【米国株】ナスダック100見通し(8/26):23000~24250予想、次の山場はエヌビディア決算
割高感がじわりと高まるナスダック100。強気相場の維持はエヌビディア決算次第となろう。株価指数CFD「米国テク株100」の見通しと注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・週明け25日の米国株は反落スタート、高値警戒感で調整売り
・割高感が高まるナスダック100、強気維持はエヌビディアの決算次第
・米国テク株100の予想レンジは23000~24250(29日まで)

ブルームバーグのデータで作成
じわりと高まるナスダック100の割高感、次の山場はエヌビディア決算
ハイテク株の動きに影響を受けるナスダック100も反落スタートとなった。しかし下落率は0.31%と、他の指数と比べて小幅だった(上のパフォーマンスチャートを参照)。パウエル講演で再び高まっている利下げ期待が、ハイテク株の下支え要因となっていることがうかがえる。
ナスダック100は強気相場にある。TACOトレード※が意識された4月中旬以降、上昇トレンドが加速し、年初来で11.5%上昇している(8月25日時点)。
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しかし、現在のナスダック100は短期的な上昇の過熱感が意識されやすい状況にある。ブルームバーグのデータによれば、株価収益率(PER)は33倍台まで上昇し、2023年以降の平均30.16倍を再び上回る水準にある。一方、株式益回り(PERの逆数)は3.0%へ低下し、米10年債利回りの4.27%を下回る状況にある。
ナスダック100の PERと株式益回り、米10年債利回り:日足 2023年以降

ブルームバーグのデータで作成 / 8月25日まで
ナスダック100にとって次の山場は、27日の2025年5~7月期(第2四半期)のエヌビディア(NVDA)決算となろう。22日のIG米国レポートで指摘したとおり、焦点はデータセンターの成長性と業績見通しにある。
今年のナスダック100のトレンドを日足チャートで確認すると、エヌビディア(NVDA)の動きが見事に一致している。エヌビディアの株価は、決算内容でトレンドが左右されていることが分かる。
この高い相関関係を考えるならば、エヌビディアの決算が投資家の期待を上回る場合は、高値警戒感を意識しながらもナスダック100の強気相場維持を想定したい。一方、エヌビディアの決算が投資家の期待を下回る場合は、ナスダック100の下落を予想する。
ナスダック100とエヌビディアの株価チャート:日足 2024年12月以降

出典:TradingView / ナスダック100はIG証券の「米国テク株100」
米国テク株100の見通しとテクニカル分析
予想レンジの上限:24250
エヌビディアの決算がナスダック100の上昇要因となれば、ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」、注目すべきは24000ラインの攻防と突破となろう。8月13日に23966レベルで上昇が止められた。米国テク株100が24000ラインを突破した後、この水準がサポートラインに転換すれば、フィボナッチ・エクステンション100%の水準にあたる24250レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。この水準を、29日までの米国テク株100の上限と想定したい。
米国テク株100が24000のラインを目指すサインとして、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準23580は、パウエル講演を受けた22日の株高を止めた水準である。フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しは、先週のIG米国レポートで注目したレジスタンスラインである。4時間足チャートの23800を突破した後、このラインが下値支持線に転換すれば、24000のトライを想定したい。
レジスタンスライン
・24250:予想レンジの上限、フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・24000:心理的節目のライン(4時間足)
・23800:レジスタンスライン(4時間足)
・23728:76.4%戻し(日足)
・23580:61.8%戻し(日足)
予想レンジの下限:23000
エヌビディアの決算が投資家の期待を下回る場合は、米国テク株100の下落を想定したい。29日に7月の米個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)が発表される。米FRBが注視する物価指数でインフレの粘着性が示される場合は、10月と12月の利下げ期待の後退要因になり得る。さえないエヌビディア決算と米利下げ期待の後退が重なれば、週後半の米国テク株100は下落幅の拡大を警戒したい。
29日までの予想レンジの下限は、先週のIG米国レポートでも取り上げたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる23000を想定したい。米国テク株100の日足チャートを見ると、先週20日から22日の3日連続で長い下ヒゲが表れ、23000レベルの底堅さを示した。
米国テク株100が23000ラインをトライするサインとして、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。半値戻しの水準23318レベルには一目基準線が推移している。
フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準23165のすぐ上の水準23180レベルには50日線が推移している。これらテクニカルラインの下方ブレイクは、23000ラインをトライするサインと捉えたい。
サポートライン:日足チャート
・23431:25日線
・23318:基準線、半値戻し
・23180: 50日線
・23165:61.8%戻し
・23000:予想レンジの下限、76.4%戻し
米国テク株100のチャート:日足 7月以降

出典:TradingView
米国テク株100のチャート:4時間足 7月以降

出典:TradingView
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