でみた4-6月期の実績(50.1%)から大きく低下することになる。4-6月期の粗利益率は関税払い戻しの効果を除いたベースでは48.1%だった。
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アップルのティム・クックCEOは決算会見で7-9月期の業績について、供給能力不足から生じる影響は「前四半期との比較で大幅に増す」と説明。アイフォンやパソコンのMac(マック)、タブレット端末のiPad(アイパッド)の販売にとっての逆風になるとしている。アップルは7-9月期のアイフォンの販売金額の伸び率は「前年同期比10%台半ば」との見通しを示しており、4-6月期の21.7%増まで3四半期連続で続いた20%超の成長が途絶えることになる。アップルが9月に発表するとみられるアイフォンの次期モデルは逆風の中での船出となりそうだ。
またクック氏は決算会見で、メモリ半導体の価格高騰についても言及。4-6月期にメモリ半導体のために払った費用は1-3月期よりも大幅に大きく、7-9月期に払う費用は「さらに大きくなる」としている。在庫によるコストアップの抑制効果も薄れてきているといい、粗利益率の低下の要因となった。
一方、アップルの業績をめぐっては、これまでのアイフォン17の好調を背景とした顧客基盤の拡大が好材料だといえる。世界中で使用されているアップルの端末数は25億台にのぼり、個人向けのクラウドサービスや動画、音楽配信といった有料サービスの加入者数は15億人を超えているという。サービス事業の4-6月期の収入は前年同期比12.1%増の307.39億ドルで、12四半期連続で10%台の成長を記録した。サービス事業の収入は半導体不足による制約を受けにくく、アップルの今後の成長を下支えすることも期待できる。
ただ、アップルには半導体不足と合わせて外国為替市場の動向も悪材料として浮上している。パレク氏は決算会見で、7-9月期の前年同期比での成長率を4-6月期と比較した場合、為替レートによって2.5%ポイント程度の押し下げ効果が出ると想定していると説明。サービス事業の成長率は10%割れの可能性が出ているといえそうだ。ブルームバーグのデータによると、7月以降の外国為替市場では、ドルは円に対して前年7-9月期比9.3%のドル高、ユーロに対しても2.0%のドル高となる一方、中国の人民元に対しては5.6%のドル安となっている。
アップルは半導体不足と為替相場の両方が業績の逆風となる中、成長加速の難易度が増しているといえる。アップルの株価の今後の見通しをめぐっては、株価浮上のきっかけが得られないまま、急落が進む恐れもありそうだ。
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