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ドル円 今週の見通し:米利上げ観測再燃と円安で160円台、焦点は米雇用統計

ウォーシュFRB議長の講演を受け、早期利上げ観測が再燃。ドル円は160円台へ再び上昇した。今週の見通し、焦点そして注目のチャート水準は?

USDJPY Source:Bloomberg

Written by

石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • ウォーシュFRB議長はジャクソンホール講演で利上げに含みを持たせる発言をした。早期の米利上げ観測が再燃し、ドル円は再び160円台へ上昇した
  • 今週は米経済指標をにらんだ展開が予想される。注目は9月4日発表の8月雇用統計となろう
  • ドル円の週間予想レンジは158.00~162.00円。円安と米ドル高が重なり上昇加速となれば、為替介入絡みの突発的な円急伸を警戒したい

ウォーシュ講演で早期利上げ観測再燃、ドル円は160円台へ再上昇

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長は28日、米カンザスシティ連邦準備銀行が毎年8月に米ワイオミング州で開催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演に臨んだ。ウォーシュ氏は基調インフレが目標の2%に向かう確信が持てなければ、「やるべき仕事がある」と述べ、利上げに含みを残した。

ウォーシュ氏の講演を受けて、米債市場では金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが4.3%台へ急伸した。OIS(翌日物金利スワップ)市場では、9月の利上げ予想が6割近くまで上昇した。

早期利上げ観測の再燃を受け、外為市場では米ドル高の展開となった。根強い円安が続くなかで米ドル高が重なり、ドル円(USD/JPY)は7月31日以来となる160円台へ上昇した。

ドル円の5分足チャート

ドル円の5分足チャート TradingView提供のチャート

根強い円安、ドル高再燃ならドル円は上振れ警戒

8月に入り、円は主要通貨(G10通貨)に対して全面安の展開となっている。OIS市場では日銀の9月利上げの織り込みが8割以上に達している。今後の情勢次第では、12月までに追加利上げの可能性も浮上しつつある。しかし、外為市場では円安が止まらない。8月の動向を確認すると、じわりと円安が進行していることが分かる。

今週、ウォーシュFRB議長の講演の余波で米ドル高が進行すれば、ドル円はさらに上値を試す展開が予想される。

円相場のパフォーマンス:8月3日~28日

円相場のパフォーマンス:8月3日~28日 ブルームバーグの為替データで作成

なお、7〜8月に実施された為替介入の総額は15兆3993億円と、4月28日~5月27日の総額11兆7349億円を上回り過去最大となった。それにもかかわらず、前述の通り8月は円安が進行した。ドル円がわずか1か月で160円台を回復した事実は、為替介入による円安是正の効果が剥落しつつあることを示唆している。

米経済指標にらみの1週間、焦点は8月雇用統計

今週は米経済指標をにらんだ1週間となろう。注目は9月4日に発表される8月の雇用統計だ。7月の内容が労働市場の減速を示唆したことで、早期の利上げ観測が後退する一因となった。8月も労働市場の軟化を示唆する内容となれば、早期の利上げ観測に冷や水を浴びせよう。このケースでは、米ドル安とドル円の下落が予想される。

一方、予想外に労働市場の強さが示された場合は、円安と米ドル高が重なり、ドル円は1円刻みの節目水準での攻防となる展開が予想される。雇用統計の前に発表される8月ISM製造業・非製造業景気指数や雇用関連の経済指標も材料視される可能性がある。

米雇用統計 過去1年間の動向

米雇用統計 各項目:過去1年間の動向 出所:ブルームバーグ / 赤棒グラフとドット:市場予想(8/28時点)

ドル円の週間見通しとテクニカル分析

週間予想レンジ:158.00〜162.00円
今週のドル円(USD/JPY)は、158.00~162.00円レンジの攻防を予想する。米経済指標で企業活動や労働市場の底堅さを示唆する内容が続けば、早期利上げ観測を意識した米ドル高の進行が予想される。このケースでは、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

28日に相場の上昇を止めた89日線を完全に上方ブレイクすれば、次の節目水準161.00円のトライが視野に入ろう。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準160.64円と50日線の上方ブレイクは、161.00円をトライするサインと捉えたい。

円安と米ドル高の進行でドル円が161円台へ上昇する場合は、162.00円を視野に上昇拡大を想定したい。テクニカル面で162.00円レベルは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%(161.92円)にあたる。変動拡大を警戒し、162.00円を今週の上限と想定したい。

なお、ドル円の上昇が加速する局面では、政府・日銀のけん制や為替介入に絡んだ突発的な円相場の急伸を警戒したい。
注目水準:レジスタンス
・162.00円:上限予想、76.4%戻し(161.92円)
・161.00円:節目水準
・160.80円:50日線(160.83円)
・160.64円:61.8%戻し
・160.00円:心理的節目、89日線(160.05円)

一方、今週の米経済指標がドル安要因となれば、ドル円は以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

8月19日~20日にかけて相場をサポートした158.00円を今週の下限と想定し、まずは159.00円を維持できるかを確認したい。この水準で反発する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。逆に159.00円を下方ブレイクする場合は、200日線を視野に下落拡大を警戒したい。この移動平均線の下方ブレイクは、158.00円をトライするサインとなろう。
注目水準:サポート
・159.00円:節目水準、サポートライン
・158.40円:200日線(158.38円)
・158.00円:下限予想

※移動平均線の水準:8月28日時点

ドル円 日足チャート:2026年4月以降

ドル円 日足チャート:2026年4月以降 TradingView提供のチャート

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