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【米国株】エヌビディアの決算、FRB高官の発言、ナスダック100の新たなレジスタンスは

米国の主要な株価指数は最高値圏の攻防にある。ナスダック100(NDX)は20日、最高値を更新した。強気相場が続くなか、市場参加者はエヌビディア(NVDA)の決算に神経を尖らせている。そして今週は、FRB高官の発言にも注視する必要がある。これら重要イベントがナスダック100にとって理想的な内容となる場合、次に意識すべきレジスタンスの水準は?


サマリー

・米株価指数は最高値圏の攻防にあり、ナスダック100は20日に最高値を更新した
・強気相場が続くなか、市場参加者の関心はエヌビディアの決算に集中している
・FRB高官の言動に対する米金利の反応もナスダック100のトレンドを左右するだろう
・チャート分析の観点では、19,200ポイントのトライ&ブレイクとなるか?に注目したい


ナスダック100は最高値を更新

米国の主要な株価指数は4月の下落局面を脱し、最高値圏の攻防にある。

ナスダック100(NDX)は短期レジスタンスラインを突破し、20日の市場で一時18,700ポイント台へ到達した。そして終値ベース(18,674.19ポイント)で最高値を更新した。米金利が反発の基調にあるなかでの最高値更新は、ナスダック100の強気相場に勢いがあることを示唆している。

強気相場の勢いが増すなか、米国の半導体大手のエヌビディア(NVDA)が22日に1Qの決算を発表する。投資家の期待を上回る内容となれば、ナスダック100はさらに上値をトライする展開となろう。

ナスダック100のチャート:日足 今年3月以降

ナスダック100のチャート:日足 今年3月以降 TradingView提供のチャートで作成

エヌビディアの決算に神経を尖らせる市場

米国の半導体大手のエヌビディア(NVDA)が22日(日本時間23日早朝)に1Qの決算を発表する。

EPS(一株利益)と売上高のアナリストコンセンサス、および次回以降の四半期決算の利益予想は以下のとおりである(下のチャート、赤矢印を参照)。

エヌビディア 四半期決算のアナリストコンセンサス

エヌビディア 四半期決算のアナリストコンセンサス ブルームバーグのデータより筆者が作成 / 赤の棒グラフ:1Qのアナリストコンセンサス


AI需要の拡大に伴いデータセンター事業が堅調に推移すると予想されている。また、既存の画像処理半導体(GPU)「H100」の堅調な需要、そして演算処理の性能を高めた新GPU「H200」の需要拡大も予想されている。

今回の焦点は今後の見通しとなろう。投資家の期待を超える持続的な利益成長が示される場合、エヌビディアの株価は節目の1,000ドルに向かって上昇しよう。

エヌビディア株の上昇は、他の半導体銘柄やマグニフィセントセブンの株高をけん引しよう。


エヌビディアだけじゃない、注視すべきもうひとつのこと

市場参加者の関心はエヌビディア(NVDA)の決算に集中している。

しかし、今週はもうひとつのことにも注視する必要がある。それが、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官の言動である。

4月の米雇用統計は市場予想を下回った。同月の消費者物価指数(CPI)はインフレが抑制の傾向にあることを示唆した。それでも先週、ウィリアムズ・NY連銀総裁やバーキン・リッチモンド連銀総裁ら数人のFRB高官は、物価目標の2%に向かってインフレが低下すると確信を得るためには、まだ時間が必要と指摘した。

また、昨日、アトランタ連銀開催の会議に出席したバーFRB副議長は、第1四半期のインフレ指標について期待外れと評価し、金融引き締め政策が効果を発揮し続けるにはもう少し時間が必要との見解を示した。
米抵当銀行協会の会議に出席したジェファーソンFRB副議長からも、インフレ率が持続的に物価目標の2%向かう軌道に戻ったのかを判断するのは時期尚早と述べた。

FRB高官らの言動は、「インフレが低下しない」リスク対するパウエルFRBの警戒レベルの高さを示唆している。

21日以降もリッチモンド地区連銀のバーキン総裁、ニューヨーク地区連銀のウィリアムズ総裁、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁など、多くのFRB高官らが講演等に出席する。彼らの言動が総じて“タカ派”寄りと米債市場で捉えられる場合は、9月利下げの期待が再び後退しよう。

エヌビディアの決算が短期的な材料である一方、パウエルFRBの姿勢は中長期的に米国株のトレンドを左右する要因となる。ゆえに、彼らの言動に対する米金利の反応もエヌビディアの決算内容と同じく、ナスダック100(NDX)のトレンドに大きな影響を与えるだろう。

米金利のチャート:1時間足 5月以降

米金利のチャート:1時間足 5月以降 TradingView提供のチャートで作成

理想的なシナリオとナスダック100の新たなレジスタンス

理想的なのはエヌビディアの好決算と金利上昇の抑制

エヌビディア(NVDA)の決算、特に今後の利益見通しが投資家の期待を上回る場合、同社の株価は上昇で反応しよう。他のマグニフィセントセブンの銘柄もエヌビディアの上昇に追随することが予想される。

リスク要因は、FRB高官の“タカ派”発言が米金利の上昇圧力を高めることである。しかし、パウエルFRBの慎重姿勢は今に始まったことではない。年内の利下げを模索している状況も考えるならば、米金利の上昇が抑制される可能性があろう。

エヌビディアの好決算と米金利の上昇が抑制される展開は、ナスダック100(NDX)にとって理想的である。ゆえに強気派にとっても理想的なシナリオ(さらなる株高)が期待できる。

次のレジスタンスポイントは?

今週の重要イベントがナスダック100(NDX)の上昇要因となる場合は、節目の19,000ポイントのトライがレジスタンスの焦点として浮上しよう。

ナスダック100が19,000レベルの攻防となる場合、チャート分析の観点では「19,200レベル」のトライ&ブレイクに注目したい。この水準は、直近高安から算出されるN計算値の水準となる。

19,200レベルの突破は、さらなる上値トライのシグナルとなろう。

ナスダック100のチャート:日足 年初来

ナスダック100のチャート:日足 年初来 TradingView提供のチャートで作成

リスク回避のシナリオも想定しておきたい

23年以降の米株高は、「AIブーム」がけん引役となっている。エヌビディア(NVDA)はそのブームの先導役であるだけに、22日の決算が投資家の期待をはるかに下回る場合は、半導体セクター全体を中期的に押し下げるインパクトがあろう。

さえないエヌビディアの決算に加えて、FRB高官の言動で米金利の上昇幅が拡大する場合、ナスダック100(NDX)はリスク回避のシナリオを想定しておく必要がある。

この点については次回のIG米国株レポートで詳細に述べる。


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