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ドル円 週間見通し(10/20週): 高市政権誕生で円安再燃か、予想レンジ148.00~154.00

ドル円の週間見通し(10/20~24週)。高市トレード再燃なら円安を想定。一方、米ドル安が進行すれば円安とぶつかり合い変動拡大を警戒。週間の予想レンジは148.00~154.00。注目材料と重要チャート水準についてIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

今週前半のドル円は、高市新政権誕生による円安の進行で上値トライが予想される。焦点は153円の攻防となろう。直近の高値153.27レベルを突破すれば、さらなる上値トライを意識したい。しかし、外為市場では再び米ドル安の圧力が高まるムードにある。米中対立の再燃と経済指標が米ドル安の要因となれば、ドル円の変動拡大を警戒したい。週間の予想レンジは148.00~154.00。



高市トレードの再燃と円安

自民党と日本維新の会が連立政権の樹立に向けて最終調整に入っている。20日にも合意文書を作成し調印する見通しにある。21日の首班指名選挙では、自民党の高市早苗総裁が新首相に就任することが確実な情勢にある。

高市新政権が発足すれば、今週前半の外為市場は「高市トレード」の再燃による円安を想定したい。この場合、ドル円(USD/JPY)の焦点は153円台の再トライとなろう。10月10日に付けた直近高値153.27レベルの上方ブレイクは、さらなる上値トライのサインとなろう。

高市政権の基盤の脆弱さや米ドル安がドル円の下落要因となる場合は21日線、149.00レベルそして148.00レベルの維持が焦点となろう。

ドル円の日足チャート:2025年4月以降

ドル円の日足チャート:2025年4月以降

TradingView提供のチャート

日銀の早期利上げ観測の後退も円安要因となろう。植田和男日銀総裁は10月16日、今後の追加利上げについて「経済物価見通しの確度が上がれば、金融緩和の度合いを調整していくことに変わりはない」と従来の基本姿勢を繰り返した。しかし、OIS市場が示す10月会合の利上げ確率は26%まで低下しており、高市氏が自民党の新総裁に選出される前の68%から急低下している。12月会合についても40%台の織り込みにとどまり、市場は利上げ時期の後ずれを想定している。

日銀 利上げ確率の推移:2025年6月以降

日銀 利上げ確率の推移:2025年6月以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / OIS市場に基づく確率 / 10月17日時点


円高要因

高市新政権に対する各市場の反応、国会情勢の不透明感、そして再燃の兆しを見せている米中対立の動向を総合的に勘案すれば、現状において日銀の10月利上げ観測が高まる環境にはない。しかしながら、短期間で急速に円安が進行すれば、国内サイドから円安けん制の頻度が増すだろう。トレンドを変える力はなくとも、調整の円買い要因になり得る。

また、円安の進行はインフレリスクを高める要因でもある。ゆえに、日銀の利上げ観測を高める要因にもなり得る。10月利上げの可能性は後退しても、思惑先行の突発的な円高を警戒したい。

高市新政権の基盤が脆弱であることも円高の要因として警戒しておきたい。日本維新の会は財政の健全化を重視する方針にある。今週は高市トレードの円安を想定しながらも、今後高市氏の掲げる「責任ある積極財政」と維新の主張がぶつかり合う状況が見られる場合は、高市政策に一定のブレーキがかかるとの思惑で円高の要因になり得る。連立政権が維持される間は、財政政策に関する両党の動きに細心の注意を払いたい。


米ドル安を警戒

トランプ米大統領は今月10日、中国のレアアース(希土類)輸出規制強化に対抗し、中国の輸入品に100%の追加関税を課すことを発表。米債券市場では金利の低下幅が拡大している。金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは一時3.4%を下抜ける局面が見られ、2022年以来の水準へ低下した。10年債利回りは、節目の4.0%を完全に割り込む状況にある。

24日に9月消費者物価指数(CPI)と10月購買担当者景気指数(PMI)が発表される。米中対立が再燃の兆しを見せる中、インフレの抑制や企業活動の低下が示される場合は、米連邦準備制度理事会(FRB)による連続利下げの思惑が米金利の低下と米ドル安を促す展開が予想される。円安の局面で米ドル安に直面する場合は、ドル円(USD/JPY)の急反落を警戒したい。

米金利の1時間足チャート:10月9日以降

米金利の1時間足チャート:10月9日以降

TradingView提供のチャート/ 10月17日までの動向


ドル円のチャート分析

予想レンジの上限:154.00
今週、高市トレードの円安再燃でドル円(USD/JPY)が上値を目指す局面では、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

最初の焦点は、10月10日に付けた高値153.27レベルの突破となろう。この水準を目指す過程では、151.32から152.50レベルの攻防に注目したい。

ドル円が153.27レベルを完全に上方ブレイクすれば、154.00のトライが焦点に浮上しよう。このラインを今週の上限と想定したい。4時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%の水準153.65レベルの上方ブレイクは、154.00ラインを目指すサインと捉えたい。

想定を超える米ドル高・円安で154.00を突破する場合は、1月10日の高値と4月22日安値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準154.40のトライが焦点に浮上しよう。

レジスタンスライン
・154.40:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(日足)
・154.00:週間予想レンジの上限(4時間足)
・153.65:フィボナッチ・エクステンション100%(4時間足)
・153.27:10月10日の高値(4時間足、日足)
・152.50:レジスタンス転換の可能性あり(4時間足)
・151.78:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(4時間足)
・151.32:半値戻し(4時間足)

予想レンジの下限:148.00
今週、米ドル安がドル円(USD/JPY)の下落要因となる場合は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

最初の焦点は、10月17日の下落を止めた21日線の攻防となろう。この移動平均線を下方ブレイクする場合は、IG為替レポートで注目している149.00ラインがサポート転換となるかどうかを確認したい。

ドル円が148円台へ下落する場合は、50日線の攻防が焦点となろう。この移動平均線の下方ブレイクは、サポート転換の可能性がある148.00のトライを想定したい。すぐ上の148.15レベルは、レポート掲載時点での10月の高値と安値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(4時間足チャートを参照)。148.00を今週の下限と想定したい。

サポートライン
・149.72:21日線(日足)
・149.00:サポート転換の可能性あり(4時間足)
・148.43:50日線(日足)
・148.00:週間予想レンジの下限(4時間足、日足)

ドル円の日足チャート:2024年12月以降

ドル円の日足チャート:2024年12月以降

TradingView提供のチャート

ドル円の4時間足チャート:9月中旬以降

ドル円の4時間足チャート:9月中旬以降

TradingView提供のチャート


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