【為替】ドル円見通し(2/20):円安再燃・米ドル高で156円視野、急反落には要警戒
IG証券のアナリストによる今日のドル円見通し。円安再燃と米ドル高が同時に発生。156円突破か?154円の維持か?ドル円は変動拡大を警戒。
要点
- 円相場のトレンドが目まぐるしく変化している。先週は円高優勢、対米ドルで3%上昇。今週は一転円安優勢、対米ドルで1.5%下落。「高市政策」がテーマの国内市場とは違い、円相場は「米利下げの不透明感」という別テーマへシフトしている
- FOMC参加者の利下げ見通しが割れていることが議事要旨で判明。OIS市場では3月・4月会合の利下げ見送りが大勢で、6月の利下げ期待も後退気味。本日の米PCE上振れは「利下げ期待のさらなる後退→米金利上昇・米ドル高→ドル円一段高」の要因になり得る
- 上値の焦点は156.00(50日線)と156.10(一目雲の下限)のトライ。しかし、上昇拡大は為替介入の警戒感を高める要因に。上昇拡大の局面では急反落を警戒したい。下値の焦点は154円の維持
円安再燃
円相場のトレンドが目まぐるしく変化している。先週は全てのG10通貨で円高へ振れた。しかし、今週はスウェーデン・クローナを除くG10通貨で円安の状況にあり、円安が再燃している。
注目は対米ドルの動向だ。先週の円相場は対米ドルで3%上昇した。しかし、今週は一転して1.5%下落する状況にある(19日NYクローズ時点)。
円相場の動向:対G10通貨
ブルームバーグの為替データで作成
国内市場は高市政策、円相場は別テーマへ
注目すべきは、日本株が強気地合いを維持しつつ、国内の長期・超長期金利が低下していることだ。
日経平均株価は19日の取引時間中に最高値を更新する場面が見られた。TOPIXは3800ポイント台へ反発。東京証券取引所が19日に発表した2月第2週(9〜13日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証合計)によれば、海外勢は6週連続で日本株(現物)を買い越した。買越額は1兆2323億円。東証プライム市場における海外投資家の買付金額は、前週に続き28兆円台だった。
海外投資家の動向・日本株(現物):昨年8月以降
東京証券取引所「投資部門別株式売買動向」とブルームバーグのデータで作成
※東証と名証の合計
一方、債券市場では選挙戦から利回りに低下の圧力が強まり、衆院選後はその動きが加速している。10年債利回りは2.35%から2.1%台へ低下。一時3.86%まで上昇した30年債利回りも今日の市場で3.2%台と、昨年11月下旬の水準へ低下している。
これらの国内市場の動きは、衆院選前から意識されてきた「高市政策」への期待を反映したものだ。そして自民党の圧勝により、高市政権の政策遂行能力は飛躍的に高まった。積極財政政策を"責任"ある形で推進できるとの期待が、株高と金利低下(国債買い)を同時に促していると解釈できる。
国内長期・超長期金利の4時間足チャート:1月5日~2月19日
TradingView提供のチャート
一方、冒頭で述べた通り円相場は目まぐるしくトレンドが転換している。この動きは、市場のテーマが「高市政策」から新たなテーマへシフトしていることを示唆している。そのテーマとは、「米利下げの不透明感」だ。
米利下げ見通しに不透明感、PCEで米ドル高進行も
18日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月27〜28日開催分)で、参加者の間で今後の利下げ見通しが割れていることが判明した。原因はインフレの見通しにある。
大半の参加者がインフレの2%目標への収束ペースは「不確実で不均一になりうる」と警戒感を示した。さらに数名の参加者は、インフレが目標を上回り続ける場合は、利上げへの転換が適切になり得る可能性に言及した。
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、利下げ期待がジリジリと後退している。現状では次回の3月会合(17〜18日)とその次の4月会合(28~29日)では、利下げ見送りの予想が大勢だ。早くて6月の利下げを意識しながらも、見通しはジリジリと後退。6月の利下げ確率だけを見れば、50%を割り込む状況にある。この見通しは今後の経済指標、特にインフレ指標でさらに後退する可能性がある。
米FOMC 利下げ確率の推移:3月・4月・6月
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 20日午前9時時点
今日は米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視するPCE価格指数(昨年12月)が発表される。利下げ期待が後退する中で予想外の上振れとなれば、米金利の上昇と米ドル高の要因になり得る。円安が再燃している状況で米ドル高が重なれば、今日のドル円(USD/JPY)は、以下で詳述するレジスタンスラインの攻防に注目したい。一方、PCE価格指数が米ドル安の要因となれば、ドル円の反落が予想される。
米PCE価格指数の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:市場予想
ドル円のテクニカル分析、急反落を警戒
50日線(156.00)が視野に
ドル円(USD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、昨日は89日線をトライする場面が見られた。MACDはゼロラインを下回りながらもゴールデンクロスへ転換。RSIは50付近で推移し、過熱感は見られない。今晩の米PCE価格指数が米ドル高の要因となれば、89日線のブレイクと156.00レベルで推移している50日線を視野に上昇拡大を予想する。
ドル円が50日線(156.00)をトライするサインとして注目したいのが、日足チャートの半値戻しの水準155.77レベルだ。この水準はレジスタンスラインに転換する可能性もある。89日線、レジスタンスラインに転換する可能性がある4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%水準155.60レベルの上方ブレイクは、50日線(156.00)をトライするサインとなろう。なお、156.10レベルには一目雲の下限が推移している。
15日のIG週間為替レポートでは、今週の上限予想を155.00レベルとした。しかし円安の再燃と米ドル高が重なり、今は155円台の攻防を意識する状況にある。156.00-10レベルを新たな上限予想とし、上昇拡大の局面では介入警戒感の高まりによる急反落を警戒したい。
関連レポート
・ドル円 週間見通し(2/16週):円高・米ドル安継続なら150円視野も
注目のチャート水準
・156.10:雲の下限(日足)
・156.00:50日線(日足)
・155.77:半値戻し(日足)
・155.60:61.8%戻し、レジスタンス転換の可能性あり(4時間足)
・155.43:89日線(日足)
154円の維持
4時間足のストキャスティクスは買われ過ぎの水準にあり、RSIも”短期的な”相場の過熱感を意識する水準付近まで上昇している。今晩のPCE価格指数が米ドル安の要因となれば、ドル円(USD/JPY)の反落を想定したい。
下値の焦点は154円の維持だ。154.00上の154.25レベルは「高市トレード」の高値と安値の半値戻しにあたる(日足チャート参照)。サポートラインに転換する兆しが見られる154.50レベル(4時間足チャート)の下方ブレイクは、154.25をトライするサインとなろう。このテクニカルライン下の節目水準154.00を今日の下限と想定したい。
ドル円の上昇幅が拡大する場合は、為替介入の警戒感が高まるだろう。投機的な円の買い戻しでドル円が154.00を下方ブレイクする場合は、154.50と同じくサポート転換の可能性がある153.50レベルを視野に下落拡大を警戒したい。
注目のチャート水準
・154.50:サポート転換の可能性あり(4時間足)
・154.25:半値戻し(日足)
・154.00:サポートライン(4時間足)
・153.50:サポート転換の可能性あり(4時間足)
ドル円の日足チャート:昨年10月以降
TradingView提供のチャート
ドル円の4時間足チャート:1月下旬以降
TradingView提供のチャート
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