通貨取引量の多い通貨ペアランキングトップ10

通貨の組み合わせが何百通りもある外国為替市場は、最も大きく、そして最も変動の激しいマーケットです。ここでは、そんな巨大なマーケットで最もよく取引されている通貨ペアトップ10を紹介します。

この記事の数値は、3年ごとに行われる国際決済銀行(BIS)の調査(2019年4月)を基にしています。

通貨ペアとは

外国為替取引においては、1つの通貨を売買すると自動的に別の通貨も売買することになるため、通貨は常にペアで取引されます。どの通貨ペアにも、「基軸通貨」と「決済通貨」があり、基軸通貨が左側、決済通貨は右側に表示されます。

通貨ペアに対して表示される価格は、基軸通貨を1単位購入するために必要な決済通貨の金額を表します。

たとえばUSD/JPYの通貨ペアでは、USDが基軸通貨でJPYが決済通貨です。決済価格が108.000の場合、1ドルは108円となります。

あらゆる種類の通貨ペア

通貨ペアは、大まかに3つのカテゴリに分類することができます。主要通貨、コモディティ(商品)通貨、およびクロス通貨です。

  • 主要通貨はマーケットで最もよく取引されている通貨です。主要通貨ペアの数についてはリストにより意見が異なりますが、ほとんどの場合にはEUR/USD、USD/JPY、GBP/USD、およびUSD/CHFが含まれます。
  • 商品通貨は、石油、石炭、鉄鉱石などの商品と密接に関連する価値を持つ通貨ペアを指します。このリストに含まれるのは、AUD/USDとUSD/CADです。
  • クロス通貨は、米ドルを含まない通貨ペアです。1つのクロス通貨ペア(EUR/GBP)がこのトップ10に入りました。

EUR/USD(ユーロ/米ドル)

EUR/USDはマーケットで最もよく取引されている通貨ペアで、2019年におけるEUR/USD取引は1日の外国為替取引の24.0%を占めています。1 EUR/USDペアの人気は、それが世界の2大経済(ヨーロッパの単一市場および米国)を代表するという事実から来ています。

EUR/USDは1日あたりの取引量が多いため、流動性が高くなり、結果としてスプレッドが小さくなるとされています。流動性と狭いスプレッドは、市場にほとんど影響を与えずに大規模な取引ができるという意味で、投資家にとっては魅力的です。

EUR/USDの為替レートはいくつかの要因により決定されますが、とりわけ欧州中央銀行(ECB)および米国連邦準備制度理事会(Fed)により設定された金利によるものです。これは、金利が高いほど初期投資の収益が向上することから、金利が高い通貨の需要が高まるためです。たとえば、ECBがFedよりも高い金利を設定していたとしたら、ユーロはドルに対して上昇すると考えられます。

USD/JPY(米ドル/日本円)

「ゴーファー」とも呼ばれるUSD/JPYの通貨ペアは、米ドルと日本円で構成されています。マーケットで2番目に取引されている為替ペアであり、2019年のデータによると、1日の外国為替取引全体の13.2%を占めています。1

USD/JPYは、EUR/USDと同様に流動性が高いことで知られており、これは、円がアジアで、米ドルが世界で最も一般的に取引されている通貨であるからです。

日本銀行は、FedやECBと同じように、日本経済の金利を設定しているため、米ドルに対する円の価値に影響を与えます。

GBP/USD(英ポンド/米ドル)

次に、英国ポンドと米ドルです。GBP/USDは、かつてロンドン・ニューヨーク間で売値や買値を知らせるために使用されていた海底ケーブルにちなんで「ケーブル」と口語的に呼ばれています。2019年には、GBP/USDの取引は1日の外国為替取引全体の9.6%を占めました。1

GBP/USDの強さは、その他のほとんどの通貨ペアと同様、英国や米国の経済のそれぞれの強さから来ています。英国経済の成長率が米国経済より高い場合、ポンドはドルに対して強くなると考えられます。しかし、米国経済が英国経済よりも上手くいっている場合、その反対になると考えられます。

GBP/USDの推移

ユーロ/米ドル、米ドル/日本円のペアと同様、GBP/USDの提示価格は、イングランド銀行(BoE)およびFedによって設定されたそれぞれの金利の影響を受けます。その結果、ポンドと米ドルの金利差は、GBP/USD通貨ペアの価格に大きな影響を与える可能性があります。

AUD/USD(豪ドル/米ドル)

「オージー」と呼ばれることもあるAUD/USDは、米ドルに対する豪ドルを表します。この通貨ペアは、2019年には1日の外国為替取引の5.4%を占めました。1 豪ドルの価値は輸出額と密接に結びついており、鉄鉱石や石炭などの金属、および鉱物の輸出が国内総生産(GDP)の大部分を占めています。2

世界市場でこれらの商品の価値が下落すると、豪ドルの価値も下落する可能性があります。AUD/USD通貨ペアの場合、これは米ドルがより強くなることを意味するので、1豪ドルを購入するのに必要な米ドルが少なくなります。

前述の通貨ペアと同様、AUD/USDの為替レートもオーストラリア準備銀行(RBA)とFedの金利差の影響を受けます。たとえば、米国の金利が低ければ、おそらく米ドルは豪ドルに対して弱くなり、1豪ドルを購入するのに必要な米ドルが多くなります。

USD/CAD(米ドル/カナダドル)

USD/CADは米ドルとカナダドルのペアを表します。1カナダドル硬貨の図柄がルーン鳥であることから「ルーニー」と一般的に呼ばれています。2019年において、USD/CAD取引は、1日の外国為替取引の4.4%を占めました。1

カナダの主な輸出品が石油であることから、カナダドルの強さは石油の価格と密接に関係しています。

石油は世界市場において米ドルで値段をつけられているため、カナダは石油輸出を通じて米ドルを大量に得ることができます。そのため、原油価格が上昇した場合、カナダドルの価値も米ドルに比べて上昇する可能性があります。

USD/CADの推移

ドルが下落した場合、以前と同じ量の石油を購入するにはより多くの米ドルを他の通貨に変換しなければならなくなるため、米ドルは通常原油価格が上がると弱まります。言い換えれば、カナダドルと石油価格の間の密接な関係から、石油価格が高いときは、カナダドルが強くなる可能性が高いことを意味します。

このように、石油市場の変動がこの為替ペアの為替レートに影響する可能性があるため、投資家は、USD/CADを取引する際にはブレント原油と米国原油の両方の価格に注目する必要があります。

USD/CNY(米ドル/中国人民元)

USD/CNY通貨ペアは、米ドルと中国の人民幣(一般に元として知られている)の関係を示します。2019年においては、1日の外国為替取引の4.1%を占めています。1

2018年3月の米中貿易摩擦の開始以降、人民元は米ドルに対して大幅に減少しています。

この原因の一旦は、人民元を弱くすることで自国の輸出品の値段を下げ、アメリカ以外のシェアをさらに拡大しようとした中国政府にもあります。

IGでは、USD/CNH通貨ペアの取引が可能です。CNHとは、中国本土外で取引されている人民元のオフショアバージョンです。人民元は、中国の国内市場で取引される場合に限り、CNYと呼ばれます。伝統的にCNHは中国政府によってCNYほど厳しく管理されておらず、これはボラティリティが大きいことを意味しています。このボラティリティは投機的取引にとってより良い選択になる可能性があります。

また、あらゆる出来事がこの通貨ペアの価格に影響を及ぼす可能性があるため、投資家は米中貿易摩擦に注目しておいたほうがよいでしょう。

USD/CHF(米ドル/スイスフラン)

USD/CHF通貨ペアは、米ドルとスイスフランで構成されており、一般的に「スウィッシー」と呼ばれています。歴史的にスイスの金融システムは投資家やその資本にとって安全資産であったため、USD/CHFは人気のある通貨ペアです。

その結果、投資家はマーケットのボラティリティが高まっている間はCHFに頼ることが多い一方、マーケットが安定している間は投資家の関心が低くなります。ボラティリティが高まっている間、投資が増加し、CHFがUSDに対して強くなるにつれて、このペアの価格は下落する可能性があります。

CHFは主に経済の不安定な時期に取引されたり、安全資産として利用されたりするため、このランキングの上位6つの通貨ペアほど活発には取引されていません。しかし、USD/CHFは依然として、2019年における1日の外国為替取引全体の3.6%を占めています。1


USD/CHFの推移

USD/HKD(米ドル/香港ドル)

USD/HKDは、米ドルと香港ドルのペアです。このペアの取引量は、2016年から2019年の間に2倍以上に増加し、毎日のすべての外国為替取引の1.5%から3.3%になりました。

この上昇は、2019年から始まった香港の抗議デモによる影響である可能性があります。抗議は、香港政府による逃亡犯罪者修正法案へ反対するもので、さらに警察の香港の人々に対する残虐行為に対する反対意見の申し立てでもあります。

抗議はこの通貨ペア取引のデータが収集される約1カ月前に始まったため、USD / HKDの取引量に影響を与えた可能性があります。抗議活動がメディアの話題となったことで、多くのトレーダーや投機家が香港ドルの価格が香港関連のニュースの影響を受けると考え、注目するようになったためかもしれません。

香港ドルの価値は、リンク為替レートとして知られるユニークなシステムで米ドルに固定されています。香港ドルは、1米ドルに対して7.75~7.85香港ドルの範囲内で変動することが許可されており、トレーダーはこの帯域内での価格変動を利用することになります。

EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)

EUR/GBPはユーロと英ポンドのペアで、正確な価格予測が最も難しいペアの1つと見なされています。これは、英国とヨーロッパが近いことからEURとGBPの間に歴史的なつながりがあるからです。また、これら2国間の経済に強い貿易関係があることも影響しています。

変動の予測は困難であると考えられているにもかかわらず、EUR/GBP取引は依然として2019年時点で1日の取引全体の2.0%を占めており、このランキング上では9番目に取引されている通貨ペアとなっています。1

このランキングに含まれる他の通貨ペアと同様、投資家はユーロやポンドの為替レートに影響を与える可能性のあるECBとBoEの発表には注意を払う必要があります。

近年、この通貨ペアは主にブレグジットを取り巻く不確実性によって、予測不可能なほどに価格が変動しています。高水準のボラティリティは投資家にとって魅力的な場合がある一方で、不安定なマーケットにおいてはポジションを建てる前にリスク管理戦略を実施することが重要です。

EUR/GBPの通貨ペアの価格に影響を及ぼす可能性のあるブレグジットに関する情報は、IGのブレグジットページからご確認ください。

USD/KRW(米ドル/韓国ウォン)

EMFX USD/KRWは米ドルと韓国ウォンのペアです。この外国為替ペアの取引量は、2019年における1日の外国為替取引の1.9%となりました。USD / KRWがトップ10に入ったのは、2019年が初めてです。

韓国経済は今世紀の変わり目に大きく成長し、アジアで4番目、世界で11番目の規模になりました(2019年11月現在)。トレーダーや投機家はアジア市場において、日本、中国、香港以外でカギとなるマーケットへのエクスポージャーを探していることから、USD / KRWの取引量が増えたといえます。

特に1953年の朝鮮戦争終結以来、韓国の経済成長は非常に印象的なものであり、「漢江の奇跡」とも呼ばれています。この成長により、現在、国と通貨は多くの市場参加者にとって刺激的な機会となっています。韓国は国連、経済協力開発機構(OECD)、G20のメンバーシップを享受しています。

まとめ

EUR/USDが為替ペアの1日の取引量の面で先頭を切っている一方で、他にも投資家が利益を上げるために選択できる、流動性の高い通貨ペアがいくつもあります。投資家は、取引を行う通貨ペアを選択する前にいろいろな要因を考慮すべきです。さらに中央銀行からの発表や貿易紛争の状況に応じて、選んだ通貨ペアがその時点で実行可能な取引オプションであるかどうかを判断するために、独自のテクニカル分析およびファンダメンタルズ分析を行うことも大切です。

1 国際決済銀行、2019年

2 オーストラリア統計局、2016年


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

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