ドル円 週間見通し(1/12~16):解散報道で円急落、米CPI次第で160円視野も
IG証券のアナリストによるドル円の週間見通し。衆院解散の観測と「高市自民党」圧勝の思惑で円安加速か。米インフレ指標も変動要因に。今週注目のチャート水準について詳細解説。
要点
- 読売新聞の衆院解散検討報道を受け、9日の外為市場で円安が加速。ドル円は一時158円台へ上昇。今週は解散観測と「高市自民党」圧勝の思惑で円安進行か
- 今週13日に米消費者物価指数(CPI)がある。先週はインフレ期待の上昇を示すデータが相次いだ。CPIでインフレの粘着性が示される場合は、利下げ期待の後退を通じて米ドル買いが加速する展開を想定したい
- ドル円の週間予想レンジは156.00-160.00。解散観測の円安と利下げ期待後退の米ドル高が重なれば、節目の160円が視野に入る
衆院解散報道で円安進行、160円視野も
読売新聞電子版は9日午後11時に「高市首相が衆院解散を検討」と報道した。記事によれば、以下の案が想定されるという。
【想定される日程】
・解散時期:1月23日召集予定の通常国会冒頭
・想定される選挙日程1:1月27日公示 → 2月8日投開票
・想定される選挙日程2:2月3日公示 → 2月15日投開票
※読売新聞電子版「高市首相が衆院解散を検討、23日通常国会の冒頭に…2月上中旬に投開票の公算」より(2026/01/09 23:00配信)
9日の外為市場では対G10通貨で円安が進行した。ドル円(USD/JPY)はレジスタンスラインとして意識されていた158円を一時ブレイクアウトする局面が見られた。
日本円の動向:1月9日
ブルームバーグの為替データを基に作成 / 対G10通貨
1月5日に配信したIG週間為替レポートでは「2026年の円相場にとって、高市政権の支持率は重要なファクターとなろう」と指摘した。9日の動きは、高市政権の基盤が盤石となれば、積極財政を意識した円安が加速しやすい状況にあることを示した。
衆院解散を否定するコメントが高市政権の内部や自民党内から出ない限り、今週の円相場は週明け12日から円安加速の展開が予想される。下で詳述する米インフレ指標次第では、一気に160円が視野に入る可能性もあろう。
関連レポート
・【為替】2026年の見通しと焦点、ドル円の週間展望
焦点は米国のインフレ、13日に消費者物価指数(CPI)
今週、ドル円(USD/JPY)が節目の160円を視野に上昇拡大となるか?この鍵を握るのが米国のインフレ指標だ。
13日に消費者物価指数(CPI / 昨年12月)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、前年同期比のコア指数でインフレの粘着性が示される可能性がある。
米国 消費者物価指数(CPI) の動向:直近1年間
ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:12月市場予想
先週は、インフレ期待の上昇を示すデータが相次いだ。米ニューヨーク連銀の月次調査によれば、昨年12月の1年先インフレ期待は3.4%と、11月の3.2%から上昇した。
1月のミシガン大学調査でも、1年先の期待インフレ率(速報値)が4.2%と、12月確報値から横ばいながらもブルームバーグ予想の4.1%を上回った一方、5-10年先も3.2%から3.4%へ上昇した。
期待インフレ率の動向:2025年以降
ブルームバーグのデータを基に作成
昨年12月の雇用統計では、前年同期比の平均時給が3.8%と11月の3.6%から加速し、賃金インフレの根強さも確認された。
こうした環境下でCPIがインフレの粘着性を示す内容となれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用よりもインフレ重視の姿勢に傾くとの思惑が強まろう。
後退する米利下げ観測
翌日物金利スワップ(OIS)市場では現在、今年最初の利下げを6月と予想している。昨年12月下旬は4月の利下げが想定されていた。
CPIに続き14日の生産者物価指数(PPI/ 25年11月)でもインフレの粘着性が確認される場合、米ドル買いが加速する展開を想定したい。
米政策金利 2026年の予想
ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 1月9日時点
ドル円の週間見通しとテクニカル分析
160円視野に上昇拡大も
冒頭で述べた衆院解散の観測報道を受け、今週の外為市場で円安が加速すれば、ドル円(USD/JPY)の上昇拡大を予想する。このケースでは、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
最初の焦点は158.00のブレイクアウトとサポート転換となろう。9日の市場では158.18まで上昇したが、サポート転換には失敗した。今週、158円で底固めとなれば、さらなる上値トライのサインとなろう。
ドル円が158円台へしっかりと上昇し、9日の高値158.18を完全に突破すれば、4時間足チャートにまとめた2つのフィボナッチ・エクステンションの攻防に注目したい。フィボナッチ・エクステンション100%の水準158.95レベルのトライは、159.00のトライを意味する。今週の米インフレ指標が米ドル買いの要因となれば、159円台への上昇を想定したい。
日足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%の水準159.41レベルも突破すれば、節目の160.00が視野に入る。このラインを今週の上限と予想する。
チャートポイント
・160.00:上限予想(日足チャート)
・159.41:フィボナッチ・エクステンション100%(日足チャート)
・158.95:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足チャート)
・158.63:フィボナッチ・エクステンション161.8%(4時間足チャート)
・158.18:1月9日の高値(4時間足チャート)
156.00の維持
一方、解散総選挙の観測の後退や米物価指数でインフレの鈍化が示される場合は、円の買い戻しと米ドル安が予想される。節目の160円を目指す展開となれば、政府・日銀よる為替介入を警戒した突発的な円高も想定しておく必要がある。
156.00の上には、サポートラインとして直近のドル円を下支えしている21日線が展開している。すぐ下の節目水準156.00を今週の下限と想定したい。まずは4時間足チャートの157.77と157.20の攻防に注目したい。かつての高値水準がサポートラインに転換すれば、上で取り上げたレジスタンスラインを意識する地合いが続くと予想する。
一方、ドル円が157.00を下方ブレイクする場合は、上記の移動平均線をトライするサインと捉えたい。
チャートポイント
・157.77:サポート転換の可能性あり(4時間足チャート)
・157.20:サポート転換の可能性あり(4時間足チャート)
・157.00:サポートライン(日足チャート)
・156.68:10日線(日足チャート)
・156.33:21日線(日足チャート)
・156.00:今週の下限予想
※移動平均線の水準:1月9日時点
ドル円の日足チャート:昨年9月以降
TradingView提供のチャート
ドル円の4時間足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
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