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米国株 今週の見通し(6/23週):S&P500予想5,800-6,070、米軍参戦で中東急変、調整売り警戒

米国株は底堅さを維持している。今週のS&P500も6,000ポイントの攻防が焦点となろう。しかし米軍のイラン攻撃で中東情勢が急変している。週明けの米国株は調整売りを警戒したい。S&P500に連動する株価指数CFD「米国500」の週間見通しと注目のテクニカルラインについてIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・中東リスクに直面しながらも米国株は強気地合いを維持している
・今週も米エネルギー株のボラティリティ拡大を想定、取引機会をとらえたい
・米軍がイランの核施設3か所を攻撃、週明けの反応を注視、調整売りを警戒
・米国500の週間予想レンジは5,800-6,070ポイント



底堅さを維持する米国株

6月第3週(16-20日)の米国株は底堅さを維持した。ダウ平均、ナスダック総合指数そしてラッセル2000は小幅に上昇して終えた。S&P500とナスダック100指数は小幅下落で終えた。

現在の米国株は、中東懸念と米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを巡る不透明感に直面している。それでも3指数が上昇した。特に市場の変調を先取りする特性がある中小型株のラッセル2000が上昇して終えた先週の動きは、米国株が強気地合いを保っていることを示唆している。

米株価指数の週間変動率:6月16~20日の週

米株価指数の週間変動率:6月16~20日の週

ブルームバーグのデータで筆者が作成

S&P500が対象のオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出されるVIXは現在、警戒水準とされる「20」を少し上回る水準にある。中東の地政学リスクがくすぶるなかでも、トランプ関税のリスクが意識された4月のようなパニック的な上昇は見られない(4月7日に一時60ポイントまで上昇)。この点はナスダック100が対象のVXNも同じである。

上述した株価指数の動きと同じく、これらのボラティリティ指数の動向もまた、投資家のリスク選好姿勢を示唆している。

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成


今週も米エネルギー株に注目

米国株は強気地合いにある。だが、イスラエルがイラン攻撃に踏み切った先週の13日以降、上昇しているのがエネルギーセクターのみである点には注意が必要だろう。

トランプ米政権は21日(日本時間22日早朝)、イランの核施設3か所を攻撃した(以下で詳述)。今週も中東情勢は米国株のメインテーマとなろう。エクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)など大手石油株のボラティリティの拡大が予想される。ボラティリティの拡大は取引機会を提供する。今週も米エネルギー株に注目したい。

S&P500のセクター別パフォーマンス:6月13日以降

S&P500のセクター別パフォーマンス:6月13日以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


米軍がイラン核施設を攻撃、「原油急騰→米金利上昇」による調整売りを警戒

米国株は強気地合いを維持している。しかし、上述したとおりエネルギーセクター以外は下落する状況にある。中東情勢次第では、米国株の調整売りを警戒したい。

その中東情勢が急変している。ホワイトハウスは先週19日、イランへの軍事行動についてトランプ大統領が2週間以内に決定を下すと発表した。そして21日(日本時間早朝)、トランプ米大統領は自身SNS「トゥルース・ソーシャル」でイランの核施設3か所-フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンを攻撃、成功したと述べた。

米東部時間21日午後10時(日本時間22日午前11時)、トランプ大統領は米国民に対して今回の攻撃について演説した。イラン攻撃の目的が同国の核濃縮能力の破壊だったこと、他の標的が残っており和平が実現しなければイラン攻撃を続ける姿勢を示した。また、イランが報復に出る場合は力で対抗すると述べた。

中東地域には約5万人の米軍が駐留している。米軍とイスラエル軍の攻撃でイランの反撃能力はかなり削がれたと予想される。しかし、米軍によるイラン攻撃で中東地域に駐留している米軍の基地や施設が報復の標的になる可能性が高まった。また、ホルムズ海峡とその周辺で戦闘が勃発すれば、原油価格の急騰を招こう。原油高はインフレ再燃の思惑を高めるだろう。米金利の上昇リスクも再び米国株のテーマに浮上することが予想される。

「原油急騰→米金利の急上昇」の展開となれば、高値圏にある米国株には短期的な調整売りの圧力が高まることが予想される。まずは週明けの株価指数CFDの反応を確認したい。

中東地域に駐留している米軍の規模

中東地域に駐留している米軍の規模

出典:ブルームバーグ


米国500の週間見通しとテクニカル分析

予想レンジ上限:6,070
S&P500の13週線が上昇トレンドへ転じている(週足チャート、青ラインを参照)。今週の予想レンジの上限は今月11日の高値6,070ポイントを想定。まずは、節目の6,000ポイントの突破が焦点となろう。

同指数が原資産の株価指数CFD「米国500」も同じく、6,000ポイントの攻防が焦点となろう。具体的には、先週20日の上昇を止めたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準6,018ポイントの攻防に注目したい。また、このテクニカルラインは今月17日以降、上値抵抗線としても意識されている。このテクニカルラインを突破すれば、今月16日の高値6,050ポイント攻防を想定したい。

米軍の中東介入で可能性は低下したが、予想レンジの上限6,070ポイントを突破する場合は、S&P500の2020年3月、2022年1月と10月の高安で算出されるフィボナッチ・エクステンション100%の水準6,118ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい(S&P500の週足チャート、緑矢印を参照)。

レジスタンスライン
・6,118:フィボナッチ・エクステンション100%(週足)
・6,070:予想レンジの上限、6月11日の高値水準(2時間足)
・6,050:6月16日の高値水準(2時間足)
・6,018:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(2時間足)

予想レンジ下限:5,800
トランプ米政権がイランの核施設を攻撃したことで、中東リスクのレベルがさらに上昇した。週明けの米国株は調整売りを警戒したい。情勢次第では続落を想定する必要もあろう。米国500の週間予想レンジ下限は5,800ポイントを想定。

米国500のトレンドをエリオット波動で確認すると、現在は修正波Cを形成する状況にある。上述したフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準6,018ポイントが上値抵抗線として意識されている状況も考えるならば、下落の局面では5,900ポイントの攻防が最初の焦点となろう。このラインを挟んで、5月23日の安値が基点の半値戻し(5,906ポイント)と5月30日安値が基点のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準(5,897ポイント)が展開している。

中東懸念による調整売りが進行し、米国500が5,800ポイント台へ下落する場合は、5月23日の安値が基点のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準5,868ポイント、5月30日の安値5,840ポイントの攻防に注目したい。後者の5,840ポイントの下方ブレイクは、予想レンジ下限5,800ポイントをトライするサインとなろう。

サポートライン
・5,900:半値戻しと76.4%戻しが重なるサポートライン
・5,868:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・5,840:5月30日の安値水準
・5,800:予想レンジの下限


S&P500のチャート

週足:2020年以降

週足:2020年以降

出所:TradingView

米国500のチャート

2時間足:5月下旬以降

2時間足:5月下旬以降

出所:IGチャート


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