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米国株見通し(7/2):ナスダック100予想22,200-22,720、テスラ5%安、ハイテク売り警戒

1日のナスダック100はハイテク株売りで下落。テスラは前日比5%安となった。明日に米雇用統計を控えており調整売りが出やすい。ナスダック100の続落を警戒。同指数の株価指数CFD「米国テク株100」のテクニカルラインについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・1日の米株式市場でハイテク株が売られた、テスラは5%下落した
・今日もハイテク株の調整売りとナスダック100の下落を警戒したい
・しかし米株高の地合いは強い、ナスダック100の下落幅は限定的か
・米国テク株100、今日の予想レンジは22,200-22,720



米ハイテク株に調整売り、S&P500とナスダック下落

7月1日の米株式市場では、エヌビディア(NVDA)やメタ・プラットフォームズ(META)など、5月以降の米株高をけん引してきた主力ハイテク株の一角に売りが入った。

ハイテク株の下落を受け、米国500とナスダック指数は下落して終えた。しかし下落幅は限定的だった。中小型株のラッセル2000が前日比1%高で終えた状況も考えるならば、米株高の地合いは強い。昨日のS&P500とナスダックの下落は、ハイテク株の高値警戒感と明日の米雇用統計を意識した調整売りと考えられる。

米株価指数の変動率:7月1日

米株価指数の変動率:7月1日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


テスラ5%安、深刻な販売不振、激化するトランプ米大統領との対立

1日の市場でナスダック100の下落をけん引したのが電気自動車大手のテスラ(TSLA)だった。株価は前日比16.95(5.34%)安の300.71ドルで終えた。テスラは現在、2つの問題に直面している。

問題①:中国勢との競争激化による販売不振
欧州自動車工業会(ACEA)がまとめた5月の欧州新車販売データによれば、欧州全体(EU、EFTA、UK)のバッテリー電気自動車販売台数は前年同期比27.2%増だった。しかし、テスラの欧州新車販売台数は同期比27.9%減と欧州市場での苦戦が続いている。

2日にテスラが第2四半期の世界納車台数を発表する。ブルームバーグのコンセンサス予想によれば、前年同期比12.3%減の38万9,400台が見込まれている。予想以上の販売減となれば株価の重石となろう。

問題②:激化するトランプ米大統領との対立
トランプ米大統領は1日、政府支出の削減を目的にテスラの電気自動車(EV)事業のほか、マスク氏が経営するロケット事業などへの補助金の削減について、政府効率化省(DOGE)が検討すべきとの見解を示した。補助金の削減は、テスラの収益を圧迫するとの懸念を高めるだろう。

株価見通しとテクニカル分析
テスラ(TSLA)の株価は現在、重要な分岐点に差し掛かっている。その水準は291ドルである。4月安値と5月高値の半値戻しに当たり、かつ今は90日線が交錯している(日足チャート、青矢印を参照)。MACDがデッドクロスへ転じゼロラインを下抜けつつある。50を下回るRSIのトレンドも考えるならば、291ドルの下方ブレイクを想定する局面にある。

291ドルのブレイクは、テクニカルの面でさらなる株価下落のシグナルとなろう。この場合には、日足の一目雲の下限を下抜け272.87ドルの維持が焦点に浮上しよう。この水準は、6月5日の大陰線の安値レベルである。4月上旬以降のトレンドを振り返ると、レジスタンスラインからサポートラインへ転換した水準でもある。

一方、株価反発の局面では、50日線の上方ブレイクが焦点となろう。1日時点でこの移動平均線は314ドル付近にある。

テスラの株価チャート:日足 今年3月以降

テスラの株価チャート:日足 今年3月以降

出所:TradingView


ハイテク株の調整売りを警戒

5月以降の米株高をけん引してきたのが、マグニフィセントセブンに代表される大手ハイテク株である。エヌビディア(NVDA)は40%、メタ・プラットフォームズ(META)は31%、マイクロソフト(MSFT)は24%、そしてアルファベット(GOOGL)は約20%それぞれ上昇している(7月1日時点)。

明日は多くの市場参加者が注視する6月の米雇用統計が発表される。短期間で上昇幅が拡大しているマグニフィセントセブンは雇用統計前の調整売りを警戒したい。ハイテク株の売りが続けば、ナスダック100は続落するだろう。同指数が原資産の株価指数CFD「米国テク株100」は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:5月1日~7月1日

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:5月1日~7月1日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


米国テク株100 今日の見通しとテクニカル分析

予想レンジの下限:22,200
マグニフィセントセブンの上昇に連動し、ナスダック100は先月30日に終値ベースでの最高値22679.01を付けた。トランプ関税ショックで急落した時の4月8日の安値17090.40(終値ベース)から32%上昇している。明日に6月の米雇用統計と4日に独立記念日の祝日を控えていることを考えるならば、ナスダック100は調整売りによる続落を警戒したい。

だが、ナスダック100は20日線にサポートされ、右肩上がりのトレンドチャネル内を維持している。「恐怖指数」として知られるVIXは16ポイント台の低い水準で推移している。ナスダック版の恐怖指数であるVXNも20ポイント以下の水準にある。これらの動きは、投資家の根強いリスク選好姿勢を示唆している。ナスダック100が続落しても、下落幅は限定的となることが予想される。

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

同指数が対象の株価指数CFD「米国テク株100」も続落を警戒したい。今日の予想レンジ下限は、サポートラインへ転換する兆しが見られる22,200を想定。このラインをトライするサインとして、1時間足のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。特に半値戻しの水準22,442と61.8%戻しの水準22,377は、直近の市場でサポートラインとして意識された経緯がある。22,300レベルにあたる76.4%戻しの下方ブレイクは、22,200をトライするサインと捉えたい。

MACDはゴールデンクロスへ転じつつある。RSIは売られ過ぎの水準へ到達後に反転している。米国テク株100が22,200をトライすることなく上述したサポートラインで反発する場合は、下で述べるレジスタンスラインの攻防を意識したい。

サポートライン
・22,442:半値戻し
・22,377:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・22,300:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・22,200:予想レンジの下限

予想レンジの上限:22,720
昨日の5月JOLTS求人件数は37.4万件増の776万9,000件と予想外に上昇し、減少傾向に歯止めが見え始めている。今日は6月のADP雇用統計が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想は9.8万人。JOLTS求人件数に続きADP雇用統計でも労働市場の強さが示される場合は、景気の底堅さを意識した米国株の買い戻しが予想される。

本日の米国テク株100の予想レンジ上限は22,720を想定。このラインは、6月30日の取引時間中の高値水準(22,716)にあたる。

米国テク株100が22,720をトライするサインとして、昨日の高値と安値の半値戻しの水準22,550、76.4%戻しの水準22,640の攻防に注目したい。いずれも相場の反発を止めた経緯がある。後者の76.4%戻しの突破は22,720をトライするサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・22,720:予想レンジの上限
・22,640:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・22,550:半値戻し


ナスダック100のチャート

日足:今年3月以降

ナスダック100のチャート 日足:今年3月以降

米国テク株100のチャート

1時間足:6月24日以降

米国テク株100のチャート 1時間足:6月24日以降

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