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為替介入の水準迫る ドル円一時145円 米成長率上方修正で加速

米国の1-3月期成長率の上方修正でドル高圧力が高まった。ドル円相場は一時145円台を付け、為替介入への警戒感が高まっている。

出所:ブルームバーグ

外国為替市場で円安ドル高圧力が強まっている。米国で29日に発表された2023年1-3月期GDPの確定値で、実質成長率が前期比年率2.0%となり、5月発表の改定値から大きく上方修正されたためだ。29日のニューヨーク市場では確定値の発表後、円安ドル高が進行。日本時間の30日には、一時、145円台をつける場面も出た。ドル円相場が2022年9月の日本政府による為替介入を引き越した水準に迫っている形だ。ただし米国経済の強さという経済の実体に即した材料は、今後も円安ドル高の要因として意識されそうだ。

米国の1-3月期成長率は2.0%へ上方修正

米国の1-3月期の実質成長率は4月発表の速報値では1.1%。これが5月の改定値で1.3%に引き上げられ、今回の確定値で一気に2.0%まで伸びた。個人消費の伸び率が改定値の3.8%から4.2%まで伸びたことが要因だ。

米国のGDP成長率と項目別の寄与度

29日のニューヨーク市場では発表前は1ドル=144.2円台だったドル円相場(USD/JPY)が、約1時間半後には144.9円台まで円安ドル高に振れた。30日の東京市場ではさらに円安ドル高が進み、午前10時45分ごろには一時、145.07円をつけた。

米FRBの利上げ観測強まる

米国の成長率の高さが円安ドル高につながるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの確度が高まるからだ。米CMEグループのデータによると、7月25、26日の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利上げについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間30日正午ごろの段階で約87%。約79%だった前日から大きく伸びた。さらに12月のFOMCまでに2回の利上げが行われる確率は35%程度と見込まれ、前日の約25%程度から伸びている。

こうした中で29日の2年物米国債の利回りは前日よりも0.156ポイント高い4.878%となり、3月9日の水準(4.9%)に迫った。2年物米国債の利回りは3月10日のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を機に一時は3.7%台まで低下していたが、米国経済の底堅さへの信頼が増している形だ。

日本政府は2022年9月に145.78円で為替介入

ただしドル円相場では日本政府による円買い介入も意識されている。神田真人財務官はこのところ、円安ドル高の動きについて「急速で一方的」と問題視してきた。30日のドル円相場も瞬間的に145円台をつけたが、日本政府の介入への警戒感もあって、すぐに144.7円台まで円高に振れた。日本政府は2022年9月22日にドル円相場が145.78円となった段階で、24年ぶりの円買い介入を行った実績がある。

ただし、米国経済が想定以上に強く、米国の金利が上昇する中で、日本銀行が大規模金融緩和を維持している日本の円が売られて米ドルが買われることは自然な流れでもある。日本政府による為替介入の可能性が消えるわけではないが、米ドル高圧力が増していることは間違いなさそうだ。


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