米国株 週間見通し(9/22週):利下げ期待と高値警戒感が交錯、ナスダック予想レンジ23800~25200
ナスダック100は米連続利下げ期待が追い風となり3週続伸。米国テク株100の週間予想レンジは23800〜25200。強気維持なら次の節目25000のトライ、調整売りで反落する場合は24000の攻防に注目。重要チャート水準をIG証券のアナリストが詳細解説。

要点
ナスダック100は3週続伸。中小型株のラッセル2000にも買いが広がり、米株式市場の強気相場を維持。9月FOMCで0.25%利下げが決定され、10月の追加利下げ確率は90%台へ急上昇。AI相場に加えて、連続利下げ期待の高まりによる金融相場も相場を支える状況にある。警戒すべきは高値警戒感となろう。特にナスダック100は、この点が意識されやすい状況にある。同指数を原資産とする「米国テク株100」の週間予想レンジは23800〜25200。
ナスダックとラッセル2000の上昇が示唆すること
米国株は強気地合いを維持している。この点を示唆しているのがナスダックである。総合指数と100指数はともに3週続伸。S&P500も同じ状況にあるが、上昇率の推移を見るとナスダックは右肩上がりにある。
米株価指数の週間変動率:2025年5月以降

ブルームバーグのデータで作成 / 9月19日の週まで
ラッセル2000の動きも米国株の強気地合いを示唆している。先週18日の市場で、主要3指数に追随し最高値を更新した。大型ハイテク株と比べて出遅れ感のある中小型株にまで買いが広がる状況は、今の強気相場を支える土台となろう。
ラッセル2000の日足チャート:2020年以降

出典:TradingView
9月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)は、0.25%の利下げを決定した。また、年内に2回の追加利下げ見通しがドットプロットで示された。
注目は、市場が考える10月の利下げ確率の劇的な変化だ。この点をOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場で確認すると、10月と12月の利下げ確率が逆転している。9月前の10月予想確率は50~60%台での推移が続き市場に迷いが見られた。それが90%台へ急上昇している状況は、連続利下げに対する市場の期待が相当に高まっていることを示唆している。
米FOMC 10月と12月の利下げ確率の推移:2025年6月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場の予想確率(9/22 午前10時30分時点)
連続利下げの期待は、米金利の低下と上昇を抑制する要因である。米金利の低下(上昇抑制)はハイテク株の割高感を緩和し、借入依存度が高い中小企業にはポジティブな要因である。
労働市場と個人消費の先行き不透明感が高まる中、これらの指数が上昇している状況は、市場参加者が景気減速のリスクよりも金融緩和の効果を重視していることを示唆している。
ナスダック100の高値警戒感、調整売りを警戒
今週の米国株も強気地合いを維持することが予想される。しかし、ナスダック100は調整売りを警戒したい。高値警戒感が意識されやすい状況にあるからだ。
この点を日米欧の主要指数のパフォーマンスで確認すると、トランプ米政権が相互関税を発表した4月2日以降、ナスダック100は混乱相場を乗り越え上昇幅が拡大。AI相場と金融相場が重なり、9月19日時点で他の主要指数の上昇を上回る状況にある。
日米欧 主要指数の動向:2025年4月3日~9月19日

ブルームバーグのデータで作成 / 2025年4月2日を100とし指数化
2022年の下落相場を乗り越え、ナスダック100は2023年以降、「AI相場」がけん引役となり上昇幅が拡大してきた。その結果、PER(株価収益率)は現在過去5年平均の29.93倍を上回り、過去に調整売りが見られた30倍台へ上昇している。強気相場の中の突発的な調整売りを警戒したい。
ナスダック100のPER:2022年以降、2025年9月19日まで

ブルームバーグのデータで作成
米国テク株100の週間見通しとテクニカル分析
予想レンジの上限:25200
今のナスダック100は、AI相場と金融相場により強気相場の勢いが増している。今週もこのトレンドを維持する場合、同指数を原資産とする株価指数CFD「米国テク株100」は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
25260レベルが8月の高値と安値で算出したE計算値にあたる。すぐ下の水準25200レベルを今週の予想レンジの上限と想定したい。次の節目のライン25000の突破は、25200レベルをトライするサインと考えたい。
米国テク株100は現在、24600ラインの攻防にある。この水準が下値支持線(サポートライン)へ転換すれば、さらなる上昇のサインと捉えたい。この場合は、100ポイント幅で上値の水準を見極めることになろう。24900ラインの突破は、25000のラインをトライするサインとなろう。
レジスタンスライン
・25200:予想レンジの上限(日足)
・25000:心理的節目のライン(日足)
・24900:レジスタンスライン(4時間足)
・24800:レジスタンスライン
・24700:レジスタンスライン
予想レンジの下限:23800
前述の高値警戒感が強く意識され、米国テク株100が調整売りに直面する場合は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。
サポートラインへの転換が確認された23800レベルを週間の予想レンジ下限と想定したい(4時間足を参照)。米国テク株100がこのラインをトライするサインとして、4時間足チャートに示した3つの水準-①24400レベル、②24150レベル、③心理的節目のライン24000レベルの攻防に注目したい。
24400レベルの下には10日線が推移している。一方、20日線が24000ライン付近まで上昇している。米国テク株100の下落局面では、24400レベルと24000レベルの攻防により注目したい。
なお、後者の24000ラインは8月13日の高値水準にあたる(日足参照)。この水準がサポートラインへ転換する(20日線で反発する)場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。
サポートライン
・24400:サポートライン(4時間足)、下に10日線
・24150:サポートライン(4時間足)
・24000:心理的節目のライン(4時間足 / 日足)、上に20日線
・23800:予想レンジの下限(4時間足)
米国テク株100の日足チャート:2025年8月以降

出典:IG / TradingView
米国テク株100の4時間足チャート:9月以降

出典:IG / TradingView
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