流動性とは、いつでもどこでも金融商品の売り買いが成立しやすい状況にあるか否かを判断する指標です。
現金は世界中に流通しています。よって、最も流動性の高い資産であり、他の市場の流動性を判断する指標となります。例えば、株式の流動性はどれだけ早く且つ容易に現金化できるかによって判断されます。株式の現金化が容易な場合、流動性が高いと表現します。逆のケースの場合、流動性が低いと表現します。
金融市場では金融商品のスプレッド（売値と買値の差）により流動性の状況を判断します。流動性が高い市場や金融商品のスプレッドは売買が成立しやすいため縮小します。逆に流動性が低い市場ではスプレッドは拡大します。
流動性の高い市場には多くの参加者がいます。よって、頻繁に売買が成立します。例えば、1日の取引量が5兆ドルを超える外国為替は、世界で最大かつ最も流動性の高い市場です。
アメリカの株式市場も、毎日膨大な株式が取引されるため高い流動性を確保しています。一方、個別の株式となると、それらの流動性は時価総額、取引所の規模、代表的な株価指数に組み込まれているかどうかといった要因に左右されます。通常Microsoft、Google、Appleなどの優良株は常に高い流動性があります。
参加者が少ない市場では、スプレッドが拡大し且つ売買する機会が減少します。この状況を流動性が低いと表現します。株式市場を例に取ると、一般的に小型株は流動性が低くなる傾向があります。
他に流動性が低い金融商品としては、新興国通貨やマイナーな暗号通貨（仮想通貨）が挙げられます。不動産も流動性の低い資産です。
これまで述べてきた通り、流動性はあらゆる金融商品を取引する際、重要な指標となります。流動性の高い市場や金融商品はいつでもどこでも売買が成立しやすいことから、利益獲得の機会が広がります。また、スプレッドは売買コストのひとつです。よって、高い流動性はコスト削減にもつながります。
流動性が低いと、希望の価格やロット数で売買が成立しないリスクやスプレッドコストが上昇するリスクといった「流動性リスク」に直面します。
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