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米国株 週間見通し(11/10週):ナスダック3%安 AI相場に暗雲、下値の見極めが焦点に

暗雲漂う米AI相場。今週のナスダックも調整売りを警戒したい。焦点は新たな下値水準の見極めとなろう。米国テク株100の重要チャート水準をIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 先週の米主要3指数は下落した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数と100指数はともに3%安で終えた
  • 米AI相場に暗雲が漂い始めている。しかし、7日の市場ではエヌビディアやアマゾンの押し目買いに支えられ、取引後半にナスダックの下げ幅が縮小。市場参加者は新たな下値の水準を見極めようとしている。今週も主力のAI銘柄が米国株を主導するだろう。ナスダック100の変動拡大を警戒
  • ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」の調整売りが続く場合、24500の攻防に注目したい。この水準は先週7日の下落を止めた重要ライン。下抜ければ下落拡大を警戒したい。一方、反発の局面では25日線の突破を確認したい。今週の予想レンジは24230~25700



ナスダック3%安、AI相場に暗雲

先週(11月3日~7日)の米株式市場で主要3指数が下落した。主力AI株の割高感懸念と雇用不安が市場を圧迫した。

AI半導体大手エヌビディア(NVDA)は先週7%下落し、50日線と180ドルを下方ブレイクする局面が見られた。バリュエーション懸念が意識されているパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は11%の下落で終えた。

調整の波はオラクル(ORLC)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)など主要なAI銘柄にも波及。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数とナスダック100指数はともに3%安で終え、米株高を主導してきたAI相場に暗雲が漂い始めている。

ナスダック指数とAI銘柄の変動率:11月3日~7日

ナスダック指数とAI関連銘柄の変動率:11月3日~7日

ブルームバーグのデータを基に作成


雇用市場と消費者心理にも暗雲

米再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの調査によると、10月の人員削減数は前年同月比2.8倍の15万3074人となり、10月として2003年以来の高水準を記録した。

人員削減数:各年10月の動向(2000年以降)

人員削減数:各年10月の動向(2000年以降)

Challenger, Gray & Christmas. /ブルームバーグのデータを基に作成

5日発表の10月ADP雇用統計は大企業の雇用増加で前月の減少から回復し、4.2万人増と市場予想の3万人を上回った。

しかし、企業規模別の状況を確認すると中小企業の雇用は減少傾向にある。大企業でも「AIリストラ」が進行しており、米雇用市場の先行きには不透明感が漂う。

ADP雇用統計 企業規模別の動向:過去1年間

ADP雇用統計 企業規模別の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成

消費者のセンチメントが悪化の傾向にあることが、ミシガン大学消費者態度指数で示唆された。11月(速報値)は50.3と、前月確報値の53.6から3.3ポイント低下。4カ月連続の前月比マイナスとなり、2022年6月以来の低水準へ落ち込んだ。

注目は所得階層別でも全体的に消費者センチメントの落ち込みが続いていることだ。長引く政府機関閉鎖の影響もあるが、先行景況感(見通し)も低下トレンドにあることを考えるならば、前述の雇用不安が影響している可能性がある。

ミシガン大学消費者態度指数:過去1年間

ミシガン大学消費者態度指数:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成

雇用不安と消費者センチメントの悪化は景気の先行きを強める要因となる一方、利下げ期待を高める要因でもある。今週以降の米株式市場では、どちらが重要視されるのか?この点の見極めが焦点の一つとなろう。前者であれば調整売り継続、後者であれば株価反発の要因となろう。

そして今週以降、もう一つの重要材料が主力AI銘柄の動向である。


AI銘柄 下値の見極めが焦点に

AI事業の核を担うのがデータセンターとクラウドビジネスである。アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)の3社はこれら事業への投資を加速させている。ゆえに市場の関心は、「投資に見合うだけの利益を出せるかどうか」に集まっている。

ブルームバーグがまとめた1株利益予想(予想EPS)のデータによれば、AI半導体で圧倒的シェアを確保するエヌビディア(NVDA)と同社製の半導体でAIインフラ事業の拡大を進める上記の3社の予想EPSは、いずれも増加の傾向を維持している。

各社 予想EPSの推移

各社 予想EPSの推移

ブルームバーグがまとめたデータを基に作成 / 予想EPS:12か月先

一方、先週の株価下落によりエヌビディアとアマゾン・ドット・コムの予想PERは低下に転じつつある。マイクロソフトのそれも低下に転じ割高感の修正が進んでいる。

今週もAI主力株の調整売りを警戒したい。しかし、、収益性の懸念が相場の「主要テーマ」とならない限り、下落相場は短期目線での押し目買いの好機となる可能性がある。事実、7日の米株式市場では、180ドル割れでエヌビディア株に買戻しが入った。アマゾン株は240ドル割での押し目買いに支えられ反発した。これら主力株の買い戻しを受け、取引後半にナスダック100の下げ幅が縮小した。これらの動きは、調整売りを警戒しながらも新たな下値の水準を見極めようとする投資家の心理を示唆している。

各社 予想PERの推移

各社 予想PERの推移

ブルームバーグがまとめたデータを基に作成 / 予想PER:12か月先


米国テク株100の週間展望とチャート分析

今週の展望
先週7日の主力株の買い戻しは、ナスダック100が強気地合いを維持する可能性を示唆した(下の30分足チャートを参照)。しかし、割高懸念が完全に後退したわけではない。前述の雇用不安と消費者心理の悪化も相場の重石となる可能性がある。今週のナスダック100は、新たな下値の水準の見極めが焦点となろう。同指数の株価指数CFD「米国テク株100」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

予想レンジの上限:25700
今週、米国テク株100の上昇局面では、25日線の突破が最初の焦点となろう。この移動平均線は7日の反発を止め、レジスタンスラインに転換する兆しが見られる。

25日線を突破すれば、1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。61.8%戻しの25312は、6日の取引終盤の反発を止めた水準である。76.4%戻しの25480はレジスタンスラインに転換する可能性がある。

10日線が下降トレンドに転じ25720台に低下している。直下の25703は、大陰線となった6日の高値水準にあたる。25700ラインを今週の上限と想定したい。

日足のMACDはデッドクロスとなり、10日線に連動し下降トレンドに転じている。RSIは50を下回る水準にある。いずれの動きも地合いの強さが後退していることを示唆している。米国テク株100の反発局面では、今回取り上げた上値水準での反落を警戒したい。

注目の上値水準
・25700:予想レンジの上限、11/6高値水準、10日線
・25480:76.4%戻し
・25312:61.8%戻し
・25253:25日線

予想レンジの下限:24230
今週も米国テク株100の調整売りが続く場合は、以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。焦点は、7日の下落を止めた24500の維持となろう。この日の日足ローソク足には長い下ヒゲが表れ急反発した。

まずは、50日線と日足のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し24850の攻防に注目したい。これらテクニカルラインを下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し24517のトライを意識したい。このテクニカルラインを24500ラインと想定したい。

利下げよりもバリュエーション懸念と景気懸念の方が意識され、米国テク株100の下げ幅が拡大する展開を想定しておく必要がある。24500のラインを完全に下方ブレイクする場合は、日足チャートのもう一つのフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し24230を視野に下落拡大を警戒したい。このラインでは、サポート転換が確認されている。24230を今週の下限と想定したい。

注目の下値水準
・24920:50日線
・24850:61.8%戻し
・24500:サポートライン、76.4%戻し(24517)
・24230:予想レンジの下限、61.8%戻し


米国テク株100の日足チャート:2025年9月以降

米国テク株100の日足チャート:2025年9月以降

TradingView提供のチャート

米国テク株100の1時間足チャート:11月5日以降

米国テク株100の1時間足チャート:11月5日以降

TradingView提供のチャート


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