米国株 週間見通し(19~23日):S&P500は7000視野もPCEで調整売り警戒
IG証券のアナリストによる米国株の週間見通し。S&P500の株価指数CFD「米国500」は心理的節目7000が視野に。PCE価格指数で調整売りも。
要点
- 今週のS&P500は高値圏でのレンジ相場を予想。株価指数CFD「米国500」は心理的節目の7000突破なるか。調整の反落局面では6850レベルの維持が焦点に
- 揺れるFRBの次期議長人事。ハセット氏の就任見通し後退。米利下げに不透明感。22日のPCE価格指数でインフレの粘着性が示される場合、米国500は調整売りを警戒したい
- 中小型株のラッセル2000は先週2%上昇。米金利の上昇を受けても中小型株に買いが入る状況は米株式市場の地合いの強さを示唆している。米国500の反落局面では押し目買いを考えたい
ハセット氏の就任観測後退、利下げ見通しに不透明感
今週の米国株は売り買いが交錯する展開が予想される。上値を抑制する要因として注目したいのが、米金利の動きと市場参加者の利下げ見通しだ。
トランプ大統領はロイター通信とのインタビューで、経済ブレーンであるケビン・ハセット氏に現職の国家経済会議(NEC)委員長にとどまって欲しいと述べた。トランプ氏への忠誠心が高いハセット氏の次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長就任の観測が後退したことを受け、16日の米債市場で国債利回りが上昇した。
米金利の15分足チャート:1月15日~16日
TradingView提供のチャート
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、早期の利下げ観測が徐々に後退している。1月16日時点では、今年最初の利下げ時期を早くて6月、7月以降にずれ込む可能性も意識され始めている。
米FOMC 利下げ数と政策金利の予想
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 1月16日時点
PCE価格指数を警戒、インフレ懸念で調整売りも
今週の注目材料は、22日の25年11月個人消費支出(PCE)価格指数だ。米FRBが重視するインフレ指標であり、市場の金利見通しに大きな影響を与える。
ブルームバーグがまとめた市場予想は、前月比は0.2%、前年同月比では2.8%。コア指数も前月比0.2%、前年同月比2.8%が予想されている。前年同月比のインフレ率は米FRBの目標2%を上回る水準で粘着する見通しだ。
PCE価格指数が予想以上に上昇する場合は、インフレ再燃の懸念を高める要因となろう。そうなれば、利下げ期待の後退を通じて米金利には上昇の圧力が強まることが予想される。インフレ懸念による金利上昇は、米国株の調整売り要因になり得る。
米国 PCE価格指数の動向:2025年以降
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 1月16日時点
地合いの強さを示唆するラッセル2000とボラティリティ指数
今週S&P500が調整売りに直面しても、下落は限定的と筆者は考えている。その理由の一つがラッセル2000の動向にある。
先週の米株式市場でS&P500、NYダウ、ナスダック総合の主要指数がいずれも下落する中、中小型株の指数であるラッセル2000は2%の上昇を記録した。
米金利の上昇を受けてなお中小型株に買いが入る状況は、株高のすそ野の広がりが現在の強気地合いを支えている重要なシグナルと捉えたい。
米株価指数の週間変動率:1月12~16日の週
ブルームバーグのデータを基に作成
また、VIXとVXNのボラティリティ指数はいずれも低い水準で安定的に推移している。米FRBを巡る不透明感にも米金利の上昇にも反応しないこの状況もまた、米株式市場の地合いの強さを反映した動きと言える。
VIX・VXNの日足チャート:2025年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
米国500の週間見通しとテクニカル分析
週間見通し
今週のS&P500は高値圏でのレンジ相場を予想する。同指数を原資産とする株価指数CFD「米国500」は、心理的節目7000がレジスタンスラインとして意識されよう。一方、PCE価格指数でインフレ懸念が高まる場合は調整売りを警戒したい。
だが前述した中小型株(ラッセル2000)とボラティリティ指数が示す地合いの強さを考慮すれば、下値は限定的と予想する。反落局面は押し目買いの好機と捉えたい。今週の予想レンジは6850~7030。
レジスタンス水準
・7030:今週の上限予想、フィボナッチ・エクステンション100%(7031)
・7000:心理的節目のライン
・6986:1月12日高値
・6979:1月15日高値
米国500が上値を目指す局面では、心理的節目7000の攻防が焦点となろう。15日の高値6979、12日高値6986のブレイクアウトは、7000をトライするサインと考えたい。
米国500が7000の節目ラインを完全にブレイクアウトし、かつこの水準がサポートラインに転換すれば上値余地が拡大しよう。フィボナッチ・エクステンション100%水準の7030レベルが次の上値ターゲットとなる。7030を今週の上限と予想する。
サポート水準
・6900:フィボナッチ23.6%戻し(6905)、25日線(6911)
・6890:フィボナッチ61.8%戻し(1時間足チャート)
・6850:今週の下限予想、50日線(6854)、フィボナッチ38.2%戻し
※移動平均線の水準:1月16日時点
米国500が調整売りに直面する局面では、6900の維持が最初の焦点となろう。このラインはフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準(6905)にあたり、かつ上の水準6911レベルには25日線が推移している。
米国500が6900を下抜ける場合は、昨年12月の下旬以降、サポートラインへの転換が確認された6850までの下落拡大を警戒したい。この水準はフィボナッチ・リトレースメント38.2%水準にあたり、上の水準6854レベルに50日線も上昇している。テクニカル面でも重要な6850を今週の下限と予想する。
14日の下落を止めた1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%水準6890の下方ブレイクは、6850をトライするサインと考えたい。
米国500の日足チャート:2025年11月以降
TradingView提供のチャート
米国500の1時間足チャート:年初来
TradingView提供のチャート
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