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アメリカ株、FOMCを無難に通過 輸出規制撤廃でエヌビディアの反発色強まる ナスダック100の見通し

米国株はFOMCを無難に通過し反発基地合いを維持している。米中交渉の期待とAI半導体を巡る輸出規制撤廃の方針が好感され、エヌビディアの株価は反発色を強めている。ナスダック100は200日線の突破が焦点に浮上している。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

概要

アメリカ株は、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過した。7日の主要な米株価指数は上昇して終えた。
米商務省は7日、バイデン前政権下で策定したAI半導体を巡る輸出規制案の撤廃を発表した。エヌビディアはこの日、前日比3%高で終え株価は反発色を強めている。主力の半導体株にも買いが入った。米中の通商交渉に対する期待が高まるなかでの輸出規制の撤廃は、エヌビディアだけでなく他の半導体株の押し上げ要因でもある。半導体株の動向はナスダック100のトレンドを左右するだろう。再び200日線をトライするムードにある。



FOMCを無難に通過、米中対立の緩和を意識する状況に

米連邦準備理事会(FRB)は7日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3会合連続の利下げ見送りを決定した。

声明文では経済見通しの不確実性について、”一段(further)”と高まっていると指摘した。また、失業の増加とインフレ進行のリスクが高まっているとした。パウエルFRB議長も記者会見で不確実性について言及し、利下げについては今後のデータを精査し慎重に判断する姿勢を維持した。

FOMCとパウエルFRB議長の会見に対する市場の反応はまちまちだった。債券市場では米国債が買われた(米金利が低下した)。一方、米株式市場では主要指数が上昇して終えた。外為市場では米ドルを買い戻す動きが見られた。これらの反応は、FOMCよりも米中が対立緩和に向けて動きだしたことを強く意識した動きと言える。トランプ米政権は6日、ベッセント米財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表が今週スイスを訪問し、中国と貿易問題を協議すると発表した。中国外務省も、何立峰副首相がベッセント米財務長官とスイスで協議すると発表した。

またトランプ米大統領は7日、アメリカ東部時間の8日午前10時(日本時間同日午後11時)に、貿易協定についての記者会見を開くことを明かした。関税交渉での第1弾の合意が発表されると見られており、その相手国は英国と米メディアが報じている。

市場参加者は米中交渉を最も重視している。だが、関税リスクとそれに伴う貿易摩擦の懸念を後退させる他の動きも、米国株の反発地合いを支える要因となろう。


米中対立の緩和期待でボラティリティ指数が低下

米中の貿易摩擦が緩和の方向に向かうとの期待は、ボラティリティ指数の動きにも表れている。恐怖指数として知られるVIX指数は警戒水準とされる「20」を上回ってはいるが、関税リスクが最も意識された60ポイントから急速に低下している。

VIX指数:日足 年初来

[indices:VOLIN|VIX]

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米債市場の予想変動率を示すMOVE指数も急低下している。一時は米大統領選挙の不透明感が意識された昨年11月の水準を突破し、2023年10月以来の高水準まで急上昇する局面が見られた。しかし現在は、トランプ関税が意識される前の水準へ低下している。ボラティリティ指数の低下は、関税リスクを意識した混乱相場がひとまず終息している状況を示唆している。

MOVE指数:日足 2023年8月以降

MOVE指数:日足 2023年8月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


トランプ米政権 AI半導体の輸出規制撤廃へ、反発色を強めるエヌビディア

米中対立の緩和期待は、米国株の反発地合いを下支えしている。そして昨日の市場では、今の地合いを下支えする要因がもう一つあった。それが主力の半導体株の買いである。

米商務省の報道官は7日、バイデン前政権下で策定された人工知能(AI)向け半導体の輸出規制案を巡り、トランプ現政権が撤廃を検討、変更していることを発表した。詳細な方針についてはまだ議論が続いていると述べたが、この日の市場では主力の半導体株が総じて上昇し、主要指数の上昇をけん引した。

米半導体株と主要指数の動向:5月7日

米半導体株と主要指数の動向:5月7日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

エヌビディア(NVDA)は7日、前日比3%高で終えた。米株価指数と同じく同社の株価は反発色を強めている。

日足チャートでトレンドを確認すると、現在は50日線を突破し一目雲の攻防にある。一目の遅行スパンは日足ローソク足を上抜けてきた。MACDはゼロラインを上回る水準にある。RSIは58付近にあり短期的な相場の過熱感は見られない。株価が75日線を突破すれば、今年1月7日の高値を基点とした短期レジスタンスラインのトライが視野に入ろう。半導体輸出規制の撤廃が発表されたタイミングで米中交渉の進展を伝える報道が重なる場合は、短期レジスタンスラインの突破を想定したい。このケースでは、一目雲の上限のトライが焦点に浮上しよう。

株価が一目雲を突破すれば三役好転となる。テクニカル分析の観点から、強気相場への転換を市場参加者に意識させよう。

エヌビディアの株価:日足 年初来

エヌビディアの株価:日足 年初来

ナスダック100の見通しと注目のテクニカルライン

まずは200日線の突破を確認、三役好転なるか?

ナスダック100のトレンドを日足チャートで確認すると、50日線を完全に突破している。MACDはゼロラインを上回りナスダック100の強気地合いを示唆している。一目転換線でサポートされた状況も考えるならば、反発地合いの継続を想定したい。

ナスダック100の上昇局面では、200日線の攻防に注目したい。今月2日の市場で、この移動平均線がレジスタンスラインとして意識された。ゆえに200日線の突破は、さらなる上値トライのサインとなろう。

ナスダック100が200日線を完全に突破すれば3月25日の高値水準20,340ポイント(4時間足チャート)、そして一目雲の上限の攻防に注目したい(日足チャート)。後者の一目雲を突破すれば三役好転となる。このケースでは強気相場への転換を意識し、2月の高値と4月安値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準20,882ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。

レジスタンスライン
・20,882:76.4%戻し(日足)
・20,515:一目雲の上限(日足)
・20,340:3月25日の高値(4時間足)
・20,179:200日線(日足)

19400の維持が焦点に

一方、米中交渉の不透明感や景気不安を煽る経済指標でナスダック100が下落する場合は、19400ポイントの維持が焦点となろう。今日現在、50日線がこの水準で推移している。来週以降は、日足の一目雲の上限も19400ポイントまで低下する。

ナスダック100が19400ポイント(50日線)をトライするサインとして、19500ポイントの攻防に注目したい。この水準はサポートラインへ転換する可能性がある。5月9日のNY時間に短期サポートラインが19500ポイントと交錯する。直近の調整相場(反落)を止めた一目転換線が19594ポイントにある。転換線の下方ブレイクは、19500と短期サポートラインをトライするサインと考えたい。

サポートライン
・19594:一目転換線(日足)
・19500:サポートライン(4時間足)
・19400:50日線、一目雲の上限(日足)


ナスダック100のチャート

日足:2月以降

日足:2月以降

出所:TradingView

4時間足:3月以降

4時間足:3月以降

出所:IGチャート


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