豪ドル円見通し(1/28):円高警戒もRBAの利上げ期待と金上昇が豪ドル下支え、CPIに注目
IG証券のアナリストによる豪ドル円の短期見通し。本日のCPIに注目。日豪金利差と金価格の上昇が豪ドルを下支え。注目のチャート水準について。
要点
- 日米協調の円安けん制観測を受け円高が進行。ドル円は152円台へ下落。クロス円の動向で円高圧力の強さを確認したい
- 目先注目のクロス円は豪ドル円。本日の第4四半期CPIが豪ドルの変動要因となる可能性あり。インフレ再燃の可能性を示唆すれば、豪RBAの利上げ観測が強まり豪ドルの支援要因に
- 日豪金利差と金価格の上昇が豪ドル円の下支え要因に。上値の焦点は109.00の突破。下値を目指す局面では21日線と50日線の攻防に注目、104円の維持が焦点に
円高進行、日米協調の円安けん制観測強まる、豪ドル円に注目
23日に日米が協調して円安をけん制したとの観測の報道が流れて以降、外為市場で円高が進行している。27日までの動きを確認すると、日本円は主要通貨(G10通貨)で全面高となった。
米ドル安の進行も重なり、円は対米ドルで4%の上昇(27日NYクローズ時点)。ドル円(USD/JPY)は27日のNY時間に一時152.09レベルまで下落する局面が見られた。
円相場の動向:1月23日~27日
ブルームバーグの為替データを基に作成
円高の強さを考える上でクロス円の動向は重要だ。ドル円が下落しても、米ドル安と円高、どちらが主導しているのかが分からないからだ。
23日以降の動き(ドル円とクロス円の下落)を考えるならば、現在の外為市場では円高の圧力が高まっていることが分かる(上のチャートを参照)。
円高圧力がさらに強まっているのかどうか?この点を見極める上で、クロス円の中でも筆者は豪ドル円(AUD/JPY)の動きに注目している。以下で詳述するが、豪ドル円は2つの上昇要因が意識される局面にある。ドル円が下落しても豪ドル円が上昇する場合、円高圧力が後退しているサインの一つとなろう(ユーロ円やポンド円の動きも同時に確認する必要がある)。
注目のCPI、豪RBAの利上げ見通しを左右、今年3回利上げも
28日にオーストラリア統計局が昨年第4四半期の消費者物価指数(CPI)を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想は前期比+0.6%(第3四半期+1.3%)、コアインフレ率として注目されるトリム平均CPIは前期比+0.9%(第3四半期+1.0%)。一方、前年比のトリム平均CPIは+3.3%と、第3四半期の+3.0%から伸びが加速する見込みにある。
オーストラリアのインフレ率:2022年以降
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤ドット:25年Q4予想
日豪金利差と金価格の上昇が豪ドル円の下支え要因に
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、豪準備銀行(RBA)が今年に2回の利上げを行うことを織り込んでいる。レポート掲載時点で今年12月の予想ターミナルレートが4.2%前後にあることを考えるならば、3回利上げの可能性も意識され始めている。
第3四半期CPIでインフレの粘着性が示唆されたことで、豪RBAはインフレの再燃を警戒している。今日のCPIでその傾向がさらに強まっていることが確認される場合は、「利上げ観測のさらなる高まり→豪ドル買い」を想定したい。
日銀も利上げ姿勢を維持している。OIS市場では利上げペースが加速する可能性を意識する状況にある。しかし、現状で予想される今年のターミナルレートは1.25~1.50%程度。以下のラインチャートが示すとおり、日豪の政策金利差は埋まらない状況が続くだろう。この差は豪ドル円の下支え要因となろう。
日銀と豪準備銀行 2026年政策金利の予想推移
ブルームバーグ、OISのデータを基に作成 / 1月28日 午前8時時点
金価格の上昇も豪ドル円をサポートする要因として注目したい。
オーストラリアの金輸出が急増している。同国の産業科学資源省によると、金の輸出収入は2024~25年度に前年比42%増の470億豪ドルに達し、2025~26年度には600億豪ドルへ拡大する見通しである。これにより金は鉄鉱石に次ぐ第2位の輸出品目となる※。
※出典: Australian Department of Industry, Science and Resources「Resources and Energy Quarterly September 2025」
2025年4月のトランプ関税を契機に「米ドル不信」が広がり、米ドル安と金価格の上昇が同時に進行している。金価格は昨年10月に史上初めて4000ドルを突破し、足元では5200ドルが視野に入る。オーストラリアは世界有数の資源輸出国であり、同国の通貨「豪ドル」は資源国通貨としての特性を持つ。ゆえに金価格上昇の局面では豪ドルとの連動性が高まりやすい。豪ドル円の支援要因として、金価格の動きも注視したい。
金価格、豪ドル/米ドル、豪ドル円のチャート:日足 2025年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
豪ドル円の短期見通しとテクニカル分析
109.00突破が焦点に
外為市場では米ドル安の進行が止まらない。豪ドル/米ドル(AUD/USD)は27日の市場で節目の0.70を突破し、2023年2月以来となる豪ドル高水準へ達した。豪ドル円(AUD/JPY)は小幅ながらも上昇した。ドル円(USD/JPY)の下落拡大を受けてなお、豪ドル円が下げ止まる状況は、円安圧力の根強さを示唆している。
今日以降、豪ドル円が上値を目指す場合、最初の焦点はレジスタンスラインに転換する可能性がある107.00の攻防となろう。107円台へしっかりと上昇する場合は、1時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。
61.8%戻し107.88レベルはレジスタンスラインに転換する可能性がある。また、108円台への上昇を見極める重要な攻防分岐の水準でもある。
豪ドル円が107.88レベルをブレイクアウトする場合は、108円台の攻防を想定したい。76.4%戻し108.31の突破は、1月23日高値109.00円を再びトライするサインと捉えたい。
23日の109円トライの局面では、日足ローソク足チャートで長い上ヒゲが現れ上影陰線となった。この動きは109.00レベルでの売りの強さを市場参加者に印象付けた。豪ドル円の上昇局面では、109.00突破が目下のところ最大の焦点となろう。
チャートポイント:レジスタンス
・109.00:1月23日高値
・108.31:76.4%戻し
・107.88:61.8%戻し
・107.54:50%戻し
・107.00:レジスタンスライン
下落局面では104円の維持が焦点に
一方、日米協調の円安けん制観測が意識され豪ドル円が下落基調を維持する場合は、日足チャートにまとめた各サポートラインの攻防が焦点となろう。
直近安値106.07の下方ブレイクは、日足チャートの21日線とフィボナッチ・リトレースメント50%水準105.67円をトライするサインと捉えたい。いずれも105円台で注目のテクニカルラインだ。
105円を完全に下方ブレイクする円高(または豪ドル安)となれば、104円台の維持が焦点に浮上しよう。焦点はサポートラインに転換した104.30レベルの攻防だ。直下には50日線が浮上している。
104.30レベルをも下方ブレイクすれば、104.00の攻防を意識したい。直上の104.13レベルは38.2%戻しにあたり、節目のラインかつテクニカル面で104.00はサポートラインとして意識されやすい状況にある。
チャートポイント:サポート
・106.07:直近の安値レベル
・105.97:21日線
・105.66:半値戻し
・105.00:サポートライン
・104.30:サポート転換の水準、50日線
・104.00:上に38.2%戻し(104.13)
豪ドル円の日足チャート:昨年9月以降
TradingView提供のチャート
豪ドル円の1時間足チャート:1月19日以降
TradingView提供のチャート
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